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AMD、謎のAI GPU「MI388X」を公式文書に掲載 米国の制裁措置で中国販売禁止と発表

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またしても不思議な製品だ。

AMDはSECに提出した10Kファイルに、未発表のAIチップ「MI388X」を掲載し、米国の制裁措置により中国の顧客には販売できないと指摘した。

AMDやインテルのような企業は、ほとんどあらゆるニーズに対応できる製品を数多く持っており、両社とも、いわゆる「オフロードマップ」と呼ばれる、ウェブサイトにはオープンに掲載されていない製品をしばしば持っている。

しかし、これらの企業が法律により、別の場所で公開することを余儀なくされることもあり、この未発表のAMD Instinct MI300シリーズ製品がそうであることは明らかだ。

公式にリストアップされているMI300シリーズ製品は、CPUとGPUコアの配分が異なる複数のコンフィギュレーションで構成されている。

AMDは未発表のInstinct MI388X製品を、Instinct MI250、MI300X、MI300Aチップとともに規制当局への10K申請書に記載し、AIプロセッサーに対する米国の制裁措置のため、いずれのチップも中国には出荷できないと指摘した:

「2023年10月、BIS(米国政府産業安全保障局)は、ECCN 3A090または4A090に分類される製品を、中国を含むカントリー・グループD1、D4、D5のいずれかに本社を置く、または最終的な親会社を持つ当事者に輸出する場合に適用される、特定の高度なコンピューティング品目に関する新たな要件を発表しました。

「これらの規制により、当社はAMD Instinct MI250、MI300X、MI300A、MI388X集積回路およびVersal VC2802、VE2802 FPGAを中国に、または最終親会社がD5諸国(中国を含む)に本社を置く米国外の顧客に、ライセンスなしで出荷することができません。

今のところ、Instinct MI388Xについてはっきりしているのは、これが確かにAIおよびHPC向けのプロセッサーであるということだけだ(Xのマークがついているように)。

我々はセミカスタム製品を扱っている可能性が高いが、このプロセッサがより高性能、低消費電力に調整されているのか、あるいは単に特定の顧客向けにカスタム機能を備えているのかは不明である。

このデバイスはSECに登録されているため、理論的には複数の顧客に提供することが可能である。

AMDの申請書は2024年1月31日に提出されたため、3月上旬にリークで発覚した中国向け製品Instinct MI309は記載されていない。

また、Instinct MI309がAPUなのかGPUなのか、あるいはMI309A APUとMI309X GPUアクセラレーターを含む製品シリーズなのかも不明だ。

Instinct MI309もまた、中国に出荷するには性能が高すぎるため、米国政府の輸出規則を満たしておらず、原型のまま廃棄された可能性がある。

そしてまた、AMDはさらに中途半端な性能にして、輸出許可なく中国法人に出荷できるかどうかを米国政府に問い合わせる可能性もある。

ソース:Tom's Hardware - AMD lists mystery MI388X AI GPU in official docs, says it's barred from China sales due to US sanctions

 

 

 

 

解説:

大好評のAMD Instinct MI300シリーズだが・・・

nVIDIAと同様に中国に対する輸出でアメリカ政府から待ったをかけられてしまっているようです。

わたくしは規制ギリギリの製品を出すと待ったをかけてくるアメリカ政府もどうかと思いますが、根本的に国家の安全保障より利益を優先しようとするメーカー側にも問題はあると思います。

中国の政府はIntelやAMDの製品を「安全保障上の懸念あり」として調達から外すことを決定しましたが、国家の安全保障とはそういうものだと思います。

実際にWindowsはアメリカ政府に対するスパイ機能があるといわれており、中国政府が外交において、かなり情報を抜かれているという話が上がっていましたし、これは単純な陰謀論ではないと思います。

ですから、中国政府のこの決定は理解できますし、同様にIntelやAMDといったアメリカのメーカーも国家の安全保障には配慮すべきと思います。

もし、こうした商売がしたければRISC-Vを完全に懸念のないほど情報を公開して作るくらいしかないのではないかと思います。

もちろん、特にアメリカ政府から多額の補助金を受けているIntelのような国策企業に対してアメリカ政府がそれを許すとは思えません。

Mi300のモンキーモデルを中国に売りたいという行動は理解できますが、最近のアメリカ政府は規制ギリギリくらいだと待ったをかけてくるので、やはり、慎重に伺いを立てるくらいしか対策はないのでしょう。

商売としては今、AI/MLアクセラレーターを求める企業が長蛇の列を作っていますので中に売らなくても問題はないのでしょう。

しかし、市場を開拓して長期間の売り上げにつなげたいということなのでしょうね。

 

AMDさんにはMI300が利益になると理解できたならば、一般向けのAI/MLアクセラレーターにも目を向けて欲しいですね(苦笑。

 

 

 

 

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