インテルはついにArc GPUの性能低下問題を深刻に受け止め、古いCPUでの問題を突き止め修正するための調査を開始した。
Intel、古いRyzenとIntel CoreプロセッサのArc GPUパフォーマンス問題に対応
Intel Arc B580とB570 GPUは、発売当初はまともに見えたが、競合他社よりも多くのVRAMを提供した後でもチャートで見かけることはなかった。
それにもかかわらず、多くの人がBattlemage GPUを採用しなかった理由の1つは、最適化が不十分であったことである。
ここでは、Intel GPUドライバに限った話ではなく、Arc Battlemage GPUがライバルに遅れをとっている問題について話している。
思い起こせば、Hardware Unboxedは、Ryzen 2000や第9世代のIntel Coreプロセッサーなどの古いプロセッサーと組み合わせたときのArc B580のパフォーマンスの低さを最初に指摘した。
Intelがこの問題に言及し、それを認めてからしばらく経ちます。
ようやく、インテルは時間をかけてフォーラムで回答した。以下は、インテルが発表したメッセージの全文である:
お待たせいたしました。旧世代のプロセッサーと組み合わせた場合、一部のゲームにおいてパフォーマンスが低下するという報告を承知しています。
私たちは、検証プロセスにより多くの構成を含めるためにプラットフォームのカバレッジを拡大し、最適化の調査を継続しています。
この声明からは、インテルがそれを知っていながら、パフォーマンスの最適化に時間をかけなかったように見える。
インテルは、より多くのコンフィギュレーションに最適化を拡大し、近い将来この問題が解決されることを期待すべきであると述べている。
しかし、いつ新しいアップデートを期待できるかについては明言しなかった。
インテルのハードウェアは、最新タイトルではすでに前世代のライバルと同等であるため、ドライバー側でアップデートを行う必要があるだろう。
最新のインテルとAMDのCPUを搭載したArc B580やB570では、パフォーマンスの低下は見られなかった。
新しいパッチで、インテルがAMDやNVIDIAのGPUに対抗できるようになることを期待したいが、これは必ずしもインテルがGPU市場で牽引力を持ち始めることを意味しない。
インテルArc Battlemage GPUはほとんど市場に出回っておらず、その入手性の悪さから、現在のGPU競争から格安セグメントで撤退している。
解説:
かなり以前からRyzen2000シリーズや第9世代Core以前のPCと組み合わせると性能が落ちる問題が指摘されていましたが、Intelがようやく調査に乗り出したようです。
現在BattlemageはB580、B570を安価で発売して以来、見かけることはなくなってしまいました。
Blackwellが不調だったときは絶好のチャンスだと思ったのですが、残念ながらものが出回っていませんでしたのでチャンスが生かせなかったですね。
ARC A700世代は最初の製品ということもあり、かなり無茶な製造計画を立て、市場で余ってしまいました。
投げ売りもされていましたし、現場の評判も最悪だったのではないですかね。
B580/570はかなり改善されていますが、やはり評判の良くない製品シリーズというものを小売は取り扱いたがらないでしょう。
余ったら投げ売りするしかないからです。
こうした信用を少しずつ積み上げ、ブランドを作っているのにはかなり長い時間がかかります。
評価がなかったA700は計画通りに作って小売りに無理に押し込むことはできたのかもしれません。
しかし、いったん評判が落ちると今度はまともに売れなくなります。
ここから、評価を逆転させるのはかなり難しいでしょう。
A700シリーズは有料ベータテストともいえるものでしたので、今後地道にコツコツと信用を積み上げていくことになります。
IntelのGPUが先行2社に追いつくのは3世代以降と繰り返してきましたが、そういう意味です。
AMDはBlackwellの不調の隙を縫って大きく売り上げを伸ばすことができましたが、製品のポテンシャルがあったとしても信用がなければ「余るかもしれない」という製造側(Intel社内、営業、AIBなど)の不安を無視して思いっきり数をそろえることはできないでしょう。
RDNA4も「こんなに売れるのか?」と某AIBメーカーの広報の方が感じていたようですが、チャンスを生かすには最低限度現場に信頼される実績が必要になります。
いかにIntelといえども、まったく新規の分野に参入していきなり覇権を打ち立てるのは不可能ということです。
B700シリーズはおそらく存在すると思いますが、売れるのでしょうか?
製造計画、マーケティング、小売りの反応、ユーザーの反応を考えると今のARCのフラッグシップをそれなりの価格で売るのは難しいように感じます。
誰だって余るのは嫌ですし、誰だってババを引く(在庫処分をさせられる)のは嫌です。
非常に当たり前ですが、誰もが損をしたくないということです。