チップメーカーは、より優れたAIデータセンター製品の設計を支援するために49億ドルを支払う。
AMDは、人工知能(AI)およびクラウドコンピューティング・データセンター向け機器の設計・製造を行うZT Systemsを買収するため、49億ドルを支払うことで合意した。
この買収はAMDにとって最大規模のもので、AIにおけるNvidiaの支配的地位を低下させるというチップメーカーの計画に沿ったものだ。
ZT Systemsは1994年にニュージャージー州で設立された。
サーバーやサーバーラックなど、データセンター向けの重要なインフラを設計・製造している。
ZTシステムズは、ハイパースケール・プロバイダー向けにAIと汎用コンピュート・インフラを提供する大手プロバイダーのひとつだ。
AMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)によると、ZT Systemsの年間売上高は100億ドルを超える。
これは2023年のAMDの売上高227億ドルのほぼ半分にあたる。
スーCEOは、この買収が「(AMDが)AIハードウェアとソフトウェアのロードマップを加速させるために行ってきた投資」を改善すると考えている。
取引完了後、ZT Systemsのフランク・チャンCEOはAMDのデータセンター・ソリューション事業グループに加わる。
ZTのダグ・ホアン社長は設計とカスタマーイネーブルメントチームの責任者となる。
両者とも、AMDのエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャーのフォレスト・ノリス(Forrest Norris)氏の直属となる。
しかし、AMDはZT Systemsの製造部門を維持するつもりはない。計画では、製造能力を「戦略的パートナー」に売却し、ZT Systemsを使ってAMDのAIトレーニングクラスターやデータセンターのカスタム設計能力を推進する。
スーは、ZTシステムズがAMDに提供できる主な価値はそこにあると考えている。
スー氏は今回の買収を、「クラウドや企業の顧客に対して、迅速に大規模展開できるリーダーシップ・トレーニングと推論ソリューションを提供するという、当社の長期的なAI戦略における次の大きなステップ」と呼んでいる。
今回の買収は、AMDがAI能力を強化するために行った一連の投資の最新版である。
同社は有機的な研究開発活動を強化し、AIエコシステムの拡大とAIソフトウェア能力の向上のために10億ドル以上を投資してきた。
解説:
AMDがデータセンター向けの機器の設計・製造を行うZT Systemsを買収する
買収額は49億ドル(7105億円)です。
こういう話を聞くと、ゲーム用GPU部門にもリターンはあるのかなと考えてしまいます。
儲かるところに投資するのは当たり前なのですが、ゲーム用のGPUの大半のチップをキャンセルしてひたすらAIサーバーに投資するのは見ていて残念な気持ちになります。
個人的にはRDNA4でどのくらいAI性能が高くなるのか興味があります。
今のRadeonはAIにおいて完全にNVIDIAの後追いになっています。
Adaで進化した部分をどのくらい取り込んでいるのかはちょっと気になりますね。
今のところのRDNA3+ROCmはCUDAのすべての機能を実装しているわけではないこともあって、使えない機能や性能が及んでいない部分があります。
こちらを縮めていくのは新しいモデルと新しいソフトウェアに期待される役割でしょう。
AMDは製品のサポート期間が他社と比較すると短いので、どんどん新しいハードに乗り換え、新しいバージョンのソフトウェアで追いかけ続けるしかありません。
RDNA4でどんな変化を見せてくれるのは非常に楽しみでもありますし、Navi41/42が日の目を見なかったのは残念に思います。
AMDのGPU Radeonシリーズ
Radeon 7000シリーズ
Radeon RX 6000シリーズ
※ SAPPHIREはAMD Radeon専業のメーカーであり、Radeonのリファレンス的なメーカーです。