アナウンスされていない2つのAMD Ryzenチップ、Ryzen 7 3700CとRyzen 3 3250Cが、Geekbenchのコードネーム「Google Zork」で最近登場しました。
これら2つのCPUは、Ryzen 7 3700UおよびRyzen 3 3250U APUと非常によく似ており、同じコア構成とクロックを共有しています。
これらのチップの主な違いは、Cバージョンの15W TDPです。
これらのチップは、おそらくRyzen 7 3700CおよびRyzen 3 3250Cの最適化バージョンであり、Chromebookを表す可能性のある「C」ではなく、今後のGoogle Chromebookでの使用を目的としています。
コードネーム「Google Zork」は昨年、AMD Picassoチップセットを搭載したリファレンスボードに関連して最初に登場しまし、未確認ですが、NotebookCheckは「Google Zork」が2in1
のGoogle Pixelbookである可能性があることを示唆しています。
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ソース:techpowerup - Mysterious AMD Ryzen 3700C & 3250C Benchmarks Surface
解説:
謎のRyzen 7 3700CとRyzen 3 3250Cの2モデル
かなりわかりにくい表現が使われていますが、末尾CはChromebookのCでよいのだと思います。
Uとクロック・TDPは同じなので、実際にChromebook向けに出荷されているだけで中身はほぼ同じか全く同じなのでしょう。
今更型落ちのPicassoを大ボリュームのChromebook向けとはいえ大幅にカスタマイズする意味というのはないと思います。
型番から見てもわかる通り、最新のRenoirですらありませんので廉価版Chromebook向けのモデルなのかもしれません。
最近はGoogleもPixelシリーズで高級路線を出しましたが、基本的にGoogle、amazonといったweb企業はハードウェアにお金を使うくらいならば自社のwebサービスの上でお金を使ってほしいという考えの企業であり、あまり高額で高性能なハードは発売しません。
高性能ハードが必要な場合はSTADIAのようにコモディティ化した格安ハードをシンクライアント的に使うという考え方になるのだと思います。
そういう意味では最新のRenoirでなくても型落ちのPicassoでもChromebookで使う分には十分な性能があるということなのでしょう。
反対にAppleやMicrosoftはどちらかと言えば高額なハードウェアを展開する企業であり、それが一種のブランド化しています。
FacebookのハードウェアはVR特化でほかのGAFA企業とは一線を画しています。
GAFAの中でもAppleは旧来のビジネスモデルのハードウェアより、Google、amazonはwebより、Facebookは独自路線とそれぞれ特徴が違います。
Microsoftは旧来のハードウェア寄りのビジネスモデルですが、データセンターに高額の投資を行いAppleやFacebookにクラウドプラットフォームを提供するという面白いインフラ投資を行っています。
Googleとamazonは当然、サーバーインフラは自前です。
このように見てみるとChromebookというのは完全にコモディティ化したハードウェアを展開するプラットフォームであり、型落ちのPicassoを採用していることを考えるとWEB企業が何を考えているのかはっきり出ているのではないかと思います。
Chromebookを購入してあまりワクワクする人というのはいないのではないかと思いますが、これが以前の記事で説明した「鉛筆やボールペン」に相当するデバイスになります。