PCパーツレビュー SSD検証 SSD・HDD

Moment MT34 NVMe Gen3 SSD 256GBレビュー

更新日:

他社製品のとの比較記事はこちらです。

概要

今回は台湾企業の製品であるMoment MT34 256GBをレビューしていきます。

created by Rinker
MMOMENT
¥3,199 (2023/07/14 06:56:59時点 Amazon調べ-詳細)

レビュー品の紹介に入る前に企業の概要を調べてみましょう。

Moment Semiconductor, Inc.

企業のHPには創業年月日などの情報が書いてませんでした。

セミコンダクターとあるように一応半導体企業ではあるようです。

所在地は「お問合せフォーム」から確認できます。

Moment Semiconductor, Inc. 製品紹介ページ

MT34の製品紹介ページを見てみましたが、SATA 6GB/sとあり、内容が間違っています。

一応HPは日本語化されていましたが、これを見るだけではなかなかに怪しいです。

日本の企業だと大抵、資本金と役員名、従業員数、創業年月日、沿革くらいは書いてあるのですが、最低限度そのくらいは書いておいてほしいです。

ちなみにamazonの販売ページにはMmomentとありますが、どう見ても頭のMはロゴだと思います。

しかし、プロダクトナンバーを見るとMmomentと書いてあります。

表記的にはどっちが正しいのですかね。

公式HPを見るとわかりますが、Linkmoreと言うブランドの製品もMoment Semiconductor製品のようです。

HPからは自社でFabを抱えているような真正のメーカーなのか製品の企画と販売、サポートのみを行う代理店に近いメーカーなのかはわかりりませんでした。

 

レビュー品の紹介

 

レビュー品のスペックは企業のHPでは記述が正確でなく、はっきりわかりませんでしたので、amazonの販売ページから拾ってきました。

容量256GB 512GB 1TB
規格NVMe PCIe Gen3x4
SSDフォームファクターM.2 2280 M.2 2280 M.2 2280
最大読取速度2000MB/s 2000MB/s 2100MB/s
最大書込速度1000MB/s 1500MB/s 1500MB/s
MTBF 1,500,000時間
寸法80 × 22 × 2.15 mm
質量6.3g
NVMe 1.3
製造国台湾
保証期間3年
対応OSWindows 7 / 8 / 10 / 11
Linux kernel 3.3以降

保証期間は3年ですが、TBWはどこにも書いていませんでした。

公式HPにもなく、重要な情報だけにちょっと気になるところです。

ネットで手に入る情報はここまでのようですので、実際にflash_idをかけて調べてみました。

コントローラーはPhison PS5013-E13T、フラッシュセルはMicron 96L(B27A) TLC 512Gb/CE 512Gb/dieでした。

ネットの情報ではYMTCと言うことでしたが、どうやら変更になったようですね。

マイクロンの96層でした。

今回もflash_idが途中で止まりました。

しかし、途中までログをコピペすることに成功しましたので、出力されたところまでのログを後ろに張り付けておきます。

フォーマット後の容量は238GBでした。

 

検証環境

  • CPU:Intel Core i7-13700K
  • CPUクーラー:サイズ Big shuriken3 RGB
  • マザーボード:Asrock Z690M-ITX/ax
  • SSD:M2_2(チップセット側) AGI NVMe Gen3(システムドライブ)
  • M2_1(CPU側) Moment MT34 NVMe Gen3 SSD 256GB(今回レビューするSSD)
  • 電源:Corsair SFX 750W電源 SF-750
  • メモリ:Patriot Viper DDR4-3000 OCメモリ8GB*2=16GB
  • ケース:QDIY 0040-*PCJMK6-ITX(テストベンチ)
  • OS:Windows11 22H2(最新Windows Update適用済)

注意してほしいのはテストベンチなので、当然オープンエアと言うことになります。

普通のケース(特にMini-ITX)よりはかなり冷却に関する条件が良いのでそれを差し引いてみてください。

SSDのヒートシンクはマザーボード付属のものではなく、単体売りしている製品を使っています。

理由はツイートでも報告しましたが、マザーボードに付属のものは2枚をいっぺんに冷やす一体型になっており、一方が爆熱だとシステムドライブの調子がおかしくなるからです。

Awesome AWD-MCS01 M.2 2280 SSD NGFF HeatSink (ブラック)
Awesome

使ったのは上の製品です。色は赤と黒があります。

 

Crystal Disk Info8

Smart情報を表示するソフトCrystal Disk Info8で情報を取得してみました。

電源投入回数1なのが気持ちいいですね。

さすが台湾製です。

特徴的なのが表示されるデバイス名がPCIe SSDになっているところ。

そう、ARKAINE SSDと同じです。

同じFabで作っているのかどうか迄はわかりませんが、気になるところです。

 

Crystal Disk Mark 8

ストレージの速度を計測する定番のベンチマークソフトCrystal Disk Mark8で速度を計測してみました。

Crystal Disk Mark8はデフォルトでは1GiBのテストデータで5回速度を計測して一番数字が良かったものを表示します。

ストレージの一番良い状態での速度を表示するソフトです。

MT34の256GB版のメーカー公称値はリード2,000MB/s、ライト1,000MB/sですが、2336,09MB/s、1442.02MB/sといずれも公称値以上の数値が出ています。

1/8/64GiBで計測しましたが、結果はまとめてグラフにしておきます。

 

 

ランダム性能に関してですが、最大リード100K IOPS、ライト299K IOPSとコントローラーのPhison PS5013-E13Tの優秀さを証明するような数字が出ています。

シーケンシャルリード/ライトの値はパッとしませんが、ランダム性能は高いと判断してよいと思います。

同じコントローラーを搭載するARKAINE SSDと比較するとリードはこちらが遅いですが、ライトはこちらがかなり速いです。

ライトは命令数が多くなりますから、バランスとしてはMT34の方が良いと私は感じました。

 

 

 

 

ATTO ベンチマーク

ATTOベンチマークはブロックサイズ別の速度を測るベンチマークです。

QD1

 

QD4

 

 

 

AS SSD ベンチマーク

SSDの性能を測定する専用のベンチマークであるAS SSDベンチマークで性能を測定してみた。

 

 

空き容量が少なくなってきたら、どのように速度が変化するか?

さて、今回もこの意地悪なテストを行ってみた。

最初に2.5インチSSDから174GBのファイルをコピーします。

1.5GB/sから2.2GB/sと若干振れ幅が大きかったが、特に極端に速度が落ちることなくコピーが完了した。

 

残り64GBのところで32GBのファイルを(C:)のSSDからコピー

一度速度が大きく落ちたが、後は1.8Gb/s前後でコピーが完了した。

100GBを超えるような大きなファイルの置場に使っても特に困ることは無いだろう。

 

温度の変化

Crystal Disk Mark 8をテストデータ8GiB、9回設定で「All」実行。

終了後10秒前後まで

最初が34℃、途中から39℃に上がり、最終的に42℃で終了した。

発熱はそれほど大きくないSSDと考えてよいだろう。

 

総評

性能があまり高いSSDではないが、MicronのフラッシュセルとPhison PS5013-E13Tコントローラーの高いランダム性能と大きなファイルをコピーしても速度が落ちにくい使い勝手があり、非常に使いやすいSSDだと思います。

ただし、ベンチマークで数字を取ると平均より少し下程度の平凡すぎる性能ゆえ、ベンチマークだけで判断する人にはその真価は分からないと思います。

一つだけ非常に残念な点は512GB/1TBモデルの価格がかなり割高なところです。

この辺もこのSSDの評価を非常に難しくしていると思います。

信頼性が欲しいならば、PS5013-E13T+Micronのフラッシュセルは非常に魅力的に映るでしょう。

ただ、信頼性が欲しいならもっと有名メーカーの製品もあるわけで、非常に難しい立ち位置のSSDだと思います。

他社製品のとの比較記事はこちらです。

 

今回検証した製品

created by Rinker
MMOMENT
¥3,199 (2023/07/14 06:56:59時点 Amazon調べ-詳細)

 

512GBモデル

created by Rinker
MMOMENT
¥6,399 (2024/04/25 23:36:11時点 Amazon調べ-詳細)

1TBモデル

created by Rinker
MMOMENT
¥9,899 (2024/04/26 13:33:50時点 Amazon調べ-詳細)

 

 

おまけ

phison_nvme_flash_id2.exeのログ

※ 途中で停止し、異常終了したため、再起動をかけました。途中までの出力となります。

Phison NVME & SATA SSD flash id (dll) v0.382a by Ochkin Vadim
OS: 10.0 build 22621
0: (PCIe SSD
1: (AGI256G16AI198
2: USB SanDisk 3.2Gen1
Please select drive number:0
Drive : 0(NVME)
Driver : W10(0:3)
Model : PCIe SSD
Fw : EDFM80.1
HMB : 1640 - 279344 KB
Size : 244198 MB [256.1 GB]
LBA Size: 512
Firmware lock supported [02 01] [P001] [0102]
Drive unlocked [02 03]
F/W : EDFM80.1
P/N : 511-230105273
Bank00: 0x2c,0xc4,0x18,0x32,0xa2,0x0,0x0,0x0 - Micron 96L(B27A) TLC 512Gb/CE 512Gb/die
Bank01: 0x2c,0xc4,0x18,0x32,0xa2,0x0,0x0,0x0 - Micron 96L(B27A) TLC 512Gb/CE 512Gb/die
Bank10: 0x2c,0xc4,0x18,0x32,0xa2,0x0,0x0,0x0 - Micron 96L(B27A) TLC 512Gb/CE 512Gb/die
Bank11: 0x2c,0xc4,0x18,0x32,0xa2,0x0,0x0,0x0 - Micron 96L(B27A) TLC 512Gb/CE 512Gb/die

-PCパーツレビュー, SSD検証, SSD・HDD

Copyright© 自作ユーザーが解説するゲーミングPCガイド , 2024 All Rights Reserved.