クアルコムのPC向けARM SoC「Snapdragon X Elite」がリーク、12個のOryonコアと4.6TF Adreno GPUを搭載
Windows Reportによるクアルコム最強チップの全貌公開。
今月初めに発表されたように、クアルコムは新しいSnapdragon Xシリーズを発表し、Windowsベースのエコシステムに再参入する予定です。
その先頭に立つのが、高性能のOrionコアと新しいグラフィック機能に重点を置いた新旗印の新チップであるSnapdragon X Eliteです。
X-Elite 4nm SoCは、強力なヘキサゴンNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)によるジェネレーティブAIのサポートに重点を置いており、45 TOPS(1秒間に1兆回の演算)を実現できる。
この性能は、前世代の8cx Gen3 SoCと比較して55%向上しています。
x86アーキテクチャに代わるものを求めるPCユーザーにとって、電力効率は重要な検討事項となる。
ここでクアルコムは、新しいSoCは競合製品と比較して、必要な電力の1/3で同等の性能を実現すると主張している。
このレポートでは、具体的に何が比較されているのか確認されていないため、これらの数字は常に割り引いて考える必要がある。
Snapdragon X Eliteのグラフィック・プロセッサ(単にAdreno GPUと呼ばれる)は、おそらくFP32(単精度)演算で、4.6 TFLOPsという驚異的な演算能力を発揮する予定です。
このレベルの性能は、AMD RDNA2アーキテクチャーをベースとするXboxシリーズSよりもさらに高い演算能力を示唆している。
前世代の8cx Gen3と同様、Adreno GPUもDirectX 12をサポートする。
メモリに関しては、このSoCは16ビット幅の最大8チャンネルをサポートするLPDDR5X-8533との互換性を提供する。
これは最大帯域幅136GB/秒、最大64GBのメモリをサポートする容量に相当する。
これは、前世代のLPDDR4x-4266仕様からのアップグレードとなります。
接続オプションも強化され、新チップはWi-Fi 7とBluetooth 5.4仕様に対応し、現世代チップのWi-Fi 6とBluetooth 5.1機能からアップグレードされる。
さらに、ビデオ・プロセッシング・ユニットが、8cx Gen3にはなかったAV1エンコーディングとデコーディングをサポートするようになったことも注目に値する。
それによると、X-Elite SoCは2024年半ばに発売される。
その頃には、次世代モバイル・システム向けにインテルのMeteor LakeとAMDのStrix Pointプロセッサーの全容が明らかになるはずだ。
仕様
CPU | Qualcomm® Oryon™ CPU 64-bit アーキテクチャー 12コア, 最大3.8 GHz 1-2コアブースト, 最大 4.3 GHz |
GPU | Qualcomm® Adreno™ GPU 最大 4.6 TFLOPS APIサポート: DX12 |
メモリ | メモリ: LPDDR5x-8533 メモリ容量:最大 64 GB メモリ帯域幅: 136 GB/s メモリバス幅: 16-bit メモリチャンネル数: 8 |
ストレージ | SD: SD v3.0 SSD/NVMe インターフェイス: NVMe SSD(PCIe Gen 4) UFS: UFS 4.0 |
ディスプレイ | Qualcomm® Adreno™ DPU 最大内蔵デバイス解像度: eDP v1.4b, 最大 UHD120 HDR10 最大外部ディスプレイ解像度: DP v1.4 – 3 ディスプレイ , 最大 UHD60 HDR10, 2 ディスプレイ 5K60 |
VPU | Qualcomm® Adreno™ VPU エンコード: 4K60 10-bit エンコード – H.264,HEVC (H.265), AV1 デコード: 4K120 10-bit デコード – H.264,HEVC (H.265), VP9, AV1 対応: 4K60 デコード – H.264,HEVC (H.265), VP9, AV1 / 2x 4K30 エンコード –H.264, HEVC (H.265), AV1 |
カメラ | Qualcomm Spectra™ ISP デュアル 18-bit ISPs 常時検知 ISP デュアルカメラ: 2x 36 MP シングルカメラ: 最大64 MP ビデオキャプチャ: 4K HDR |
WiFi/Bluetooth | Qualcomm® FastConnect™ 7800 System 対応世代: Wi-Fi 7, Wi-Fi 6E, Wi-Fi 6 対応規格: 802.11be, 802.11ax, 802.11ac, 802.11n, 802.11g, 802.11b, 802.11a スペクトル帯域: 6 GHz, 5 GHz, 2.4 GHz ストリーム数: 最大 4 ピーク QAM: 4K QAM フィーチャー: Passpoint, 8×8 Sounding, TDLS, Wi-Fi, QoS マネジメント, Wi-Fi 最適化接続, Wi-Fi Location, OFDMA (UL/DL), ミラキャスト, ターゲット, ウェイクタイム, ボイス・エンタープライズ, MU-MIMO (UL/DL), マルチリンクオペレーション (MLO), ハイバンド・サイマル (HBS) Bluetooth バージョン: Bluetooth 5.4 Bluetooth Connection Technology: Bluetooth LE M.2. インターフェイス: WiFi M.2. カード PCIe Gen 3経由接続 |
USB | USB 対応バージョン: USB 4.0 インターフェイス: USB-C ×3 USB4 ×3, USB3.2 Gen2 ×2, eUSB2 ×1 |
解説:
次世代ノートPC向けSnapdragon Xのスペックです。
SoCとしての対応スペックの中にはデスクトップ向けとしてはなじみのないものが多く、どこまで訳するのかちょっと迷いました。
カメラやWiFiなどはその最たる例です。
WiFiはともかく、カメラは本当になじみがないですね。
これらの様々なデバイスへのインターフェイスを内蔵することによってワンチップでコストを削減し、省電力性を追及できるということなのでしょう。
基本的にスマホのSoCは「全部入り」ですので、そこから派生したSnapdragon Xも全部入りです。
肝心のCPU性能とCPU性能ですが、CPU性能に関しては詳細な比較はデータが無くて出来ません。
参考:前世代のSnapdragon 8cx Gen3のGeekbench6スコア
Single 1563 /Milti 6514
Ryzen 7 7849UのGeekbench6スコア
Single 2466 / Milti 11870
上のようになっており、CPU性能としては前世代はかなり開きがあったということになります。
Snapdragon Xは同じ世代であるStrix Pointと対決することになります。
GPU性能に関しても7840U内蔵のRadeon 780Mが8.91TFLOPSで、Snapdragon X内蔵のArdenoが4.6TFLOPSとかなり開きがあります。
Radeonから派生したArdenoと本家本元が比較される日が来るとは感慨深いですね。
Snapdragon Xはモバイルノート向けですが、PCIe Gen4×8を外部に出すことができますので、これを活用したMini-PCが出るのかどうか注目ですね。
まだ実用的にx86デスクトップと競合できる性能レベルではないかもしれませんが、小型デスクトップ向けの機能を内蔵したという点でSnapdragon XはエポックメイキングなARM SoCだと思います。