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GPUの中古の危険性について

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今日は中古の危険性についてお話します。

マイニング需要が出てからしばらく経ちますが、基本的にマイニングというのは一度設定を出すと24時間365日稼働します。

そうしないと初期投資が回収できないからです。

過去の記事でも何度も何度も繰り返し書いていますが、普通のATXマザーというのは24時間365日連続稼働に耐えられるようにはできてません。

耐久性や信頼性に目をつぶって価格を安く抑えているからです。

しかし、マイニングというちょっと前まで信じられないくらいハードに使う用途が出来てしまいました。

本来24時間365日連続稼働に耐えられないものをそのような用途に使うとどうなるかというのを今日は考えてみましょう。

 

全ての製品にはMTBFがある。

MTBFというのは平均故障間隔のことです。

参考:Wikipadia - 平均故障間隔

平均故障間隔(へいきんこしょうかんかく)とは、機械システムや情報システムなどにおける信頼性(Reliability)をあらわす指標となる数値。英語のMean Time Between Failure(s)からMTBFと略される。

MTBFとはざっくり言えば使い始めてから壊れるまでの平均時間のことです。

メーカーでは当然出荷する前に壊れるまでの平均時間というものを出しています。

MTBFが5年なら、5年間テストするわけには行きませんので、負荷をあげて(40度や50度の高温環境下で試すなど)例えば500台の製品が壊れるまでの平均値を出したりします。

HDDの様に動く部分があるような製品は必ずMTBFを出します。

ゲームなどの用途では、人間がPCの前に座って使いますので、普通の民生用機器というのは1日の間に人間が使うくらいの用途を想定しています。

これを24時間365日フル稼働するように想定するとどうなるかというと、価格に跳ね返って非常に価格が高くなります。

普通の製品というのはサポートすることまで計算に入れて価格を決定しておりますので、これは当然の理屈です。

しかし、近年、この使い方に当てはまらない用途が出てきました。

そう、「マイニング」です。

マイニングは仮想通貨の取引台帳であるブロックチェーンの追記と検証にパソコンの演算能力を貸し出す代わりに仮想通貨がもらえるという仕組みです。

マイニング用途は基本的にコンピューターをつけっぱなしにします。

ブロックチェーンは暗号化されており、ブロックチェーンの追記・検証には莫大な演算が必要とされます。

初期投資したハードの費用を回収するためには基本的に稼働しっぱなしになります。

そのため、本来想定しない24時間365日フル稼働という使い方をされることになります。

当然ですが、次の世代のGPUが出たらこれらのパーツがどうなるかですが、壊れていない限りは中古で出回ることになります。

壊れてませんが、ハードに酷使されたパーツですので、中にはいつ壊れてもおかしくないようなものが出回ることになります。

PCパーツというのは世代が変わるとワットパフォーマンスが向上するので中古にあまり価値はありませんが、こうしたマイニングで酷使された地雷が混じることを考えるとますます中古の存在意義がなくなることになりますね。

特にGTX1000世代に入ってからはビットコインが史上最高値を更新し、マイニング人口が増えましたので、こうしたへたったパーツが多数中古で出品されることが想定されます。

PCのパーツは出来る限り新品で調達するのが無難でしょう。

下の参考記事にコンデンサの寿命から計算したGPUの寿命がざっくり計算されています。

参考記事:i80286 -寿命はどれくらい?グラフィックボードの耐用年数

これによるとフル稼働で333日が平均的な寿命ということになります。

もちろんMTBF=寿命ではありませんので、個体によってはもっと長生きする可能性がありますし、MTBFはやや偏った計算方法なので、実際の平均寿命とイコールではありません。

しかし、かなり寿命の縮んだ個体が多数出回ることを考えると今後中古で出回るものには相当トラブルの起きる可能性の高い個体が混じることになります。

こうして考えると中古市場に流れるパーツをあえて使おうという気が起きなくなるのではないでしょうか?

私は中古を全否定するわけではありませんが、すでに新品では入手できなくなってしまったパーツでどうしても入手する必要があるもの以外を中古で入手するのはやめておいた方がよさそうだというのは今回の話がよく理解できなくても何となくわかるのではないでしょうか?

コンデンサの寿命から逆算したGPUの平均寿命は333日ほどだと書きましたが、nVidiaのGPUの世代交代は約2年で行われます。

最大のコスト効率を追求するならば2年間酷使された個体が中古市場に出回ることになります。

計算上の平均寿命の約2倍酷使された個体をつかまされる可能性があるというのはぞっとしない話です。

それでもHDDならSMART情報からどのくらい使われたものなのか知ることができますが、GPUの場合はそういうわけには行きません。

また、GPUに限らず、マザーボードも酷使されているはずです。

最近はマザーボード(CPU)はそれほど陳腐化するのが早くは無くなりました。

今ゲーミングPCを使ってる人たちの中でも2-3世代前のCPUを不便なく使ってる方もいるんじゃないでしょうか。

よって、マイニング需要が高くなってきた去年あたりからの製品の中古は気を付けたほうがいいかもしれません。

中古で済ませようと考えている人たちはこうしたことも考えておいた方がよいでしょう。

トラブルに遭った時に対処にとられる時間を考えると、節約するつもりが却って高くつくことになるかもしれません。

新品ならこうしたトラブルとは当然無縁ですので安心です。

お金で安心を買う・時間を買うという考え方は重要だと思います。

※ 同様にゲーミングPCに過剰な品質を求められる方はBTOショップの延長保証・特にドスパラの場合は月額保証に加入することをお勧めしておきます。お金は払わないけど過剰な品質を求めるというのは日本社会の悪癖だと思います。PCパーツというのは「利益なき繁忙」と言って店じまいしたショップがあるくらいですのでギリギリまでコストダウンが進んでいます。別途お金を払わない限り謳われている以上の保証がつくことはありません。

中古で節約しようと考えている方はぜひ一度は考えてほしいことです。

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