AMDは、今後のCPUおよびグラフィックアーキテクチャ「Zen 3」およびRDNA2の2020年の発売時期を反映するために、テクノロジーロードマップを更新しました。
2つは7nm+に基づいており、これはTSMCの7nmEUVシリコン製造プロセスのAMDのピークであり、トランジスタ密度の20%の大幅な増加を約束し、AMDに高いトランジスタバジェットとより多くのクロック速度マージンを与えます。
※ バジェットとは予算のことで「使えるトランジスタ量」のような意味でしょう。
ただし、ロードマップのスライドでは、「Zen2」とRDNAが2019年7月7日に同時発売されるのとは異なり、次世代の発売は同時ではない可能性があります。
CPUマイクロアーキテクチャのスライドには、「Zen3」の設計フェーズが完了し、マイクロアーキテクチャチームがすでに「Zen4」の開発に進んでいることが記載されています。
これは、AMDが現在「Zen3」を実装する製品を開発していることを意味します。
一方、RDNA2はまだ設計段階です。
両方のスライドの粗いX軸は、予想される出荷年を示しており、「Zen3」ベースの製品がRDNA2ベースの製品よりも先行することを示唆しているようです。
「Zen3」は、Intelの「Comet Lake-S」または「Ice Lake-S」に対するAMDの最初の対応であり、後者がComputex 2020より前に実現した場合です。
RDNA2までの段階で、AMDは、NVIDIAの「TU104」シリコンをベースにしたグラフィックスカードと競合するために、「Navi 12」シリコンでRDNAを1グレード大きく拡大します。
「Zen2」には、今月後半に新しい16コアRyzen 9シリーズチップの形で製品スタックが追加され、そして、第3世代のRyzen Threadripperファミリーが追加されます。
ソース:techpowerup - AMD Updates Roadmaps to Lock RDNA2 and Zen 3 onto 7nm+, with 2020 Launch Window
解説:
AMDのロードマップが更新され、従来の発言通り、2020年はTSMCの7nmEUVを使い、Zen3とRDNA第二世代を生産することになるようです。
RDNA2は設計中とのことですので、2020年末か後半になるのかもしれません。
私はRaja氏がAMDを去った時点で設計が終わっていたものと思っていたのですが、どうも違うようですね。
先々の予定まで埋まっているCPUと違い、RDNA第三世代がどうなるのかの話が上がっていないのが気になります。
スマートフォンの旺盛な需要によってTSMCに資金が集まり、それによって毎年製造プロセスが更新されるようになりました。
その恩恵にあずかる形でAMDも1年遅れで最先端のプロセスを導入することが出来るようになりました。
これは、自社の利益を削ってグローバルサプライチェーンの歯車に徹し、PS5や次期Xbox向けのAPUを受注し、大量のボリュームを得たことが大きく関係していると思います。
nVidiaは自社の利益を追求するあまり、ゲーム機のAPUを受注しなかったので、弾き出されてしまいました。
これが吉と出るか凶と出るかは何れ年末に答えが出ると思います。
Voltaの例に倣えば、機械学習向けの高価なGPUが今年の末から来年の頭にかけて出るはずです。
11月くらいには予定が聞こえてくると思いますが、音沙汰が無かったら私の予想通り、サムスンの7nmEUVは危ないと考えてよいのではないかと思います。
マスコミが正しく報道しませんので詳細は不明で、実際にその時が来てみないとわからないと思いますが、もうすぐ答えは出ます。
こちらも注目です。
サムスンの7nmEUVがコケた場合、nVidiaは一気に苦しくなるでしょう。