しかし、十分な数を作ることができるだろうか？
マーケット・インテリジェンス企業TrendForceは、ファーウェイがSMICのN+2ファブリケーション・テクノロジーを使用して製造される後継機を準備中であると報じている。
ファーウェイのHiSiliconのポストAscend 910B AIチップは、新しいプロセス・ノード（次世代AIプロセッサーはSMICのN+2プロセス技術（5nmクラスのノードとの見方もある）を使用しているとされる）により、部分的にはより高い性能を提供すると期待されている。
ファーウェイは最近、5nm製造技術を採用した先進的なチップを搭載したノートPCを発表しているが、これまでは米国の制裁により不可能と考えられていたことだ。
ファーウェイはすでに、第2世代の7nmプロセス技術を使ったHuaweiのHiSilicon Kirin 9000Sプロセッサーの量産で世界に衝撃を与えており、これもかつては不可能と考えられていた偉業だが、5nmへの移行とされる動きはさらに印象的だ。
新しいノードへの移行は次世代アクセラレーターにとって非常に理にかなっているが、2つの大きな問題がある。
1つ目は、ファーウェイがスマートフォンに参入したことで、SMICの生産能力のほとんどがKirin 9000Sを含むコンシューマー市場向けとなり、AIチップを製造する余地が少なくなる可能性があることだ。
第二に、SMICは米国のブラックリストに載っているため、高度なチップ製造ツールや必要なスペアパーツの入手が難しい。
そのため、同社はファーウェイのニーズに十分なプロセッサを製造する生産量を持っていない可能性がある。
ファーウェイは以前から、既存のAscend 910Bチップを人工知能（AI）ワークロードのアクセラレーションに使用しており、その性能はNvidiaのA800/A100プロセッサーに匹敵すると考えられている。
性能に関しては、Ascend 910Bはかなり競争力があるように見える。
しかし、そのソフトウェアはNvidiaのCUDAとは異なり、多くのワークロードがNvidiaのプラットフォーム向けに最適化されているため、その採用は遅れるだろう。
しかし、このような問題に直面しても、米国の規制強化は中国企業にAscend 910Bのような国産チップへの依存を強めるかもしれない。
ファーウェイのAscend 910Bは現在、同社のクラウド・サービスの実行に使われているほか、200台のAIサーバーを構築するために1000個以上のこのプロセッサーを購入したバイドゥなど、他の中国企業にも販売されている。
もう1つの顧客はiFlytekで、同社は8月にキックオフした「Gemini Star Program」の一環として、Ascend 910Bを使用するエンタープライズ向け大規模言語モデル（LLM）のためにファーウェイと提携した。
中国のスーパーコンピューターやAI分野に対する米国の制裁強化に反応し、バイドゥやアリババのような中国のクラウドサービスプロバイダーは、独自のAIチップの開発を倍増している。
Baiduは独自のAIプロセッサーであるKunlunxinを製造したが、KunlunxinのAIインフラでの使用を拡大するとともに、Ascend 910Bの使用も計画している。
AlibabaはCPU IPサプライヤーのZhongtian Micro Systemsを買収し、T-Head Semiconductorを立ち上げた後、主にalibabaクラウド向けにHanguang 800を含む独自のAIアクセラレーターも設計した。
中国でトップクラスのAIチップを製造する道は険しいが、その主な理由は、中国の半導体およびスーパーコンピュータ部門に対する制裁措置と、TSMCのN2やサムスンのSF3といった最先端ノード用の電子設計自動化（EDA）ツールを調達できないことにある。
これらの制約は、先端プロセス技術でチップを設計するための大きなハードルであり、中国のチップ設計者全般にとって長期的な課題となる。
このような障害にもかかわらず、中国は世界の技術競争において前進し続ける決意を固めている。
解説：
中国が7nm、5nmクラスの製品を市場に投入したが・・・。
SMICはn+2プロセスを開発したと言われてますが、5nmクラスなのではないかとも言われているようですね。
フラッシュメモリでも昨年12月にYMTCが232層を開発して23年に製品が投入され、世界を驚かせました。
問題はここからです。
7nmと5nmの製造装置は共通しており、5nmクラスまでは行けると思いますが、3nm、2nmクラスの製品が作れるか、フラッシュで言えば232層より上を作れるかどうかですね。
自作erなら半導体産業が少しでも遅れたらもう競争力がなくなることは知っていると思います。
グローバルファウンドリーズは元AMDのFabでAMD製品を独占的、特権的な契約で製造していました。
しかし、TSMCとの競争についていけなくなり、ドロップアウトしました。
それ以降名前を聞かないのは、一度脱落するともうついていけないからです。
中国は制裁前に世界中から製造装置をかき集めてきました。
それ以降の製造装置は手に入れていません、
いないはずです。
ここから、どのように技術を進めていくのかで中国が先進技術についていけるのかどうかが判断されると思います。