今回はコメントでも「よくわからない」という話が合ったOEMについて解説します。
OEMとはOriginal Equipment Manufacturerの略で他社ブランドの製品を製造すること、またはその企業のことです。
これだけでは何のことだけさっぱりわからないと思いますので、図で説明しましょう。
上の図ではパソコンメーカーA社があるとします。
しかし、皆さんご存知の通り、メーカーA社は自分が販売しているパソコンのパーツを自分で作っているわけではありません。
上の例だと
CPUはAMD、SSDはサムスン、マザーボードはAsrockが作ってメーカーA社に納入しています。
あくまで最終的な製品はA社のパソコンであり、CPUが壊れたからと言ってAMDが直接保証するわけではありません。
ここまで説明すればわかると思いますが、図のAMDやサムスン、Asrockといった企業がメーカーA社に納入する製品が当サイトでよく出てくるOEM向け製品という奴です。
例を挙げるとCPUの場合、OEM向けは大抵の場合、箱が無い、説明書が無い、保証もない、クーラーもありません。
https://twitter.com/kato_kats/status/1043601809099509760
丁度ツイートに良いものがあったので例として挙げておきます。
CPUの場合、上のようなトレイに大量にCPUを載せて納入します。
小売りされるCPUのように箱や説明書があっても邪魔なだけなので、このような形で納品し、保証は完成品としてA社が行うことによって、保証なし、大量仕入れすることにより、通常の小売り品より安く仕入れることが出来ます。
AMDやサムスン、Asrockにとっても大量に買ってくれる上に面倒なサポートをする必要がなくなるのでメリットがあるわけです。
ここまでは一般的な話です。
本当はいけないのですが、このOEM品が何らかの理由で個人向けのPCパーツ市場に流れてくることがあります。
バルク品とか裸売りされているCPU、SSDなどはほとんどこのパターンです。
Samsungの高速NVMe SSD「PM981」が入荷、実売12,980円から
上の記事はOEM専売品のはずのSamsungのNVMe SSD PM981がなぜかPCパーツショップで小売りされている例です。
需要を読みそこなったとか予定より搭載モデルが速く打ち切りになったとか様々な大人の事情によりこうしたOEM専売品がPCパーツショップの店頭に出ることがあります。
OEM版の場合、性能を追求しない一般向けに売られることが多いので、同じ型番でも微妙に性能が違っている場合があります。
※ 場合によっては、デチューンが施され、発熱が抑えられていることがあります。熱は半導体やマザーボードに使われている部品の寿命を著しく縮めるためです。多くの場合、一般向け製品はPC自作市場と比較して愛着などをあまり持たず無頓着に使われるユーザーさんが多いですので熱は出来る限り抑えるように気を使われています。要はシビアな環境で使われることが多いためです。
また、OEM品が小売りされる場合は、ほとんどが一週間から一か月程度の保証しかついておらず、保証も売ったショップが行います。
リテール品
リテール品はきれいな化粧箱に入れて売られている一般向けの商品になります、
自作PCの場合、CPUですと性能を追求するマニア向けの製品が多いので、OCが出来たり、高発熱だけど高性能な製品がラインナップされています。
例えばCore i9-9900K、Core i7-9700KなどのK付きは完全にこのパターンです。
こういう化粧箱に入れられています。
もちろん保証もきちんとついています。
特に理由が無ければリテール品を購入するのが無難です。
保証はメーカーによって違いますが、たいてい1年以上の保証がついています。
Windowsの場合
Windowsの場合はOEM版は完全にメーカー向けなので、自作として使ったらその時点でアウト、ライセンス違反になります。
自作向けのWindowsライセンスはDSP版になります。
こちらは同時に購入したパーツと一緒に使うことが条件で、保証やサポートは店が行います。
普通のパーツのOEMととてもよく似ていますね。
リテール品はマイクロソフトが直接サポートを行いますが価格が若干高くなります。
この記事を書いている現在で
Windows10Homeリテール版 17,748円
Windows10HomeDSP版LANボード付き 15,636円
と2,000円ちょっとしか変わりませんので、当サイトではおかしな制限のついているDSP版よりもほとんど制限のついてないリテール版を購入されることをお勧めしています。