と言う記事がTom's Hardwareに上がっていました。
Ampere社のAtlasシリーズはLinuxのサーバー向けARMコアを採用したCPUです。
こちらを使ってSteamのゲームを動作させてしまおうというのがこの話の趣旨です。
SteamOSはLinuxなのでSteamDeckなどはLinuxでWindowsのゲームをプレイしているということになりますが、これはValveが提供しているProtonと言うWindows互換レイヤーが使っています。
問題なのはAtlasシリーズがARMであるということです。
この点をどのようにクリアしているのかと言うとbox86とbox64と言うエミュレーターを使用するようです。
この話の大本はAmpere社が公式で公開しているSteam-on-Ampereと言うプロジェクトのようです。
サーバー向けCPUの会社がゲームのプロジェクトを公開しているのは少し驚きです。
幸いなことにbox86もbox64もバイナリが用意されているようですので、こちらを使うようですね。
Windowsには自前でコンパイルして使うという文化が無いので、ソースを用意して「じゃ、自分でコンパイルして使ってね、バイバイ」で終わってしまうLinuxの文化はかなり受け入れがたいものがあります。(苦笑。
Steam-on-Ampereの解説ページを見ると、リポジトリを追加するとコマンド一発でインストールできるようです。
その後box86に付属しているシェルスクリプトを使ってSteamをインストールするという流れのようですね。
Ampere社のCPU、Atlasのどのモデルを使っているのかはちょっとわかりませんが、32から192コアまでなのでどのモデルでもまともに動くのでしょう。
最低32コアからなのはさすがはサーバー向けCPUと言った感じです。
このSteam-on-Ampereのプロジェクトはかなり実験的なもののようです。
実際に入手性や価格の観点から見てもAtlasシリーズを使ってSteamのゲームをプレイする人はかなりの少数派だと思います。
Tom's Hardwareの記事を見ると、AtlasシリーズとnVIDIAのA6000を使ってゲームをプレイするとRTX4090を使った時よりも5%-26%性能が落ちるようです。
実験的試み以上の意味は無いのかもしれません。
しかし、x86が独占しているゲーミング市場において、ARM CPUとLinuxと言う自由に参入可能なプラットフォームが使えるというのはかなり大きいのではないかと思います。
将来的にはARMを使ったセットトップボックスのようなものが出てくる可能性も0ではないのかなと思います。
AMDやIntelも内蔵GPUを強化する方向に進んでおり、SoCの内蔵GPUが今のRTX4060/TiやRX6700/XT、RX7700XTくらいの性能になったらARMとLinuxを組み合わせた格安のゲーム機が出現する可能性はあるでしょう。
それを考えるとPCゲームの可能性は無限に広がっています。
ちょっと寄り道
エミュレーターと言えば私も最近ePSXeやPCSX2、RPCS3と言ったエミュレーターで過去のゲームをプレイしています。
私のXアカウントをフォローされている方なら最近これらのエミュレーターの話をツイートしていますので見た方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こうした過去のゲーム機のエミュレーターの動作はどちらかと言うとGPUよりCPUの方が重要と言う今となっては珍しい状態です。
これは違ったアーキテクチャーのCPUをエミュレーションするのが重要で、オールドコンソールのゲームの描画に必要なGPUのパワーはGTX1650程度のローエンドでも足りてしまうためです。
ゲームのエミュレーションを十分にこなすのは最低、元のCPUの10倍のCPUパワーが必要と言われています。
ePSXe(PS1エミュレーター)、CPU速度4倍、OpenGLフルオプションにしてもFullHD60FPS(リミット)で動くの草です。
4Kはまだ試していませんが、多分リミットで動くと思います。
現代のCPUはR3000A 33.8688 MHz.如きのエミュレーションでは全力を出すことは無いんだなあ pic.twitter.com/nVNV6DT75M— Lisaちゃん@PC自作 (@KotoriKanase) August 9, 2023
漸くPCSX2が動きました。
SSはDoA2HCです。昔持っていたのはDoA2でしたが、せっかくなのでHCにしてみました。
格闘ゲーは乗り遅れたのでカプコンじゃなくてDoA派でした。 pic.twitter.com/4DuzmXEje9— Lisaちゃん@PC自作 (@KotoriKanase) August 10, 2023
PCSX2でのGT4です。
PS1/2ではいつも奇数版を買っていたのですが、今回は偶数版にしています。
PS1のGT2と比較すると格段に画質が上がっているのがわかりますね。
まあ、GT7には遠く及びませんが。 pic.twitter.com/Cc8p4Yr4Ys— Lisaちゃん@PC自作 (@KotoriKanase) August 11, 2023
RPCS3・・・。 pic.twitter.com/yqTwHj7C8L
— Lisaちゃん@PC自作 (@KotoriKanase) August 19, 2023
最後のゲームだけ「なぜこのゲームを選んだぁぁぁ」と言うものですが、GT6が動かなかったのでやむを得ず(?)SSを上げています。
ちなみに元の画像は設定してすべて4Kで撮影しています
PS3を除いては全てSD画質ですが、無理矢理FulHD以上にできますのでセルフリマスターと言う感じです。
ただし、特に3Dゲームの画質はマテリアルとシェーダー(ライティング)で決まるので、元のテクスチャなどのマテリアルがショボいとどんなに高性能なマシンを使っても画質は一定以上にはなりません。
なお、コスト的には全くメリットがなく、最近は人気だったオールドゲームは大抵リマスターして再販売される傾向が強いので、好事家のお遊び以外の意味は全くありません。
また、最近のゲームは大抵Steamで販売されているので、今後はエミュレーターの意味もあまりなくなるのでしょう。
付け加えるならば、総てのゲームが動くとは限りませんのでその点も注意しておきます。
エミュレーターはメーカーからはかなり嫌われていますが、BIOSやソフトなどを正規の手段で手に入れないで使われる方が多いからです。
私はソフトは昔もっていたのですが、複数回の引っ越しで紛失してしまったりしていたのでわざわざ買いなおしています。
この世界、「今は無いけど、昔は持っていました」と言っても誰も信用しませんからね(苦笑。