昨日、Valve社が開発中の携帯型ゲーム機の噂に続き、Steam Deckが正式に発表され、2021年12月に発売されることが明らかになりました。
Steam DeckにはAMDのRDNA 2アーキテクチャが採用されており、Valve社のPierre-Loup Griffais氏から、このハードウェアが可変レートシェーディング(VRS)やレイトレーシングのアクセラレーションなどのDirectX 12 Ultimate機能をサポートしているという話を直接聞いても不思議ではありませんが、確認が取れるのはありがたいことです。
おそらく最もエキサイティングなことは、Valve社がIGN社に確認したところによると、ウェブの閲覧やEpicのような他のストアからのゲームのプレイなど、PCでできることはすべてSteam Deckでできるということです。
繰り返しになりますが、LinuxベースのPCでできると思われることは何でもできます。つまり、これらのことに対する答えは「イエス」なのです。
Amazing move by Valve! A handheld PC/console hybrid running the SteamOS fork of Arch Linux, and it’s an open platform where users are free to install software or their choosing - including Windows and other stores. https://t.co/jf5TWUWGP5
— Tim Sweeney (@TimSweeneyEpic) July 15, 2021
Valve社の動きには驚かされます。Arch LinuxのフォークであるSteamOSを搭載したハンドヘルドPCとコンソールのハイブリッド機で、Windowsや他のストアを含め、ユーザーが自由にソフトウェアをインストールできるオープンなプラットフォームです。
このハードウェアは、1280x800という目標解像度に対して非常にパワフルです。実際、プログラマー兼モデラーのPeter 'Durante' Thomas氏は、「ピクセルあたりのパフォーマンス」をXbox Series Xに例えている(via RobotBrush)。
- GPUは、ベースとなるPS4と同程度のローパフォーマンスですが、より新しく効率的なアーキテクチャ(PS5/SXと同じ)を採用しており、1280x800をターゲットにすればよいのです。言い換えれば、1280x800をターゲットにした場合のピクセルあたりのGPUの生のパフォーマンスは、Xbox Series Xの4Kをターゲットにした場合とほぼ同じです(実際には少し多い)。
- CPUは基本的にXSX/PS5の半分で、クロックはやや低めです。
- 16GBのRAM(本当にすてき)、Switchの4倍、PS5と同じ容量
Proton上でゲームを実行する場合、Windowsと比較して多少のオーバーヘッド(基本的には何もないか、あるいはさらに優れたパフォーマンスを発揮するものから、かなりのオーバーヘッドまで様々)があるのは明らかですが、これは期待すべきパフォーマンスです。
※ Protonは、Linuxベースのオペレーティングシステムで実行するMicrosoftWindowsゲームの互換性レイヤーです。
お気に入りのゲームが、Protonではかなりのオーバーヘッドに悩まされているタイトルであれば、Steam DeckでWindowsをインストールするという選択肢もあります。
最後になりましたが、Valve社の創業者であるGabe Newell氏も、次期ハンドヘルドシステムについてコメントしています。Newell氏は、数百万台を販売するためには、低価格を維持することが大変だが重要だと強調しました。
モバイル分野では、価格と性能のバランスが重要な要素となるため、Steam Deckの価格設定は非常にアグレッシブに行わなければなりませんでした。価格は二の次、三の次でしたが、それは明らかに重要な要素でした。しかし、第一に重要なのはパフォーマンスと体験であり、これが最大かつ最も基本的な制約でした。
私たちの考えでは、これが正しく行われていれば、数百万台規模で販売されることになり、私たちや他のPCメーカーが参入できる製品カテゴリーを確立することになり、私たちにとって長期的な利益をもたらすことになると思います。
あなたはSteam Deckに興味がありますか?もしそうなら、どのような構成がお好みですか?コメントでお聞かせください。
解説:
Steam DeckのOSはSteamOS、Windowsのインストールも可能とのこと
まあ、当然と言えば当然なのかもしれませんが、OSはSteamOSとなるようです。
私はSteamOSは使ったことがありませんが、SteamOSネイティブで動かないゲームはProtonと言うWindows互換レイヤーを使ってゲームを動かすとか。
大半の最新ゲームはSteamOSなんてニッチなOSでは動かないと思います。
Protonでの動作は当然ネイティブではないので相性のようなものが存在するようです。
なんだか「いずい」仕様ですね。
マニア向け過ぎてマスに売れるという要素がありません。
我々PCゲーマーから見て面白い製品と言うのは一般向けにはまず売れませんからね。
最初からWindows搭載にして、ゲーム用のランチャーをカスタマイズしてゲームのインストールと実行を簡単にした方が良かったのではないかと思います。
ちなみにSteamのハードウェア調査ではSteamOSは載ってすらいません。
Windowsが96.57%、MacOSが2.54%、Linuxが0.89%で、SteamOSはArch Linuxをカスタマイズしたもののようですが、表向きの数字にすら出てきてないので、使う人はもう変態の領域ですね。
普及していないということはノウハウが普及していないということであり、トラブルシューティングが難しいということでもあります。
この辺が自己解決できない限り、使うのは難しいのではないかと思います。
色々書いてきましたが、Steam Deckが悪いと言っているわけではないです。
ただ、ゲーム機と言うのは囲い込みして利益を上げるものであり、Steam Deckの価格を見ると、結構無理をしているのかなと言う感じがビンビンに伝わってきます。
単体で利益を出せない事業と言うものはいずれ破綻します。
Steamは任天堂がSwitchでヒットを飛ばしているのを見て憧れたのかもしれませんが、任天堂は不正コピーなどが出来ないよう、他の配信スタンドが出てこないように徹底的にソフトを囲い込んでいます。
そうした努力があって、ゲーム機の利益と言うのは安定するものですが、このSteam Deckはその辺が甘いような気がします。
Windowsを別途入れる必要があるなら、イニシャルコストはもっと上がり、使う手間も増えます。
ゲーム機の良いところは誰でも何の手間も知識もいらずに手軽に使えるところです。
そこを大きくスポイルしているSteam Deckにマスが取れるものなのかどうか疑問に感じます。
もちろんですが、私が言っているのは少なくとも1000万台レベルの話です。
100万台やそこらならば、この価格なら十分売れると思います。
しかし、この価格だと仕様からすると赤字でもおかしくないので、それで利益が上げられるかと言えば難しいでしょう。
日本での販売価格13万円弱のGPD WIN 3と比べればかなり画期的な製品だと思いますが、ゲーム機なのかな?と言う疑問を禁じえません。
少なくともゲーム機ならばOSの乗せ換えは出来てはいけないと思います。(と言うかOSの存在を意識させてはいけないと思います。)
私の経験からすると、こういう中途半端な仕様の製品はゲーム機のようには売れません。