PCパーツレビュー

Radeon RX470 Armor 8Gバルク レビュー

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マイニングバブル崩壊の余波を受けて、どこかの倉庫に眠っていたRadeon RX470 Armor 8Gが大量放出されたのか、出回っていたので購入してみました。

価格は11,480円でした。

RX470は「例のグラボ」で改造事例が結構出回っており、OCしてもそれなりに回るようなのでかなり期待して事前に調べていました。

写真・・・クリックすると別Window・タブで拡大します。

RX470_1

本体、マニュアル、ドライバCD、バルクなので箱はありません。

RX470_2

RX470_3

RX470_4

PCI Expressコネクタ部分には赤いカバーがついています。

RX470_5

その他、DVI、DP、HDMI端子にもカバーがついています。

RX470_6

スロット部のカバーを外したところ

RX470_7

重さ。627gです。

RX470_8

裏面。バックプレートはありません。

RX470_9

上部、8P補助電源コネクタがついています。

RX470_10

下部

RX470_11

長さは24.5cmでした。

 

Radeon RX470のスペックです。

 RX470RX480RX570RX580RX580 2048SPRX590
製造プロセス14nm14nm14nm14nm14nm12nm
SP数204823042048230420482304
ベースクロック(MHz)92611201168125711681469
ターボクロック(MHz)120612661244134012841545
メモリ種類・容量GDDR5・4/8GBGDDR5・4/8GBGDDR5・4/8GBGDDR5・4/8GBGDDR5・4/8GBGDDR5・8GB
メモリバス幅256bit256bit256bit256bit256bit256bit
メモリ転送速度6600Gbps70000Gbps70000Gbps80000Gbps7000Gbps8000Gbps
メモリクロック1650MHz1750MHz1750MHz2000MHz1750MHz2000MHz
メモリ帯域幅211GB/s224GB/s224GB/s256GB/s224GB/s256GB/s
TBP120W150W150W185W150W225W
RX470クロック速度差±0219(60)38302(134)78533(339)

Factory OCモデルの状況

カスタムモデル最大クロックRX470クロック速度差性能比
RX470128064100%
RX5701320114113%
RX580 2048SP1310104116%
RX5801450426(244)123%
RX5901580572(374)128%

 

上の表を見てもらえばわかるようにOCする気満々で徹底的に調べていました。

最下段のRX470クロック速度差というのは、RX470との速度差です。Polaris10(2304SP)の場合、SP数が1.125倍ありますので、Polaris20(2048SP)のクロック速度に直した(1.125倍した)クロックで()内が実クロックです。

こうしてみると、よくわかると思いますが、Polaris20がPolaris10のカットダウンモデルとすると常用限界は+134MHzの1340MHzくらいだなと思っていました。

12nmのRX590のブーストクロックは+339の1545MHzですが、そこまでは絶対に回らないでしょう。

結論から書きます。

上のように調べていろいろとOCしてみたのですが、このモデルに関してはOCはできません。

排熱能力が低すぎて少しでもOCするとOSごと落ちます。

FF15ベンチは一周は完走しますが、その後にFF14ベンチを走らせると100%落ちました。

メモリクロックもGPUとは別に1650MHzから!750MHzにしてみましたが、FF15ベンチを完走できませんでした。

OCするにはデフォルトのクーラーを全部外して水冷化する必要があるようです。

この激安GPUにそこまでするかと言ったらできないので、実用上OCは全くできないと考えておいた方がいいです。

一応、熱で落ちるまでどのくらいが上限なのか調べてみましたが、1299MHzがFF15ベンチの起動限界でした。

きちんと冷却できれば、このクロックで動作させることはできるかもしれません。

メモリに関しては1750MHzにすると落ちましたのでOCは無理だと思います。

どちらにしてもデフォルトクーラーの排熱能力が低すぎるので、ブーストクロックの上限はデフォルトの1206MHzとわきまえておいた方がよさそうです。

上の表は今後もマイニング向けの激安仕様RX470/570は販売されると思いますので、そういったモデルを購入した方がどのくらいOC出来そうか当たりをつけるのに活用してください。

RX570の当たり個体ならば、1340MHzは行くと思います。

余談ですが、せっかく調べてわかったことなので、説明しておくとRX590の性能比はRX470の128%ということになっています。(これはデフォルトのブーストクロックに対してです。)

SP数の差とクロック比を考えると+50%近くてもよいと思いますが、やはり無理矢理OCしても性能が伸びる限界点のようなものは存在していますので、OCというものに対して過剰な期待を抱くのは禁物です。

 

どうしてOCできなかったのか?

日本語のMSIのHPを見るとRadeon RX470 Armor 8Gという製品は確認できません。

Radeon RX470 Armor 8G OCとなっています。こちらはブーストクロックが1230MHzと微OCされており、Armorシリーズのラインナップ上の特性にぴったり合致していました。

公式HPの仕様説明欄に以下のような説明がありました。

仕向地や出荷時期により内容が変更となる場合があります。

バルク品でOCの文字がありませんので、マイニング向けに大量出荷したものが回ってきたものと思います。

全くOC出来ないのは予想外でかなり残念です。

但しOCできない分音は静かで、PCの蓋を開けて耳を近づけても音はほとんど聞こえませんでした。

一応MSIのOCも含めたGPU管理ツールであるAfterBurnerにGPUの温度は表示されますが、OCするとどんどん温度が上がっていき、60度以上は正常に表示できないようで、64度くらいまでは表示されますが、そこまで行くと落ちます。

表記上の温度は60度台でも実際にはかなり温度が高いようで、ヒートパイプを触ってみるとずっと触っていられないほど熱くなっていました。

落ちるまで回してもファンの回転音は静かなままだったので、もともとOCを想定しない製品なのだと思います。

この仕様が理解できたのでOCもOCのためのBIOSの書き換えなどもスッパリ諦めました。

 

GFのプロセスの特性

長く続いたAMD不遇の時代28nmプロセスを知っている方はすでに承知だと思いますが、この時代のAMDのメインFabであるGlobal Foundriesのプロセスは最初は性能が低く、徐々に改善されていくという特性があります。

この製品は最下級の選別落ち品か、最初期の頃に作られたものだったのだと思います。

RX470のカスタムモデルのOC上限値は1280MHzなのですが、設定しても一応FF15ベンチは完走するものの、このモデルで常用するのは無理です。

 

私がこのモデルを買った理由

ひょっとしたらOCして遊べるかもしれないというかすかな期待もありましたが、今までのRX570の激安モデルは8GでもDVIしかついておらず、実質的には4Kディスプレイにつないでも4K表示ができないモデルばかりでした。

このモデルはVRAMが8GあってHDMIやDPがついていますので4Kディスプレイに組み合わせるのにぴったりだったので購入してみました。

また、Naviには現在、「Ryzen3000シリーズと同時に7月に出る説」と「少し遅れて9-10月に出る説」があります。

以前から予告している通り、私の普段使いのPCはRyzen3000シリーズで組む予定ですが、せっかくRyzen3000シリーズで組むのでGPUもAMDで揃える予定です。

Ryzen3000シリーズとNaviの発売時期がずれたときのためにリリーフGPUとして使用するために購入しました。

まあ、WQHD、4Kのゲームは無理ですが、普通に使う分には問題にならない程度の性能があります。

GTX1650でもよかったのですが、さすがに倍近い価格ですので、リリーフGPUとしてならこちらを選びますよね。(笑

 

ベンチマークなど

OCは全くできなかった上にRX470のベンチ結果はネット上に溢れかえって今更感ありまくりですが、折角ですので軽く測定してみました。

3DMark

TotalGraphicPhysicsCombine
Fire Strike11,02212,44824,6034,103
Fire Strike Extreme5,3735,52424,8232,258
TotalGrahpicCPU
TmeSpy3,9763,57011,250

 

FF15ベンチマーク(重い)

FullHDスコア
標準設定5,364
高設定3,666
WQHDスコア
標準設定3,674
高設定2,746

 

FF14紅蓮のリベレーターベンチマーク(普通)

FullHDスコア平均FPS
高・デスクトップ10,84573.25
最高9,58464.87
WQHD
高・デスクトップ7,02447.45
最高6,15941.55

 

PSO2 EPISODE4 ベンチマーク(軽い)

PSO2・設定6スコア
WQHD12,609
4K3,549

 

Geforce GTX1060 6GBとの比較

 

定格だとまあ、こんなものかなという性能です。

実ゲームに関してはインストールからベンチの結果まで比較的簡単に取れるいつもの3種類のベンチマークを使っています。

このベンチ結果は本当に今更という感じなのであまり一生懸命取ってません。

最後にGTX1060 6GBとの比較結果も載せていますが、当然のことながら、上位のRX480もGTX1060 6GB版に一歩及ばないのでスコアではやや下となります。

FullHDにおいてオプションをやや妥協して最低60FPSを維持できる程度の性能でVR-Ready認証がぎりぎり取れない程度の性能です。(笑

何とももどかしい性能ですが、だからこそ安くなっているわけです。

一応個人持ちという体裁ですが、当サイトのGPUの中で最低の性能ということになります。

RX570のファクトリーOCモデルくらい回ればRX570相当品として使えるかなというかすかな期待を抱いていましたが、まったくそんなことはありませんでした(笑

しかし、安かったので文句はないです。

というか、GDDR5の8GBを搭載して11,480円って赤字か利益0くらいじゃないかなあというレベルですので、これで文句を言ったらバチが当たりそうです。

4GBではなく、8GBですからね。

腐っても211GB/sのメモリ帯域を誇りますので、性能はそれなりです。

久しぶりにRadeonの画面を見ましたが、Geforceと比較すると黒が締まっていていて美しいと思いました。

デジタルなのに不思議ですね。

 

まとめ

今回のRadeon RX470 Armor 8Gはマイニング向けに抑えていた在庫がブームの終焉により売れる見込みがなくなって放出されたといった感じの製品です。

OCは全くできませんし、性能はやはり一昔前のもので、さらに省電力性もありません。

補助電源端子無しでFullHDのゲームが十分に楽しめるGTX1650の登場により、このクラスの補助電源端子が必要な製品は軒並み価値が激減しています。

もう少ししたらロープロファイル対応の製品も出るでしょうから、そうなったらますます価値が下がると思います。

このRadeon RX470 Armor 8Gのウリは11,480円という価格でそれ以外のメリットは全くないです。

ここに魅力を感じるかどうかがすべてで、爆熱や電気バカ食い、8P補助電源端子など電源周りの様々な「イケてなさ」を価格で割り切れるかどうかがすべての製品になります。

そこがダメなら何を言ってもダメでしょうし、逆にそこそこの性能で安いGPUを探しているならばすべてが許せるということになるでしょう。

今回もすぐに品切れすると思いますが、今後もRX570/470に関してはイケてない仕様の製品が特売されると思いますので、FullHD環境で安く上げたいと思っている方は狙ってみてはいかがでしょうか。

個人的には10,000円近い製品は今回のように仕様にどこか穴がありますので、15,000円くらい出ている製品、できればRX570が買いだと思います。

RX570だと出荷時期がRX470よりかなり後になりますので、それなりに回る「当たり個体」が回ってくる可能性もあると思います。

私はハイエンド環境と併用する都合上4Kディスプレイにつなぎますので8GBにこだわりましたが、RX570/470の性能で8GBメモリがあってもあまり意味がありませんので、そこにこだわるのは意味が無いと思います。

まあ、特売品にあまり贅沢を言っても始まりませんが・・・・。

 

 

今回購入したGPU

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特売のRX470/570はすぐに品切れになるので、検索リンクも残しておきます

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特価品の情報もまとめてありますので、見てみてください。

AMD Radeon RX 590 / RX 580 / RX 570 / RX 470 お買い得情報

 

 

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