■事実
Valveが2026年5月のSteamハードウェア調査を公表(通常より2日遅れの6月4日)しました。
AMD CPUのシェアが0.79ポイント増加し、44.97%に到達——過去最高を更新です。
Intel CPUのシェアは同0.79ポイント減少し55.02%に——両社の差は10%未満となり、記録上最小です。
2022年当時はIntelが77%、AMDが23%程度だったため、4年で約54ポイントの逆転劇です。
2026年1月時点でAMDは43.34%、Intelは56.64%——この5ヶ月間でさらに1.6ポイント縮小しました。
AMDシェア拡大の主役はRyzen X3Dシリーズ——とくにRyzen 7 9800X3D($479)が長期にわたってAmazonなど小売で売れ筋トップを独走しています。
2025年10月のAmazon米国小売データでは、AMD全体で83.8%のシェア(台数ベース)——Ryzen 7 9800X3DとRyzen 7 7800X3D2モデルだけでIntel全ラインアップの合計を上回る販売数です。
2026年1月にはRyzen 7 9850X3D($499、ブーストクロック5.6GHz)がリリースされ、ゲーミングCPUの選択肢がさらに拡大しています。
Intelは2026年3月26日、Arrow Lake RefreshこことCore Ultra 200S Plus(270K Plus・250K Plus・250KF Plus)を投入——前世代比でゲーミング性能最大15%向上をうたい、価格も引き下げしています。
ただしCore Ultra 200S Plusの3月投入はSteamハードウェア調査の5月分には反映されていない可能性が高く、実質的な巻き返し効果はまだ計測困難な段階です。
GPU部門ではNVIDIAが72.42%で依然圧倒的——AMDは19.13%、Intelは8.05%です。
GPU部門ではNVIDIAが73.21%→72.42%と若干低下、AMD(18.6%→19.13%)とIntel(7.81%→8.05%)がともに微増です。
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解説
SteamハードウェアサーベイはPCゲーマー全体のスナップショットであり、「新品購入者」だけでなく「数年前に買ったPCを使い続けているユーザー」も含まれる——そのため変化は常に緩やかで、0.79ポイントは実は大きな動きだ。
Intelの77%→55%という約20ポイントの下落は、ゲーミングCPU市場における構造的な地盤沈下——14世代の不具合問題(電圧劣化)でブランド毀損が加速し、新製品Arrow Lakeのゲーミング性能が期待を下回ったことが追い打ちになった。
Core Ultra 200S Plusは「ようやくX3D以外のAMDと互角」という評価——Ryzen 7 9800X3DやRyzen 7 9850X3Dとは依然として明確な差があり、X3Dシリーズの牙城は崩れていない。
Steam調査でのIntelシェアは「過去の遺産」に支えられている部分が大きい——古いPC(12・13・14世代)がまだ現役として報告され続けているため、実際の「今の新品市場」ではAMDの優位がより顕著だ。
Intelが真に巻き返すには、X3Dに対抗できるゲーミング特化技術が必要になる——現時点でそれに相当する製品はない。
「Intel CPUの55%シェア」の中身の相当部分は、買い替えを迫られていないだけのRaptor Lake・Alder Lake勢——本人たちも「そろそろAMDかな」と思い始めているかもしれない。
このまま月0.5〜0.8ポイントのペースが続けば、2027年にはAMDがSteamユーザーの過半数を占める計算になる——Intelにとって「数字の上でも逆転」という事態は、単なるシェアの話を超えたブランド的打撃になりうる。
今となっては2017年の初代Ryzen以前はAMDのコンシュマーCPU事業は虫の息だったといっても誰も信じないかもしれない。

