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保証について考える

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概要

今日は各BTOショップの保証について考えてみましょう。

BTOがこんな風に全盛になる以前は高性能PCを手に入れようと思ったら自作しかありませんでした。

しかし、自作は作るのにもハードルが高い上にパーツ単位での保証しかありません。

OSのインストールも含めたソフト環境の構築のことも考えると一般の人向けに自作は厳しいでしょう。

もちろん私は自作PCをずっと使っていますが、そう思います。

自作PCは一回ハマってしまうと他がどんなに得でもやめられない麻薬のような魅力があるのは確かですが、トラブルを楽しめるような人でない限りはかなり厳しい道のりが待っていると言わざるを得ません。

自作PCとBTOの最大の違いは「完成品としての保証があるかどうか」だと思います。

 

トラブルは大まかに分けて二種類に大別される

トラブルは大まかに分けて「初期不良」と「その他の不良」に大別されます。

PCパーツというのは究極の合理性の塊なので、コストに見合わないものは存在しません。

一定数不良が混じるのもオーバークオリティのものが存在出来ない世界だからです。

初期不良というのはそれなりに発生するものなので、初期不良に関しては普通の故障とは対応が異なります。

電源やHDDでもさんざん説明してきましたが、品質を上げると同じ性能で数倍というコストになって跳ね返ってきます。

同じグレードの製品同士でも明確に出来の良い「当たり」と出来の悪い「はずれ」があり、最悪のはずれを引いた場合、保証期間内に壊れるということになります。

これは、どんなに治安が良くなっても犯罪率が0にならないのと同じで、どんなに厳しい検査を行っても不具合を0にすることはできません(※ 0に近くすることはできます。)

※ 検査や試験を厳しくすればそれだけコストになって跳ね返ってきます。

また、ユーザーによって使われる環境も様々です。

日本でも100Vの電源でも100Vに達しない環境や近くに工場があって、工場が操業開始すると電圧が一瞬落ちたり、部屋の照明の蛍光灯が着くときに激しくノイズが入ったりなどです。

また温度も極端な低温の場合、コンデンサやHDDなどは正常に動作しない場合もあります。

お住いの地域によっては部屋の温度が氷点下になることもあると思いますがこのような場合は暖房を入れて部屋を暖めてから動かさないと故障の原因になることがあります。

こんな風に特に自分はおかしな使い方だと思って無くても実は精密機器にとってはあまり良い環境ではなかったりということもあります。

パソコンは結露には非常に弱いので急激な温度変化もご法度です。

多くのショップで延長保証が有料になっているのは一年保証以上の保証は有償でなければペイ出来ないからです。

上で説明してきたように様々な環境、様々な使いかたでずっと使われ続けることを考え合わせると、保証を厚くしたい人は個別にお金を払ってくれと言うのがBTOの常識となっています。

保証は制度は一種の保険のようなものですので、基本的に購入後に入ることは出来なくなっていますので注意してください。

購入後に加入できることとした場合、全体より故障品の率が上がってしまい保証制度が運用できなくなってしまいます。

 

保証に関するバックエンド側からの考え方

保証にかかる料金というのは不良品率と人件費、その他のコストの集合体となります。

保証期間内であれば、この料金はショップ側が全額負担します。

保証期間が過ぎていた場合

修理料金(工賃・人件費などのコスト)+パーツ代実費+往復送料

となるのが普通です。

基本的にショップ側はこの料金を不良品の率と人件費などの経費で計算して出しています。

よって延長保証などの料金もそれに準じて出しています。

赤字になれば料金は当然上がります。

保証は基本的に受益者負担になりますので、安心して利用しましょう。

保証とはパソコンが通常使用(自然故障)で壊れた場合の保証のみとなります。

何故なら、その分しか計算に入れてないからです。

買った人がコーヒーをこぼす、落下させるなど顧客側のミスで起きた故障は保証に含まれません。

そうした際の保証はショップによっては延長保証に入ってることもありますし、別途有償サービスを設けていることもあります。

こうした客側の過失による故障に関しては基本的には有償修理になりますのでその旨理解しておきましょう。

 

各ショップの保証規約は厳しく定められている

各ショップの保証規約は基本的に厳しく定められています。

なぜならば、厳しく定めない限りは保証の抜け穴を利用して法外な要求をしてくるクレーマーが一定数発生するからです。

ショップ側も顧客に善人しかいなければ最大限の良心的な対応を行ったほうが口コミも良くなりますので、評価が上がります(宣伝効果がある)

しかし残念ながら、規約の抜け道などを利用して法外な要求をしてくる問題のある顧客というのが一定数存在するため、なかなかそのように出来ないのが実情です。

こうした顧客が一定数いることは社会に出て一般顧客の対応をされた経験のある方なら納得していただけるのではないでしょうか。(私もあります。)

企業側もこうした悪質なクレーマー対応のために一定のコストをかけざるを得ず、そうしたコストが普通の顧客・優良顧客の対応に関するコストも押し上げているのは残念なところだと思います。

このページを見てる貴方も、保証規定をよく確認して企業からクレーマーと呼ばれるような「困ったチャン」にならないように気を付けてください。

サポート対応窓口の裏側にも人間がいて、基本的に気持ちのよいやり取りができればスムーズに進んだり心情をくみ取ってくれもします。

しかし、相手が悪いという態度を丸出しにして罵詈雑言を投げつければやはり対応は機械的にならざるを得ません。

お互いにこうしたことに気を付ければ気持ちの良い関係を築けると思います。

人間困ったときには感情的になりやすくなるものです。それはどうしようもないことだと思います。

しかし、この言葉を心にとめておいて余裕がなくなった時に思い出して一度冷静に振り返ってもらえると幸いです。

クレーマーの実態については下のリンクが参考になります。

参考リンク:島田法律事務所 - なぜ悪質クレーマーは同じことを言い続けるのか?

普通の人にとってはびっくりすることかもしれませんが、世の中にはこんな人たちもいるということです。

 

各BTOショップの初期不良の対応

ドスパラ・・・初期不良対応期間は製品が手元に到着してから1週間ですが、メルマガ会員は1か月間です。メルマガは無料かつ登録に特別な条件などは存在しないので、1か月間と考えて差し支えないと思います。BTOの場合、不良の出た個所を調べてパーツを交換するとしても本体を丸ごと返送する必要があるため、基本的には修理対応となります。メルマガ会員になるだけで初期不良対応期間が4倍以上になりますので、今ゲーミングPCを検討中の方は何を差し置いてもメルマガ会員に登録しておきましょう。

初期不良対応時の往復の送料はドスパラ側が負担しますが、必ず事前に連絡を入れることが条件です。

不良診断・修理に要する期間は通常品に関しては7-10日、海外製品に関しては一か月以上です。

初期不良対応と無償保証対応との違いはありません。

ドスパラのメルマガ会員になる方法リンク

 

G-tune(マウスコンピューター)・・・初期不良は製品が手元に到着してから30日間となります。

修理対応となります。もしくは状況によっては部品発送して客側がパーツ交換するサービスも行ってくれることがあるようです。

修理期間は配送期間を含まず一週間程度となります。

初期不良対応は有償保証に入っていなくてもピックアップ修理(業者の手配と送料の負担はマウス側)になります。

 

パソコン工房・・・初期不良は製品が手元に到着してから二週間となります。

実店舗への持ち込みまたは宅配の場合、往復の送料はパソコン工房側が負担して、修理対応になります。

誤品、欠品、破損、運送事故等の対応が含まれます。

修理・チェックには数日から数十日間かかることがあると公式サイトに記述がありますが、標準的には一週間程度とみておけばよいでしょう。

 

サイコム・・・初期不良対応は30日間になります。

修理対応になります。

サイコムの保証は基本的に全てセンドバック(往路の配送料は顧客負担)となりますが、初期不良はサイコム側が往復ともに負担してくれます。

 

Tsukumo・・・初期不良期間は購入してから一か月間となります。

往復の送料はTsukumo側が負担して修理対応となります。

 

各BTOショップの保証の内容

では各ショップごとに保証がどんなふうになっているのか比較してみましょう。

ドスパラ

通常保証期間・・・1年

延長保証期間・・・2年もしくは3年

延長保証料金

2年:本体価格99,800円以下の場合、5,880円。本体価格99,801円以上の場合本体価格の6%

3年:本体価格99,800円以下の場合、9,980円。本体価格99,801円以上の場合、本体価格の9%

保証期間内の保証内容・・・修理対応。往復の送料をドスパラ側が負担。不良診断・修理に要する期間は通常品に関しては7-10日、海外製品に関しては一か月以上です。

 

セーフティサービス

ドスパラの保証を最高にした理由がこのサービスです。

月額を支払うことにより、顧客側のミスで故障が発生したとしても無償で修理してもらえます。(ただし重過失、OCなどは対象外。)

最低利用期間や解約手数利用などはありません。(ただし、特に設定されているセーフティモデルを除く)

そのため、発生する可能性の高いと言われている初期不良期間(一か月間)だけ利用して解約すれば運悪く不具合が起きても代替え機を用意してもらえます。(代替え機は「とことん満足プラン」のみです。)

※ ただし、一度解約したパソコンは再度加入できませんので、注意してください。

最初の一か月間だけ利用して延長保証2年と組み合わせる等、柔軟に対応できます。

上の表では保証以外の内容は省いていますが、保証以外にも様々なサービスが受けられますので、もちろんですがずっと加入し続けてもOKです。

買ったばかりの時に不具合が起きたら代替え機が欲しいと思ってる人はこういったサービスを柔軟に組み合わせましょう。

買ったばかりの時がやはり一番期待が大きいのでがっかりしないためにもこうしたサービスを賢く活用しましょう。

購入金額に関係なく一定額を払えば保証してもらえます。

 

満足プランの場合(過失で故障した場合も往復の送料無料)

延長2年保証の場合、980円×24=23,520円 23,520÷0.06=392,000円

延長3年保証の場合、980円×36=35,280円 35,280÷0.09=392,000円

いずれの場合も本体価格392,000円以上の場合はセーフティサービスの方が得です。

 

とことん満足プランの場合(故障時の代替え機あり)

延長2年保証の場合 1,580円×24=37,980円 37,980円÷0.06=632,000円

延長3年保証の場合 1,580円×36=56,880円 56,880円÷0.09=632,000円

いずれの場合も本体価格632,000円以上の場合、セーフティサービスの方が得です。

 

セーフティサービスの場合、1年間だけ加入して通常では存在しない通常保証期間の保証を厚くすることもできます。

本体価格が高額になった場合、こうしたサービスを利用することも考えておきましょう。

一年保証を拡張する場合

満足プランの場合(過失で故障した場合も往復の送料無料) 980×12=11,760円

とことん満足プランの場合(故障時の代替え機あり)   1,580×12=18,960円

 

 

マウスコンピューター

通常保証・・・1年

有償保証の種類

マウスコンピューターは有償で様々な種類の保証を付けることができます。

保証の内容は最高レベルです。他社ではそもそも存在しないか基本的には一回ごとに有料のオンサイトサービス(訪問修理)すらも購入時の一定額の支払いによって受けることができます。

これは大きいでしょう。

東証二部上場というBTOショップとしては異例の規模を誇りますので、やはり企業体力の差がモロに出る保証周りに関してはほぼ最強と言っても過言ではありません。

※ こういった要素はスペック上OC可能な仕様に見えても出来ないなど、一部商品に柔軟性がないのとトレードオフになります。すべての要素には二面性があって、よいことばかりでも悪いことばかりでもありません。

顧客の過失分もカバーするドスパラの月額「セーフティサービス」が無ければ事実上、業界最高の保証制度と言ってもよいです。

購入時に一定額を支払って訪問修理が受けたい場合、マウスコンピューターしか選択肢はありません。

パソコンというのは価格だけでは決められない商品でもあります。

他社では購入金額に応じて変化する保証料も購入時に一定額支払えば受けることができます。

保証料という面では一番のBTOショップと言えるかもしれません。

マウスコンピューター(G-tune)の保証制度

[1年保証/デスクトップPC]安心パックサービス(専用ダイヤル/即日修理)+センドバック修理保証・・・3,000円

[1年保証/デスクトップPC]安心パックサービス(専用ダイヤル/即日修理)+ピックアップ修理保証・・・6,000円

[3年保証/デスクトップPC]センドバック修理保証・・・7,000円

[3年保証/デスクトップPC]ピックアップ修理保証・・・10,000円

[3年保証/デスクトップPC]安心パックサービス(専用ダイヤル/即日修理)+センドバック修理保証・・・12,000円

[3年保証/デスクトップPC]安心パックサービス(専用ダイヤル/即日修理)+ピックアップ修理保証・・・15,000円

[3年保証/デスクトップPC]オンサイト修理保証・・・15,000円

[3年保証/デスクトップPC]安心パックサービス(専用ダイヤル/即日修理)+オンサイト修理保証・・・20,000円

用語解説

センドバック修理 修理を送付する時の業者の手配を自分で行うこと。片道の送料は顧客側が負担。

ピックアップ修理 修理品を送付する時の運送業者の手配をマウス側が行います。送料は往復ともにマウス側が負担します。

オンサイト修理  マウス側が修理業者を手配して自宅で修理します。

即日修理     通常の修理期間は一週間程度(配送期間含まず)となりますが、最短で即日修理を受けられます。初期不良の場合、新品交換となります。

上の様になっています。

ゲーミングPCのボリュームゾーンは15-20万円ですので、購入金額に応じて価格が上がる他社と比較するとかなり安いことがわかるのではないかと思います。

特に価格が上がっても保証料金が上がるということはありませんので、高額になればなるほどお得感が増していきます。

修理業者が自宅に訪問するオンサイト保証は普通はありません。また、あっても個別に有料なのが普通です。

オンサイト修理の場合、修理期間に手元にPCが無いという状態を回避できます。

ドスパラやパソコン工房の様に、パーツで海外製品や入手性が悪い製品を扱っていないこともあって、修理期間は一週間程度と明記してあるのも安心できるのではないでしょうか。

センドバックとピックアップに大差がないように思うかもしれませんが、実際にピックアップのサービスを受けるとかなりありがたいサービスです。

私も過去にピックアップサービスを受けたことがありますが、面倒なことは全て業者がやってくれるというのは非常にありがたく感じました。

普通の会社員の方は仕事から戻ってきたときに煩わしいことはなるべくしたくないと思っている方も多いと思います。

そういう方にはかなりお勧めできるサービスです。

また、初期不良が怖い人は+3,000円で初期不良が新品交換となる「[1年保証/デスクトップPC]安心パックサービス(専用ダイヤル/即日修理)+センドバック修理保証」がお勧めです。

 

パソコン工房

通常保証・・・1年間

延長保証年数・・・3年間・4年間

3年・・・本体価格60,000円未満の場合、6,000円。本体価格60,000円以上の場合10%

4年・・・本体価格60,000円未満の場合、9,000円。本体価格60,000円以上の場合15%

修理品は実店舗への持ち込みまたは宅配の場合、往復の送料はパソコン工房側が負担します。

修理・チェックには数日から数十日間かかることがありますと公式にサイトに記述がありますが、標準的には一週間程度とみておけばよいでしょう。

パソコン工房の延長保証期間はは高校・大学の在学期間に合わせた保証期間になっているのが特徴です。

同年数での保証料は他社とほとんど同じです。

 

サイコム

通常保証・・・1年間

延長保証年数・・・3年間

延長保証料金

3年・・・・本体価格が80,000円未満の場合、4,000円。本体価格80,000円以上の場合5%

修理品は全てセンドバック方式となり、往路の配送料金は顧客負担となります。

修理期間に関する記述は見当たりませんでした。

よくも悪くも標準的な保証という感じです。

料金は安めですが、片道の送料は顧客負担となりますので注意を要するところでしょう。

他の記事でも書いていますが、繰り返し言います。BTOはコストをギリギリまで削っていますので、料金が安い場合、顧客側の負担が増えることがほとんどです。

料金は不良品率や人件費、その他もろもろを計算して合理的な価格を算出していますので、同期間で当程度の保証の場合、企業規模に余程の差がない限りほぼ同じになります。

安いということは顧客の負担が大きいということです。

 

Tsukumo

通常保証・・・1年間

延長保証年数・・・3年間

延長保証料金

3年・・・税別価格10,000円ごと(端数切り上げ)につき540円(本体価格の5%相当)

例:税別価格159,000円の場合、一万円未満の端数は切り上げのため160,000円相当となり16×540=8,640円

本体価格の約5%相当となる。

自然な故障の他、落下、火災、地震、その他外来性のある事故による損害による故障でも保証が受けられます。

Tsukumoの保証は価格の割には充実しています。

往路の送料に関する記述はありませんでした。

料金から言ってもセンドバック(往路の送料は顧客負担)の可能性が高いです。

保証に関してはモメることが多いので、きっちり書いていただきたいところです。

 

まとめ

保証の記述に関してはやはり人気の高い「ドスパラ ガレリア」と「マウスコンピューター G-tune」がはっきりしていてわかりやすいです。

保証の内容に関しても群を抜いていると思います。

いずれもオーバークロックなどを行って壊すと有償修理になりますので注意してください。

やられる方は完全に自己責任となります。

オカルトになりますが、「製品の当たりの悪い人」というのは確かに世の中に存在します。

単なる乱数的な偏りかもしれませんが、私は比較的当たりが良いほうです。

液晶モニターのドット欠けにあたったことは過去に一度もありません。

しかし、反面、初期不良に当たりまくったり、不具合に当たりまくったりする人もいます。

「自分は当たりが悪いな」と感じている人はこのような保証制度を最大限度利用して賢くゲームライフを送ってください。

 

参考記事:BTOショップランキング

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