今日はcorsairの簡易水冷ユニットH100i V2をレビューします。
先にお断りしておきますが、このH100i V2は代理店での取り扱いは終了しており、国内正規流通品は在庫のみだと思います。
すでに新製品のH100i Pro RGBが販売されており、いずれ在庫がなくなったら店頭からも消えていく製品だと思います。
新製品H100i Pro RGBの改良点ですが、冷却ヘッド部分から出るラジエーターホースの根元が回転するようになり、設置にあたっての自由度が高くなった点です。
あとは水冷ヘッド部分についているCorsairのロゴのレイアウトが多少変わった程度です。
冷却能力に関してはなぜかあまりレビューが出てないのではっきりしないのですが、おそらくH100i V2とあまり変わらないのではないかと思います。
すでにモデルチェンジした後の型落ち品なので、現在は安く販売されており\12,000弱とかなりお得感が高かったので購入しました。
また、国内販売品で代理店が5年の保証を付けている簡易水冷製品はCorsairだけであり、この辺が「初心者はCorsairがおすすめ」と言われているゆえんです。
今回のマシンを組むにあたって、Core i9-9900Kにする時点で簡易水冷化はほぼ決定していました。
また、OCする場合はトリプルラジエーターが必須ということで、今回はOCのことは考えずに通常使用における冷却に使用することにしています。
Spec
製品名 | H100i V2 | |
型番 | CW-9060025-WW | |
ウォーターブロック | サイズ | 80×80×35mm |
素材 | 銅(ベースプレート) | |
電源コネクタ | ファン用3ピン電源コネクタ(約300mm) | |
ファン接続用電源コネクタ | 2×ファン用3/4ピン電源コネクタ(約300mm) | |
ウォーターチューブ | 長さ | 約350mm |
素材 | ゴム(布巻き) | |
ラジエータ | サイズ | 276×125×30mm |
素材 | アルミニウム | |
重量 | 約870g(ファンの重さは含みません) | |
付属ファン | サイズ | 120×120×25mm |
コネクタ | 4ピン | |
PWM | 対応 | |
回転数 | 2435RPM±10% | |
エアフロー | 70.69CFM | |
静圧 | 4.65mm-H2O | |
音響ノイズ | 37.7dBA | |
対応CPUソケット | Intel | LGA2066/LGA2011-V3/LGA2011/LGA1366/LGA1156/LGA1155/LGA1151/LGA1150 |
AMD | Socket AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+ | |
保証 | 5年 |
調べてみましたが、冷却ユニットの冷却能力を表す指標というのは存在しないようですが、業界の標準指標のようなものがあったらわかりやすいのかなと思います。
現在はネットのレビュワーのレビューに頼るしかない状態です。
写真
ラジエーターの品質は方向性、曲がりなどは均質ではありません。
わたくしの上げた写真を見てもわかる通り、品質には比較的こだわってるほうのCorsairですらもラジエーターがつぶれている部分というのはわずかにあり、その他のメーカーだと割と目立つようです。
この辺は価格と品質のトレードオフでしょう。
日本人は過剰品質を求めるのが悪い癖だと思いますが、価格なりの品質というものはあるということは頭の片隅に入れておいてほしいかなと思います。
10倍の価格になって超高品質なものが売られても誰も買わないので存在する意味はありません。
ラジエーターは多少の補修ならマイナスドライバーで簡単にできます。ラジエーターの機能というのは熱伝導率の高い金属のフィンを液体循環部分に接触させて空気に触れる表面積を増やして冷却能力を高めるというものなので、要はつぶれいてるところをきれいに補正すれば表面積がもとに戻り、機能は回復します。
フィンの部分はかなり柔らかいので注意が必要です。
液体が循環するので大掛かりな装置のように見えますが、原理的には単純です。
Corsair Link
H100i V2にはCorsair Linkという制御系のソフトウェアがついており、ラジエーターの冷却水の水温や各コアの温度などを監視したり、冷却水の温度が一定の値を超えると水冷ヘッド部分のライトの色を変えたりできます。
何かかなりバグだらけというレビューがネットに上がっていましたが、わたくしの使ってみたところ全くそういうところはなく、非常に安定しているソフトだと思います。
モデルがすでに終息している最末期の状態なので、すべては枯れている状態なのだと思いますが、このCorsairLinkの状態表示もあって各種のステータスが目で確認でき、安心感は高いです。
水冷ユニットというと電気が止まったら大変なことになるとかPCが立ち上がる前はどんなふうに冷却するのかなど心配ごとがたくさんありましたが、CPUが全力稼働していなければ大抵の場合、ファンを回さなくても冷却水の循環だけで冷やすことが可能です。
使ってみれば空冷とほとんど変わらない感覚で運用できます。
先日紹介したOCCTのようなCPUに負荷をかけるツールを使えば轟音を立てて二つの120mmファンが猛烈に回転しますが、普段はほとんど無音です。
欠点
H100i V2の欠点です。
まず、各社の最新モデルより冷却能力が低いといわれています。
わたくしは水冷ユニットは初めてなので、空冷としか比較できませんが、並みの空冷よりはよほど冷えますし、安定感はあります。
H100i V2の欠点というより、簡易水冷全般の欠点ですが、やはり経年劣化によるトラブルの心配は常に付きまとうと思います。
冷却能力が低下したり、液漏れのなど心配の種は尽きないでしょう。
Corsairの製品は5年保証が付いていますので、少なくともおおむね5年は安心できるんじゃないかと思います。
SocketTR4のブラケットが標準でついてこないことも今となっては欠点の一つといえるのではないかと思います。
そもそも論としてデュアルラジエーターのクーラーでThreadripperの冷却が追いつくのかという問題はありますが、最近躍進著しいNZXTのKrakenシリーズなどは標準でSocketTR4のブラケットが付属しており、この点は優れています。
その他のレビューではファンの異音やビビりが発生するとありますが、ラジエーターにファンを固定する長いねじをいっぱいに閉めてもファンが浮いてカタカタいう状態です。
これだとファンが猛烈に回転すると当然振動してビビリ音などが発生すると思います。
ゴム製のワッシャを買って締めてみる予定です。
ファン自体はCorsairのファンなのでとても高品質です。
Corsairのファンは単体で2300円前後するので、これが2つ付いている時点でかなりお得感があります。
以上いろいろ書いてきましたが、簡易水冷初挑戦のわたくしが最初に使うクーラーとしてはモデル末期の価格やソフトがこなれていることも含めてちょうどよかったのではないかと思っています。
H100i V2はファンも光らないですし、地味ですがわたくしは特に光ものには魅力を感じないほうなのでその点は別に何とも思わないです。
何より5年保証のCorsair製品が1年保証のほかのメーカーの製品と同じくらいの価格で手に入るのはかなりお得感が高かったです。
残念ながら在庫処分セールだったのが、すでに価格が上がってしまっています。
今から買うならば、新しいモデルのH100i PRO RGBのほうがよいでしょう。
※ Core i9-9900Kを使われる予定の方は簡易水冷のクーラーを使われることをお勧めしておきます。定格でもCorsair Linkの温度を見ていると空冷では厳しいのではないかと感じます。
H100i PRO RGB(H100i V2の後継製品)
Corsair H100i Pro RGB 水冷一体型CPUクーラー [Intel/AMD両対応] Corsair LINK対応 FN1195 CW-9060033-WW
わたくしが買ったときは大量に在庫があり\12,000弱だったのですが、現在、H100i V2は在庫がなくなったのか、H100i PRO RGBより高い値段になってしまいました。
今から買うならば後継品として今後も継続して販売されるH100i PRO RGBのほうがよいでしょう。