実機レビュー

NEXTGEAR i680PA1-SPレビュー

更新日:

今回マウスコンピューターから「NEXTGEAR i680PA1-SP」をお借りすることが出来ましたので、見ていきたいと思います。

情報に関しては2018年9月20日現在のものです。

マイナーチェンジや仕様変更によって内容が変化する場合がありますのでその旨ご了承ください。

まず、小手調べにスペックです。

今回はベースモデルからCore i7-8700K、DDR4-2666 8GBX2=16GB、NVMe SSD512GBを追加してSSD+HDD構成にしていただきました。

ゲーミング性能としてはCore i7 8700と8700Kの間にはほとんど差はありませんが、GTX1080Tiと組み合わせるならば、やはりCPUやストレージの性能もそれに合わせておきたいところです。

変更したメモリが非常に高速だったので、DDR4-2666に変更するのはお勧めです。

 

 

各構成パーツ

ケース

正面

側面1

側面2

バックパネルはMicroATXのケースと同様にHDMIのケーブルを引き出して上部前方のHDMI端子に引き回すことが出来るようになっています。

しかし、こちらの方はハウジングが無く、そのままケーブルが飛び出ていますので、唐突感があります。

この辺はMicroATXの方が見た目が良いです。

ミドルタワーのPCはMicroATXのミニタワーと比較すると高級機種が多くなります。

デザイン的にちょっと残念ですので、是非とも改良してほしいところです。

 

拡大するとこのようにいきなりHDMIケーブルが飛び出ているような感じです。

バックパネルのHDMIは天板のコネクタ類が集まっているところに引き回されています。

カバーも何もないので定期的に清掃する必要があるでしょう。

内部

マウスコンピューターオリジナルのケース。

なお、ケースのギミックに関しては、別にページを用意して解説する予定ですので、そちらも見ていただけると幸いです。

GPUは見てわかる通り、Founder's Editionに近いシングルファンのモデルを採用しています。メーカーはマザーボードと同じく、MSIです。

かなり巨大な図体で、GPU単体の絶対的な冷却能力としてはそれほど高くないように思いますが、内部の広い空きスペースを利用して総合的な能力で冷却しています。

自作では欲が出てこういう割り切ったレイアウトにするのはかなり難しいので、空きスペースが空いていることと総合的な冷却能力の相関関係を理解するためにも是非一度は見てほしいです。

 

内部の配線はやはり裏配線を使っており、非常にすっきりしています。

裏配線がなされていることとタワーがミドルケースなこともあって、内部スペースはかなり空きがあります。

右上にHDDのマウンタがありますが、設置可能ストレージはSSD+HDDそれぞれ一台のみ。

MicroATXケースとは違って、HDDのマウンタにはカバーが付いており、外すときはカバーを外して引き出すという感じになっています。

サイドの前方にはファンが二つ増設できる余地が残っており、サイズから言ってデュアルラジエーターの水冷ユニットが使えると思います。

規格品ですので、120mmファンか140mmファンが2つつけられればまず使えると思いますが、水冷ユニットの現物は持ってませんので、確認はしておりません。

エアフローはサイドの吸気口から取り入れてパックパネル側の12cmFANで排気ということになるようです。

標準の場合、バックパネルに一つの12cmファンが付いているので負圧のケースということになります。

電源の設置スペースはMicroATXケースと同じく分割タイプですが、流行りの下ではなく上に設置するタイプです。

全体のバランスとして上に荷重が偏っているため、持った感じ、転倒しやすいのでこの点だけは注意です。

追加のHDDをオプションで付けるとHDDマウンタが追加されるのかもしれませんが、今回私に送っていただいた構成だと内部はかなりスペースが空いており、ちょっと寂しい感じです。

 

マザーボード

HardWare Monitorで確認するとマザーボードのManifuctureは「MOUSE Conputer Co. Ltd.」となっています。

やはりマザーボードのシグネチャーはベンダーネームに変更してありました。

マザーボードそのものは「MSI」でしたが、どうもリテールで出しているものとは全く違う地味なマザーボードで、同じものは無いようです。

最近のリテール向けマザーはガラスで内部が見えるケースが流行しているため見せるために作ってあるのでかなり自己主張の強いデザインになっており、その分価格にも転嫁されています。

マザーボードのレイアウトなどから一番近いのは「Z370 Gaming Plus」でした。

「Z370 Gaming Plus」はプラスチックに一部赤い成形品が使われており、プリントも赤字でかなり派手ですが、こちらの方は普通の色です。

各パーツの配置はほぼ同じなのですが、VRMなどにヒートシンクが無かったり、コンデンサの配置や数などが微妙に違っていました。

OCしないことを前提にリテール品よりも電源周りをかなり簡素にしているようです。

また、リテール版ではPCI Express 16の一番目のスロットは近年のGPUの大型化・重量化を見越してスロットの変形、マザーの破損を防ぐ手ためにメタルになっていますが、こちらは普通によく見られる黒のプラスチック製でした。

OEM向けのかなりコストダウンされたモデルのようです。

MSIも昔から定評のあるメーカーですが、最近はASUSやAsrockなどと比較するとマザーボードに関してはあまり多くの種類を出さなくなったメーカーです。

ネット上の情報を見てみるとマウスコンピューターのPCはこのMSIかAsrockが多いような気がします。

※ マザーボードに関しては、出荷時期によって変更になる可能性があるようですので、購入時期によっては別のメーカーになる可能性があります。

 

電源

電源はFSP 700A-SAB1でした。

私は聞いたことのないメーカーだったのですが、調べてみると医療用機器の電源なども出しているメーカーで、OEMも受けているようです。

自作では特に積極的に選択するメーカーではないと思います。

製品ラインが豊富なので日本にもそれなりに製品が出回っているようですが、日本での知名度としてはイマイチのメーカーです。

台湾のメーカーで、日本にもオフィスがあります。

グレードは80PLUS Bronzeということで、同スペック、同型番の電源はリテールでは出回っていませんでした。

ただし、スペック的には全く問題はありません。

GTX1080Tiの必要最小電力は600Wとされており、100Wのマージンがあるため、余裕と言っても差し支えないです。

とくに+12Vは672W、56Aなのでまず問題は発生しないと言ってもよいと思います。

流通している製品の価格帯やスペックなどから判断すると以前にレビューしたim610SA1に搭載されていた電源のメーカーHECよりもやや高級よりの製品を出していて、医療用機器の電源も出していることから日本で言えばニプロンに近いメーカーなのかもしれません。

※ こちらも購入時期によって変更になる可能性があります。

 

メモリ

サムスン M378A1K43CB2-CTD DDR4-2666 CL11 X2です。

OCメモリではありませんが、CL11は定格品の中ではかなり速いメモリです。

サムスンのメモリは日本ではあまり出回っていませんが、一流メーカーと言っても差し支えないでしょう。

※ こちらも購入時期によって変更になる可能性があります。

 

ストレージ

NVMe SSD 512MB(=476GiB)

SSDは韓国サムスンPM981 MZVLB512HLJQ-0000です。

同型番のモデルはリテールでは出回ってません。

リテール版は970 EVOが有名ですが、こちらはバルク品として出回っていました。

Phoenix製のコントローラーを搭載しており、スペック上の速度は970EVOよりは若干下とされています。

好みが分かれるメーカーですが、サムスンはリテールでは高性能SSDとして有名です。

このPM981はサムスンのNVMe SSDの中でも廉価版という位置づけのようです。

後述しますが、廉価版とは言っても性能は折り紙付き、非常に高速なSSDです。

※ こちらも購入時期によって変更になる可能性があります。

 

HDD2TB

HDDはSeagate ST2000DM006-2DM164です。

SATA3、7200rpm、キャッシュ64MBのHDDです。

現在のHDDの主流2大メーカーのうちの一つです。

HDDはWestern DigitalではなくSeagateの方を積極的に採用しているようですね。

これも耐久性に問題があると言われているSMRではありませんので安心してください。

※ こちらも購入時期によって変更になる可能性があります。

 

全体的に見て

パーツの構成は定格品の中ではかなり高性能よりの部品で構成されています。

i680PA1-SPは最高級機種と言ってもよいカテゴリに属するゲーミングPCですので、パーツのクオリティが問題になって速度が低下するということは無い構成です。

マザーボードなど表に出てこないところは徹底してコストを削減し、性能が体感できるパーツには高性能なものを使うという実に堅実なパーツ構成になっています。

自作ではこのクラスのハイエンドPCになるとOCを前提とした2-4万円程度のハイエンドマザーボードと組み合わせるのが普通ですので、同じ位の値段に収めるのはかなり難しいでしょう。

詳細はベンチマークの結果を見ていただくとしてGTX1080Tiを搭載しているだけあって非常に快適なゲーミング性能を誇ります。

この快適さを一度は体験していただきたいところです。

 

 

ベンチマーク

ゲーミングベンチマーク

3DMark

3DMark

Time Spy

テスト名TimeSpyExtremeTimeSpy
Direct X1212
解像度3840X21602560X1440
Total4,2849,134
Grahpic4,4969,590
CPU3,3827,199

 

 

Fire Strike

テスト名FireStrikeUltraFireStrikeExtremeFireStrike
Direct X111111
解像度3840X21602560X14401920X1080
Total6,81212,71622,179
Graphic6,80113,75828,494
Physics17,86817,80417,834
Combine3,5576,3699,658

※ 3DMarkの各テストに関する説明についてはこちら

その他のテスト結果については「実機によるベンチマークテストの結果について」にて公開しております。

 

統合ベンチマーク

PCMark10

PCMark10

Extended

テスト項目スコア
Extended8,512
Essential10,163
( - Video Conferencing)8,197
Productivity8,281
Digital Centent Creation8,892
( - Video Editing)5,664
Gaming18,960

()カッコ内は直上の子カテゴリーになります。

特にGamingが異次元の結果になっています。

※ PCMark10の各テストに関する説明についてはこちら

各項目の個別のテスト結果については「実機によるベンチマークテストの結果について」にて公開しております。

 

単機能ベンチマーク

CineBench

ネットに上げられている値より全般的に良くないです。

このクラスになるとCPUのOCやOCメモリの性能込の結果になっている可能性も少なくないですので、定格だとこのくらいになるんでしょうか。

 

CrystalDiskMark

サムスン PM981 MZVLB512HLJQ-0000

PM981はリテールの970EVOとは速度で若干劣るとされていますが、970EVOのカタログスペックと比較すると読み込み速度はこちらのほうが高速で、書き込み速度はこちらの方が遅いです。

速度としてはNVMe SSDの中でもかなり高速なほうです。

特にシーケンシャルリードの3,485.2MB/sは異次元レベルで人智を超えた性能と言ってもよいです。

この速度もあって、OSの起動は爆速です。

マウスコンピューターのBTOオプションの中でも最速のSSDでしょう。

SSD全体として見ても現時点でほぼ最高性能で、不満を感じることはないと断言してもよいでしょう。

予算に余裕がある人はこのオプションを選んで是非ともこの速度を体感してほしいところです。

 

Seagate ST1000DM010-2EP102

7200rpmだけあってHDDにしては速い方だと思います。

特に速度が求められるようなデバイスではないため、問題ないでしょう。

こちらはごくごく普通の結果です。

 

 

個別タイトルベンチマーク

FF15(DirectX11)・・・重い

高品質評価標準品質評価
1920X1080 フルスクリーン10,538とても快適13,841非常に快適
3840X2160 フルスクリーン4,586やや快適5,354やや快適

約1年前のゲームにも関わらず、非常に重たいベンチマークです。

GTX1080Tiの性能を持ってしても4Kでは「非常に快適」を出せない、このベンチマークが出た当時に話題になった通りの結果になっています。

4Kでの快適プレイは次世代GPUまでお預けといったところでしょうか。

 

 

FF14紅蓮のリベレーター(DirectX11)・・・普通

標準(デスクトップ)評価最高品質評価
1920X1080 フルスクリーン22,134非常に快適19,141非常に快適
3840X2160 フルスクリーン17,224非常に快適8,909非常に快適

4Kの最高品質でのみスコア10,000を切っていますが、他は全て17,000以上という物凄いスコアが出ています。

4Kで快適にゲームをしたいならやはりGTX1080Ti以上のGPUを選びたいところです。

 

PSO2オンライン(DirectX9)・・・軽い

PSO2 ロゴ

設定6(最高品質)
1920X1080 フルスクリーン97,586
3840X2160 フルスクリーン33,300

旧世代のMOであるPSO2です。

FullHDの設定6で10万弱、4Kで3万台と人智を超えるスコアが出ています。

DirectX9とは言え、相変わらず4Kは重いですが、このスコアならリアルタイムの動画配信にも耐えられそうなスコアです。

流石はCore i7 8700K+GTX1080Tiです。

4Kは旧作のゲームなら、余裕で快適動作します。

PSO2の現役プレイヤーにも4Kの美麗画面でこの気持ちのよさは是非味わっていただきたいです。

 

 

 

 

ストレステスト

3DMarkのTme Spy Extreme Stresss Testを30分実行後の温度を測ってみました。

通常時

通常時は非常に温度が低く、CPU、GPU共に30度台に抑えられている。

現代のCPU/GPUの省電力機構が如何に優れているかを伺い知ることの出来る結果です。

私はどちらかと言えばAMD寄りですが、この省電力性能はintelの方が全般的に優れているというのは言えると思います。

一番左側が測定時の温度を表します。

 

負荷時

Tme Spy Extreme Stresss Test30分実行後の温度

TimeSpyのストレステストは3DMarkでも一番重いExtremeで実行しても一週目はかなり負荷がかかりますが、二週目以降はそれほど負荷をかけることが出来ませんでした。

流石はGTX1080Tiといったところです。

しかし、温度はCPUが66度前後、GPUが84度まで上がりました。

見ての通り実行するうちに57度まで下がります。

 

 

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