AMDのサーバー向けのCPUであるEPYCの7nm版"Rome"と見られるCineBenchR15の結果がリークしました。
マルチコアのスコアで、そのスコアはなんと12,587です。
このEPYCは恐らくマザーボードメーカーなどに配られたサンプルと目されていますが、64コアだそうです。
64コアでスレッド数までは分かりませんが、おそらく128スレッドなのではないかと思います。
※ 参考 その他CPUのCinebenchR15スコア
CPU名 | コア数(C)スレッド数(T) | 動作クロック (GHz) 通常/ ターボ | CinebenchR15 マルチスレッドスコア |
Rome | 64C?T | ?/? | 12,587 |
Ryzen ThreadRipper 2990WX | 32C64T | 3.0/4.2 | 5,089 |
Xeon Platinum8180M | 28C56T | 2.5/3.8 | 4,355 |
EPYC 7601 | 32C64T | 2.2/3.2 | 4,068 |
Core i9-7980XE | 18C36T | 2.6/4.2 | 3,455 |
Ryzen7 2700X | 8C16T | 3.7/4.5 | 1,817 |
Core i7-8086K | 6C12T | 4.0/5.0 | 1,448 |
参考までに現行CPUのスコアと比較すると上の表のようになっています。
今回流出したRomeと言われている64コアCPUのスコアが如何に凄いがよくわかる結果なのではないでしょうか。
その数値は現在最高スコアをマークしている 32コア64スレッドのHEDT向けCPU、Ryzen ThreadRipper 2990WXの2倍以上というのですから恐れ入ります。
スレッド数までは不明とされていますが、結果を見ると多分マルチスレッドがオンになっている(128スレッド)と思われます。
一応まだ噂の段階ですので、はっきりしたことは言えません。
また、フェイクである可能性もあると考えてください。
計算でマルチコア性能とシングルスレッド性能との関連性が出せないかやってみましたが無理でした。
現在のCPUはターボがあり、シングルコアの負荷が高い時と全コアの負荷が高い時でそれぞれ最高クロックが違いますので、当然と言えば当然なのですが、残念です。
他のCPUの結果から無理やり概算すると、シングルスレッド性能は恐らく180-225くらいまでの間になると思います。
サーバー向けのCPUというのはHEDT向けCPUと比較すればわかると思いますが、無理にシングルスレッド性能をあげようとはしないのが普通ですので、多分クロックはかなり抑えめになっていると思います。
それでもこの結果ですから、この結果が正しいとすると、コアにもかなり手が入り、IPC(クロック当たりの処理性能)が上がっている可能性が高いと思われます。
この結果から見るデスクトップ向けRyzen 3000シリーズの性能予測
この結果を見ると、Ryzen7 3700X(16C32Tと仮定)は恐らく、Core i9-7890XEのちょっと下くらい、3200前後のスコアになるんじゃないかと思います。
この数値は私の希望的観測が多分に入っているドリームなスコアであることはお断りしておきます。
ここまでくるとintelが如何に頑張っても現在の延長線上では追い付けないスコアになります。
ただし、2019年にはintelも10nmのIceLakeを投入してくると思いますので、そこでデスクトッププラットフォームに16コア32スレッドがもたらされればどうなるかわかりません。
Zen2はIPCも上がると目されますので、余程シングルスレッド性能が上がらない限りは12コア24スレッドどまりでは追いつけない可能性が高いです。
ThreadRipperに64コア128スレッドはもたらされるのか?
これはノーと言っておきます。
なぜなら、巨大な図体に比較してメリットがあまりに少ないということと、ここまでくるとメモリのチャンネル数を増やさないと性能が出ない可能性が高いからです。
デスクトップ向けとしてはあまりに過剰な性能と言わざるを得ないです。
8chもしくは16chということになるとATXのボード面積に収まらない可能性も出てきます。
流石にそこまで恐竜的な進化をするのは無理が過ぎると思います。
またSocket TR4はECCメモリが使えるプラットフォームですので、サーバー向けと食い合う可能性も出てきます。
そんなことをするよりは現行の32コア64スレッドのIPCとクロックを向上させ、シングルスレッド性能を上げる方に力を注いだ方がデスクトップ向けCPUとして理にかなっています。
しかし、最近のintel、AMDの傾向として競争のためにデスクトップ向けのCPUとしては多少バランスを欠いている製品を投入してくる傾向がありますので、どうなるか迄の断言はできません。
Zen2のゲーミング性能
Ryzenは残念ながらその構造上、ゲーム向けとしてはあまり向いてないCPUです。
しかし、Zen2コアはシングルスレッド性能も相当な向上をするものと思われます。
よって、これまで土をつけられてきた現世代まではintelのデスクトップ向けCPUには勝ってしまう可能性もあります。
LoLなど相変わらず特定のゲームで性能が出ない可能性もありますが、第二世代までのRyzenと比較しても格段にゲーミング性能が上がる可能性は非常に高いと言えるでしょう。
intelは強力なブランドイメージを持っていますが、Core i9-9900Kにベンチマークで1.5倍程度の差をつけることが出来れば逆転可能な範囲だと思います。
いずれにせよ発表されているZenコアの進化の中で一番大きいと目されているのが第二世代Ryzen(Zen+)から第三世代Ryzen(Zen2)ですので、Ryzenの本命はこのZen2でしょう。
Core i9-9900Kの性能を抜き去るのはほぼ確実ですが、シングルスレッド性能で抜くことが出来るのかとマルチスレッド性能でどこまで差を広げることが出来るのかでその価値が決まってくると思います。
サーバー向けのZen2であるRomeのベンチマークがリーク(噂)したことによっていよいよZen2の予兆が姿を現してきました。
今は分厚いベールの下に隠されていますが、おそらく、そう遠くない時期に我々の前に姿を現してくれるでしょう。
今回の記事はほとんど私が書いたもので翻訳部分はありませんが、一部のデータなどはソース元を参照していますので、念のためにソースも張っておきます。