中国で発表された謎のRadeon RX 580 2048SP
こちらのページから閲覧できますが、中国で現行のRadeon RX 570 8GBとほぼ同じスペックのRadeon RX 580 2048SPなるものが発売されたようです。
ページの中ほど、下にスクロールさせていくと通常の「Radeon RX 580」の次に出てきます。
リリース日は2018年10月15日とされています。
SP数、ベース/ブーストクロック、メモリ速度もRX570とほとんど変わらず、まさにRX580の皮を被ったRX570です。
AMD Radeon RX 580 | AMD Radeon RX 580 2048SP | AMD Radeon RX 570 | |
Compute Units | 36 CUs 2304 SPs | 32 CUs 2048 SPs | 32 CUs 2048 SPs |
Texture Units | 144 | 128 | |
ROPs | 32 | ||
ベースクロック | 1257 MHz | 1168 MHz | 1168 MHz |
ブーストクロック | 1340 MHz | 1284 MHz | 1244 MHz |
搭載メモリ およびクロック | 8Gbps GDDR5 | 7Gbps GDDR5 | |
バス幅 | 256-bit | ||
搭載VRAM | 4 GB or 8 GB | ||
トランジスタ数 | 57億トランジスタ | ||
消費電力 | 185 W | 150 W | |
製造プロセス・ファウンダリ | GlobalFoundries 14nm | ||
アーキテクチャ | GCN 4 | ||
GPU | Polaris 10 | ||
発売日 | 2017-04-18 | 2018-10-15 | 2017-04-18 |
発売価格 (USドル) | $199 - $229 | ? | $169 |
上の表のようになっており、若干クロックが上がってることを除けば現行のRX570 8GB版とほぼ同じです。
言ってみれば「なんちゃってRX580」といったところでしょうか。
Radeon RX 580 2048SPとPolaris30の関係
昨日お伝えしたPolaris30とみられるRadeon RX590とこの「なんちゃってRX580」との関係ですが、今のところはっきりしません。
ソース元のAnandtechによると製造プロセスはGlobalFoundries 14nmとされており、Polaris30のわけでもありません。
このようなリネームされた下位モデルに上位モデルの名前を付けるのは自作ユーザーに最も嫌われるパターンで、下手をするとGPUカードそのものが避けられてしまいます。
最悪これが新RX580で、RX590と一緒に売り出される可能性もあります。
AMDに望みたい1自作ユーザーとしての新RX500シリーズ
折角高性能の12nm版PolarisのRX590を発売する(噂)のですから、ここは
RX580 2048SPにもPolaris30を使い、クロックをあげて現行のRX580と同等の性能を期待したかったところです。
ここで、もう一度3DMark Time Spyのスコア表を張ってみましょう。(昨日の記事と同じものです。)
この中で
Radeon RX 580 / Radeon RX570 = 1.087
です。
そして先日も計算した通り、
Radeon RX 590 / Radeon RX580 = 1.085
です。
この上昇幅はほぼ同じで、12nmのPolaris30のRX570後継品を作るとしたらTime Spyのスコアは
3991(Radeon RX570) * 1.085=4310
となり4388の現行Radeon RX 580とほぼ同じになります。
12nmは省電力が期待できますからTDPはRX570と変わらずに150Wが期待できるでしょう。
自作ユーザーから見て性能が落ちたリネーム品を買わされるのは真っ平御免です。
仮にパッケージで判別できなければ「なんちゃってRX580」は避けられることになるでしょう。
過去に多く繰り返されてきたことです。
我々が望んでいるのは性能の落ちないPolaris30版Radeon RX 580 2048SPであって、「なんちゃってRX580」ではありません。
どうしてこうなった?
GPUに関しては悉く期待を裏切ってくれるAMDですが、どうしてこうなったのでしょうか?
それはやはりマイニング需要の激減による在庫が考えられます。
nVidiaも影響を受けたのですから、AMDも影響を受けてないはずはないです。
どこかに山積みになった在庫があったとしたならこのみっともないリネーム品も納得できる話です。
このうさん臭い「なんちゃってRX580」は出来れば中国国内だけにして、日本やほかの国々にはPolaris30版のRadeonRX580 2048SPを期待したいところです。
ただし、在庫の関係でやってるとすれば難しいでしょうね。
nVidiaも在庫に苦しんでいるようですが、在庫を処分したいメーカーとリネーム品を避けたいユーザーの鼬ごっこがまた始まりそうな予感です。
もし、この「なんちゃってRX580」を世界的にロンチするとすれば、RX590と同時に発売して「あわよくば積みあがった在庫を処分しつつ、RX590の値下がりを防ぎたい」というスケベ心が働いているということになります。
もしこの最悪のパターンが現実のものとなった場合、当サイトに来てくれているような人はこういうカメレオン戦術には引っかからないようにしてください。
nVidiaがボッてるのですから、AMDは誠実に行くべきだと思うのですが、Polaris30で期待させておきながら、ダメな影がちらちらと見え隠れする要領の悪さはいかにもAMDっぽいと言えなくもないです。
ソース:Anandtech - AMD Launches Radeon RX 580 with Reduced Number of Stream Processors