中国の掲示板にZen2に関する噂が書き込みされたようです。
ソース:www.chiphell.com - [CPU] Zen2核心数量实锤:AM4(Max16核)TR4(Max32核)SP3(Max64核)
※ 余談ながら、ひと昔前はこうしたうわさは真っ先に日本に飛び込んできていましたが、今は中国に真っ先に飛び込んでくるあたり時代を感じます。
これによると、7nmで製造されるZen2はIPC(クロック当たりの性能)がZen+と比較して10-15%向上するとされています。
また、CCXは8コア1単位となるようで、
SocketAM4の最大コア数 16コア
SocketTR4の最大コア数 32コア
SocketSP3の最大コア数 64コア
となるようです。
この話が本当なら、intelが他社に対してやっているようなことを来年は他社からやられることになります。
※CCXというのはCore Computexの略で、Ryzenの内部構造はコアをブロック化してinfinity fabricというバスで相互接続してクラスタ化してマルチコア化をしやすくしているわけですが、このブロックが現状4コア1単位となっているのを8コア1単位にするということのようです。
参考記事:impress PC Watch - 後藤弘茂のWeekly海外ニュース AMD「Ryzen 7」の半導体チップの姿
Zen(Ryzen1000シリーズ)からZen+(Ryzen2000シリーズ)へはキャッシュの改良とクロックの向上によって1割ほどシングルスレッド性能が改善されたわけですが、この話が本当ならば、最低でも10-15%はシングルスレッド性能が改善されることになります。
16コアとコア数も倍増されるわけですが、ちょっと想像がつかないですが、16コアになってもクロック上昇が可能になった場合、シングルスレッド性能で3割くらいは上がることになるんじゃないでしょうか。
そうなった場合、これは「体感できるレベル」で速度が向上することになります。
現時点で発売されているモデルのシングルスレッド性能(Passmark)
参考記事:CPUの性能
Ryzen1800X=1,964
Ryzen2700X=2,226
Core i7 8086K=2,906
です。
仮に計算すると、クロックの向上が無かった場合、Zen2のシングルスレッド性能は2,449-2,560、クロックの向上があった場合2,893前後になります。
クロックの向上があった場合、下手をするとCore i7 8086Kのシングルスレッド性能すらも超えてしまう可能性がありますね。
マルチスレッド性能に関しては現在のRyzen Thread Ripper1950Xと同程度まで上がる可能性があります。
但し、メモリの性能はそこまでリニアに上がらないわけで、CCXというメモリ性能が重大な影響を及ぼす方式をとっている以上、どこかがボトルネックになる可能性は大きいんじゃないかと思います。
「Ryzen Thread Ripper1950Xと同程度」と書きましたが、メモリはSocketTR4は4チャンネル、SocketAM4は2チャンネルですので、ここでRyzen Thread Ripper1950Xより優れたシングルスレッド性能だったとしてもマルチスレッド性能はメモリが足を引っ張って差がつけられない可能性があります。
また、一気に16コア32スレッドということになるとゲームを含めたアプリケーション側の最適化が進まないと厳しいでしょう。
SocketAM4にもメモリ4チャンネルがもたらされる可能性
これらのことを踏まえて考えてみると、互換性を維持しつつSocketAM4のX570(?)の最大の新機能はメモリ4チャンネルがもたらされる可能性もありますね。
もともとDIMMは4スロットついてるわけですし、現状と規格を変更せずに高性能化するには一番現実的な解だと思います。
従来のチップセットも使えるが、性能を引き出すには最新のチップセットが必要という感じです。
現状でもZen+のメモリはDDR4-3000が最適とされていますが、さすがに現在の最高クラスメモリであるDDR4-4800が最適とするには現実味がなさすぎます。
この場合、Mini-ITXでは不可能になるかもしれません。
SODIMMでクアッドチャンネルが出来るのかどうかわかりませんが、もし可能な場合はMini-ITXではSODIMMになるかもしれませんね。
あくまでもこの辺は私の予想にすぎませんので話半分以下の1/4くらいで聞いていてください。
まあ、まだ噂の段階ですのでどうなるのかは分かりませんが、ハイパフォーマンスPCを出しているBTOメーカーはRyzenのラインナップを拡充しないと来年は厳しくなるかもしれません。
32コア64スレッドもそうですが、SocketAM4の16コア32スレッドも現状のintelの14nm++ではどう逆立ちしてもあと8コアを増やすのは難しいでしょう。
※ もっともCoffee Lake-Sの8コアはまだ出ていませんが・・・
intelは2019年後半にならないと10nmでの製造は難しいと言われているだけにしばらくはAMDの快進撃が続きそうです。
ただし、intelが製造トラブルに見舞われているのはあくまでも大量生産に向いた安い素材を使うことにこだわっているかららしいので、7nmの量産に成功したTSMCがあまり業績が良くなかったことと比較すると、10nmで安価に製造が成功した場合、やはり業績ではintelがトップを走る可能性もあります。
というか、そうなるでしょう。
90nmの時も「SOIはコストが高くなる」という理由で頑なに採用しなかったわけですが、この辺はいかにもintelっぽいなと思います。
逆に言えば最大の利益を追及するのがintelという企業ですので、この辺が理解できる方は積極的にRyzenを使って欲しいと思います。
私ら一般人が使わなくても多分intelは潰れないでしょう。