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AMD Ryzen 9 7950X3D 3D V-Cache CPU ベンチマークがリーク。マルチスレッドで10%遅く、シングルコアは7950Xと同等

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AMD Ryzen 9 7950X3D 3D V-Cache CPUの非公式ベンチマークがGeekbench 5データベース内で初めてリークされました。

AMD Ryzen 9 7950X3D 3D V-Cache CPUはRyzen 9 7950Xと比較してマルチスレッドパフォーマンスが10%低下している

AMD Ryzen 9 7950X3Dは、3D V-Cacheテクノロジを搭載したフラッグシップ&初の16コアCPUだ。

合計32スレッド、合計144MBのキャッシュ(64MB CCD、64MB V-Cache+16MB L2)、TDP 120Wを搭載する。

クロックについては、ベースクロックが4.2GHzと標準的な7950Xより300MHz遅いが、ブーストクロックは同じ5.7GHzとされている。

このことから、3D V-Cache非搭載品に対してTDPが50W低くなっていることがわかるだろう。

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AMD Ryzen 9 7950X3Dは、ASUS ROG Crosshair X670E HEROマザーボードにDDDR5メモリ32GBを搭載してテストしている。

Geekbench 5では、現時点ではRyzen 3D V-Cache "Zen 4 "チップのL3キャッシュを正確に読み取ることができないようだ。

性能面では、CPUはシングルコアで2157、マルチコアテストで21841を記録した。

 

 

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マルチコアテストでは、AMD Ryzen 9 7950XやIntel Core i9-13900KのCPUよりも10%程度遅く、シングルコアの性能は同等であった。

Ryzen 9 7950X3Dは、標準的な非3D CPUと比較して、電圧や放熱の余裕がないことを考えると、マルチコア性能の低下は予想されることである。

ベンチマークログによると、チップの最大ブーストクロックは5.5GHzで、7950X非3Dが達成できる5.7GHzブーストより若干遅く、マルチコアの数値が低くなっていることが分かる。

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今回も、7950Xの約90%の性能を持ちながら、さらに高速なゲーム性能を実現したAMD Ryzen 9 7950X3Dは、ハイエンドユーザーにとって非常識な取引となりそうです。

AMDは、Ryzen 9 7950X3DのCPUを、IntelのトップCPUであるCore i9-13900Kと、複数のゲームおよびワークロードアプリケーションで比較しました。

その結果、3D V-Cacheチップは、1080pで高画質のゲームにおいて、最大24%高速なパフォーマンスを提供できることがわかりました。

以下は、ゲーム・テストと13900K CPUに対するそれぞれの利得です。

AMD Ryzen 9 7950X3D ゲーミングパフォーマンステスト(AMDより):

  • ウォッチドッグス レギオン(1080p)-最大9%高速化
  • DOTA(1080p) - 最大11%高速化
  • レインボーシックス シージ(1080p)- 最大13%高速化
  • ホライゾンゼロドーン(1080p)- 最大24%高速化

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前述したように、7950X3Dチップは、一方は高クロックで動作し、他方は3D V-Cacheスタッキングのために保守的な制限が設定されているという異なるCCD構成を持っています。

しかし、以下のように様々なテストでCore i9-13900K CPUを凌駕することができるため、ワークロードアプリでも全体の性能は大きく変わることはない。

AMD Ryzen 9 7950X3D ワークロード性能テスト(AMD経由):

  • ファイル暗号化(VeraCrypt AES) - 最大4%高速化
  • 3Dグラフィックス(PassMark 10) - 最大11%高速化
  • Adobe Premiere Pro (再生) - 最大17%高速化
  • DaVinci Resolve(拡張スコア) - 最大24%高速化
  • ファイル圧縮(7-Zip) - 最大52%高速化

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AMD Ryzen 9 7950X3Dは699USドル、Ryzen 9 7900X3Dは599USドルの価格で今月末の28日に発売される予定だそうです。

AMD Ryzen 7000 RaphaelデスクトップCPUのスペック:

CPU名アーキテクチャー製造
プロセス
Cores / Threadsベース
クロック
ブースト
クロック
(SC最大)
キャッシュTDP価格
(希望小売価格)
AMD Ryzen
9 7950X3D
Zen 4 3D
V-Cache
5nm16/324.2 GHz5.7 GHz144 MB
(64+64+16)
120W$699 US
AMD Ryzen
9 7950X
Zen 45nm16/324.5 GHz5.7 GHz80 MB
(64+16)
170W$599 US
AMD Ryzen
9 7900X3D
Zen 4 3D
V-Cache
5nm12/244.4 GHz5.6 GHz144 MB
(64+64+12)
120W$599 US
AMD Ryzen
9 7900X
Zen 45nm12/244.7 GHz5.6 GHz76 MB
(64+12)
170W$449 US
AMD Ryzen
9 7900
Zen 45nm12/243.6 GHz5.4 GHz76 MB
(64+12)
65W$429 US
AMD Ryzen
7 7800X3D
Zen 4 3D
V-Cache
5nm8/164.0 GHz5.0 GHz104 MB
(32+64+8)
120W$449 US
AMD Ryzen
7 7700X
Zen 45nm8/164.5 GHz5.4 GHz40 MB
(32+8)
105W$349 US
AMD Ryzen
7 7700
Zen 45nm8/163.6 GHz5.3 GHz40 MB
(32+8)
65W$329 US
AMD Ryzen
5 7600X
Zen 45nm6/124.7 GHz5.3 GHz38 MB
(32+6)
105W$249 US
AMD Ryzen
5 7600
Zen 45nm6/123.8 GHz5.1 GHz38 MB
(32+6)
65W$229 US

ソース:wccftech - AMD Ryzen 9 7950X3D 3D V-Cache CPU Benchmarks Leak: 10% Slower In Multi-Thread & Similar Single-Core As 7950X

 

 

 

 

解説:

Ryzen 9 7950X3Dの Geekbench5のスコアがリーク

まず最初に公平を期すためにお断りしておきます。

Geekbench5のスコアはAVX-512が含まれており、intelのCPUと比較するとAVX-512に対応するZen4とZen4X3Dに有利なスコアが出るようになっています。

そのため、AVX-512を使用しない用途であるならば、全体的にIntel CPUにもう少し有利な結果になることは注意喚起しておきます。

元記事のデータはそれを前提に見るようにしてください。

元々Intelが作った命令であるAVX-512でこのようなことになるのは皮肉としか言いようがないです。(苦笑。

 

Geekbench5の結果で目を引くのは7950X3Dは7950Xと比較して遅くなっていることですね。

この点では5800Xと5800X3Dの関係と同じで、「キャッシュがものを言う処理では早いがそうではない処理ではクロックが下がっている分遅い」と言うことになります。

7950X3Dはオールコアターボのクロックが明示されていませんが、おそらく、キャッシュを搭載して消費電力が増えた分、下がっているのでしょう。

元々7950XをはじめとしたZen4系列のRyzenはギリギリまでファクトリーOCされていますので、当然と言えば当然です。

もはや、限られたTDP内で何かを付けたすのは何かを失うという形でしか効率を上げられないのでしょう。

7950X3Dはゲーム専用の高性能CPUであり、総ての処理においてバラ色の未来をもたらすものではないということになります。

3D V-Cacheからあふれる処理と7950Xのキャッシュに収まってしまう処理ではクロックの分だけ7950Xの方が有利と言うことになります。

この点は覚えておいたほうが良いでしょう。

 

 

 

Ryzen 7000X3Dシリーズ(Socket AM5)

 

Ryzen 7000シリーズ(Socket AM5)

 

Ryzen 8000GシリーズAPU(GPU内蔵)

 

Ryzen 5000/4000シリーズ

 

 

 

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