当サイトではバックアップメディアとして、MicroSDを推奨しています。
MicroSDも含むこうした外付けに使うフラッシュメモリはSSDに使われているものの選別落ち品を使っているといわれています。
そのため、速度はUSB3.0を経由したとしてもSSDよりはかなり遅いといわれています。
その辺も含めて検証していきましょう。
MicroSDの長所と短所
MicroSDの長所
・スマホやタブレットなどに使われているため大量の需要があり、量産効果で安くなっている。
・小さい
・大量の需要があるため、製品の更新が速く、比較的最新の技術が投入される
・SDカードアダプタを使えばハード的にライトプロテクトがかけられる
・スマホやタブレットなどにデータを移すことができる
・需要が大きいため、どんどん大容量の製品が開発されている
MicroSDの短所
・小さすぎて管理が面倒。ラベルの貼り付けなどができない
・PCで使うにはUSBカードリーダー/ライターと環境によってはSDカードアダプタが必要
管理人使用経験のあるMicroSDのメーカーにおけるランク付け
TOSHIBA、SANDISK、Samsung
いわゆる一流メーカー。しかし高いです。特にSamsungは妙に高めなのでわたくしはあまり買いません。
安心にお金を払いたい人はこれらのメーカーを買った方がよいと思います。
TOSHIBAに関しては平行輸入品で妙に安い製品がありますがあまりお勧めしません。
Kingston
上の三社に比べるとブランドは多少落ちると思いますが、今回使ってみて普通に使えました。
ただ、MicroSDに関しては書き込みが遅かったです。
Transcend
台湾勢の中では信頼性において頭一つ抜けている印象です。あくまでもわたくしが製品を使ってみた印象ですので、注意してください。
SiliconPower
SSDではやや信頼性が低いといわれています。MicroSDの方はAmazonでかなり安売りされていますが、不良品報告も多めです。
ただし、人間というものは良品よりも不良品に当たった時の方がレビューを書きたくなるものなので低評価がついている割合が不良品の割合ではないですので注意してください。
いずれのメーカーを使うにしても一定の割合で不良品に当たる可能性はありますので、下で理由を説明しますが、ちゃんとパッケージングされているかどうかもチェックしたほうがよいです。
また、一流メーカー品を使えばそれだけトラブルに当たる確率も減りますが、MicroSDという製品の性質上そういうわけにもいかないと思います。
私はMicroSDは価格も性能の一つだと思っています。
SDカード/マイクロSDカードの容量と実際に使える容量の関係
SDカードの表記 | 4GB | 8GB | 16GB | 32GB | 64GB | 128GB |
実際に使える容量 | 約3.6GB | 約7.2GB | 約14.4GB | 約28.8GB | 約57.6GB | 約115.2GB |
表記上の容量と実際に使える容量には上のような関係があります。容量の100%が使えるわけではなく、一部は管理領域として使用されます。
表記上の容量と違っても不良品ではありませんので注意してください。今どきは探すのが難しいくらいですが、4GBではフルに使われているDVDメディアの中身を移すことはできませんので注意してください。
特にWindowsのインストールディスクは8GB以上無いと作れないので注意してください。
デフォルトのフォーマット
こういった製品はデフォルトでフォーマットされていることがあります。今から紹介する製品もすべてデフォルトでフォーマットされていました。
32GBまではFAT32で、64GBからはexFATです。
exFATの場合、将来的に変わるかもしれませんが、OSの起動には使えませんので、その点は注意です。
また、ちょっと前の話ですが、Linuxからもデフォルトでは読み書きに対応していませんでした。
リムーバブルメディアにNTFSを使うことはキャッシュが有効になって、ファイル操作が入った時のレスポンスがリアルタイムでなくなるようですので、推奨されてません。
私の場合はNTFSでフォーマットしたメディアは必ずOSの側で取り出し可能な状態にしてから取り出ししていますが、データ用として使うならexFATにしておいたほうが無難です。
何も難しいことを考えずにUSBに挿せば使うことができて、USB3.0に対応しているならば高速に読み書きができるUSBフラッシュメモリと違って抜いたり挿したりと複数枚のデータ管理は面倒くさいです。
しかし、私がそれを上回る利点だと思っているのは「ライトプロテクト」がハード的にかけられることです。(SDカードアダプタが必要)
このハード的なライトプロテクトのついたUSBフラッシュメモリは一般的ではなく、入手性が極めて悪いです。
もし、通常のUSBフラッシュドライブと同じくらい安価でライトプロテクトのかけられるUSBメモリをご存知の方がいたら、この記事にコメントをいただきたいです。
普段はありがたみを感じないかもしれませんが、一旦トラブルが起きたときの心強さは口では言い表せないほどです。
Windowsの起動ドライブを作っておき、ライトプロテクトさえかけておけば、何が起きても絶対に、絶対に、絶対にウィルスやその他の迷惑プログラムに感染することはありません。
この「絶対にクリーンな環境が作れる」という安心感が何物にも代えがたいため、私はUSBメモリではなく、あえてSDカード(MicroSDカード)をメインで使っています。
また、USBフラッシュメモリと違ってスマホやタブレットなどの現在ITの主流となっている機器の主記憶メディアになっているため、大量の需要があり、スマホやタブレットへ投資される開発費や調達費などの恩恵(主に価格面)を一部受けることができるのも魅力です。
普通のUSBフラッシュメモリも使っていますが、上のような理由からUSB2.0時代のフラッシュメモリしか持っていません。
実はSDカードリーダー/ライターもUSB2.0の物しかもっていなかったのですが、今回の記事を作成するにあたって新たに購入してみました。
今回テストしたMicroSDカード
表
裏
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チョイスした製品が上の三点です。
実は当サイトではTranscendのMicroSDを推奨していますが、これだとあまりに無難すぎて面白くないので、Amazon Prime対応で一番安い製品を選んでみました。
まず
SUNEAST MicroSD 64GB \950
実はこのMicroSD、私が買った後に見てみましたが、全部売れたのか64GBは無くなっていました。
写真でいえば一番上の製品になります。
UHS-I、Class10対応
公称速度 リード95MB/s、ライト80MB/s
カタログスペック上はものすごい速度でパラレル時代のHDDをはるかにしのぐ速度なのですが、メーカーもマイナーですし、かなり怪しい印象です。
SUBEASTというメーカーは一応激安のSSDも販売していますが、PS4などでも普通に使えるとの報告が上がっています。
マイナーなメーカーの中では信頼性は高い方だと思います。
また64GBで950円は激安で、使えなければレビューのネタにもなりますし、少しくらいダメでも仕方ないかなあと思って買いました。
Kingston MicroSD 16GB \440 / 32GB \640
UHS-I、Class10対応
公称速度 リード80MB/s、ライト10MB/s
ライトが微妙に遅いのが非常に気になりますが、まあ、この価格なら仕方ないのかなと思います。
32GBで640円なので激安と言ってもよい価格だと思います。
16GBにいたっては440円とワンコイン以下です。
それなりに名の通ったメーカーであるにも関わらずこの価格はちょっとびっくりですね。
検証に当たっては32GBを使用することにします。
TOSHIBA EXCERIA MicroSD 32GB
UHS-I Class10対応
公称速度 リード48MB/s、ライト記載なし
以前に購入したTOSHIBA EXCEIRAの並行輸入品。
昔の製品なので、速度は遅いです。
使用後2-3年経っていますが特に不良もなく、普通に使えています。
怪しい製品を選ぶときに気を付けたいこと
今回私はわざわざ怪しい製品を選びました。
怪しい製品の中からできるだけまともな製品を選ぶうえで注意すべき点を幾つか挙げておきます。
選ぶにあたって気を付けたことですが、これは特にMicroSDに限らずUSBフラッシュメモリやSDカードなど小物全般に言えることです。
まず、開けたらわかるパッケージになっているか?ということです。
両方ともそういった製品を選んだつもりだったのですが、SUNEASTの方はテープで止まっているだけだったので、慎重にはがせば中の物が交換ができる可能性があります。
Kingstonの方はハサミを入れないと開封できないパッケージになっていました。さすがに名の通ったメーカーさんです。
USBフラッシュメモリみたいな小物は流通過程において悪意のある第三者にすり替えられたりする可能性がありますので、不良品率が低い製品を手にしたければ、きちんと開けたらわかるパッケージのものを選びましょう。
いくら安くてもメーカーのHPなどでパッケージの写真が確認できなかったら絶対に買わないことです。
※ パッケージに関しては、ショップの写真になくてもGoogleで型番を入れて画像検索すると大抵出てきます。並行輸入品の場合はパッケージが国内品と違うメーカーなどがありますが、開けたらわかるパッケージになっていたら合格としてよいでしょう。
特によくねじなどが入っているジップロックのような何度でも開封可能なビニール袋に入れられてきた場合はすり替えを疑った方がいいいです。
また、届いた現物のパッケージがメーカーのHPなどと違っていた場合、即返品・交換を申し出しましょう。
リマーク品をつかまされる恐れだけでなく、販売業者の側で初期不良品とすり替えられるリスクがありますので、パッケージが確認できない商品は絶対に買わないようにしましょう。
特に初期不良に関しては、この手の製品は買い切りで安く仕入れている店もあると思いますので、そんなに価格が高くないこともあり、初期不良品にすり替えて、面倒くさがって文句を言われなかったらしめしめという悪徳なお店も中にはあろうかと思います。
ちゃんとしたパッケージ品でないと椅子取りゲームで負けたときのように不良品が回ってくる確率が跳ね上がることがありますので注意してください。
まあ、リパッケージされる可能性が0ではないですが、こうした消耗品・小物系のパーツは単価や利益率がそこまで高くないこともあり、可能性は極めて0に近いといってもよいと思います。
テープで止まっているだけのSUNEASTの製品はかなり慎重にはがさないと跡が残る感じだったので、まあ、ぎりぎり合格ということにしました。
検証に使用したフラッシュドライブ
Transcend Card Reader RDF5
TranscendのSD/MicroSDカードリーターライター。USB3.0対応で差込口が二つあり、MicroSDもアダプタ無しで読み書き可能です。
※ 一部のSD/MicroSDカードで相性問題が発生し、速度が出ない問題があるようです。
UGREEN USB3.0 Card Reader
Amazonで割と評価の高いSD/MicroSDカードリーターライター。こちらもUSB3.0対応で差込口が二つあり、MicroSDもアダプタ無しで読み書き可能です。
※ 注意 2020年11月7日現在、一部のカードが読み込にくくなってきました。TranscendのRDF5は問題が無いので、どうも耐久性に問題があるようです。推奨していましたが、推奨を中止します。
どうもこの時に買ったSD/MicroSDカードリーダーライターは二つとも問題があるようです。メモリカード関係は本当に難しいです。
ADR-MLT111BL
すでに販売終了になっているマルチタイプのUSBカードリーダー/ライター
サイズ違いも含めて、53種類ものフラッシュメディアに対応していましたが、古の製品なので、対応メディアの中にはすでに絶滅してしまったものもあります。
余談ですが、この製品は終売してから多分10年以上たっていますが、未だに元気に動いています。
付属品のケーブルは断線してしまいましたが、本体は全くノートラブルです。
私の物持ちの良さと物のあたりの良さの一端が伺いしれるのではないかと思います。(笑
残念ですが、そういう私でもMicroSDメディアに関しては一定の割合で不良品に当たっています。
MicroSDの場合は一定期間たってから使えなくなったりして微妙に返品できなかったりしていますので、上で説明した点に注意して買うようにしましょう。
それでも不良品を100%弾くのは無理だと思います。
今回購入したTranscend Card Reader RDF5とUGREEN USB3.0 Card Readerの写真
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Transcend Card Reader RDF5とUGREEN USB3.0 Card Readerの違い
非常によく似た仕様の製品ですが、両製品で何が違うのかまとめてみました。
Transcend Card Reader RDF5はアクセスランプがあるが、UGREEN USB3.0 Card Readerはない
両製品とも差込口がSDカード用、MicroSD用二つあるが、Transcend Card Reader RDF5は同時に使用はできない。UGREEN USB3.0 Card Reader同時使用が可能。つまり両方のメディアを指してコピーというのはUGREEN USB3.0 Card Readerしかできない。
パッケージはUGREEN USB3.0 Card Readerは跡を残さずに開封可能で製品のすり替えが容易にできます。上で説明した通り、製品の性質を考えるとやはりきちんと封印して、開けたらわかるようにしていただきたいところです。Transcend Card Reader RDF5の方は開けたらわかるパッケージを使用しており、この辺はさすがに名の通ったメーカーといった感じです。
この二つの製品のどちらを選んだらよいかですが、SDカードとMicroSDカードを両方挿してコピーしたいならUGREEN USB3.0 Card Reader、アクセスランプが無いと不安な人はTranscend Card Reader RDF5です。
よく似た製品ながら、機能によってはっきり好き嫌いの別れる仕様になっており、この点は面白いと思いました。
わたくしの使い方としてはSDカードとMicroSDでコピーすることはほとんどないので、やはりアクセスランプのあるTranscend Card Reader RDF5の方が使い勝手が良いと感じました。
コピーの必要があればそんなに値の張る製品でもないので二つ買えばよいと思います。
※ 推奨を変更しました。
LinuxやWindowsのブートメディアとして起動する場合、ドライブが二つあるとどっちなのかわかりにくいので、UGREENの仕様は私にとってはかえって邪魔でした。
まあ、こういう使い方をする人がそれほど多いとは思いませんが・・・・。
上で挙げたMicroSDカードとUSBカードリーダーライターで速度を測ってみました。
上で挙げた製品の性能に違いがあるのか、当サイトではおなじみCrystal Disk Markで速度を測ってみました。
すべてのリーダーライターでSDカードアダプタを装着して測定しました。
SUNEAST MicroSD 64GB
Transcend Card Reader RDF5
UGREEN USB3.0 Card Reader
ADR-MLT111BL(USB2.0参考)
マイナーなメーカーなのでどうなのかと思っていましたが、意外や意外、ほぼカタログスペック通りの速度が出ています。
この記事を書いている現在で品切れになっていますが、SUNEAST MicroSD 64GBは思いの外よいです。
これで耐久性があればかなりお勧めの製品です。
Transcend Card Reader RDF5のシーケンシャルライトと4KiBのリードが少し遅いところが気になりますが、実用上特に問題になるような差ではないと思います。
※ Transcend Card Reader RDF5は使うSDカード/MicroSDカードによってはやはり若干速度が落ちるようです。そのため推奨を変更しました。
少しでもフラッシュメディアの速度を引き出したければ、UGREEN USB3.0 Card Readerを選ぶのがよいと思います。
これもまた意外なことにUSB2.0でも4KiBの読み込みがそこまで遅くないため、OSの起動メディアとして使った場合はあまり差を感じないかしれません。
Kingston MicroSD 32GB
Transcend Card Reader RDF5
UGREEN USB3.0 Card Reader
ADR-MLT111BL(USB2.0参考)
Kingston MicroSD 32GBではカタログスペック以上の結果が出ています。
特にライトは両製品とも10MB/sのカタログスペックの倍くらいの数値が出ています。
このくらいの速度では差がつかないようです。
TOSHIBA EXCERIA MicroSD 32GB
Transcend Card Reader RDF5
UGREEN USB3.0 Card Reader
ADR-MLT111BL(USB2.0参考)
やはりこちらもこの程度の速度のMicroSDではほとんど差がつかないようです。
TOSHIBA EXCERIA MicroSD 32GBはちょっと前の製品ですが、今回紹介したような最新の製品とはかなり速度に差があるので、少しでも速度を上げたい場合はやはり最新の製品を購入したほうがよいでしょう。
また、64GBあたりから書き込み速度がかなり上がるので、64GB以上のMicroSDを頻繁に使われる方はUSB3.0対応のカードリーダー/ライターを購入したほうがよいと思います。