AMD「ぶっ潰す」
intel「受けて立つ」
既にお伝えした通り、2018年4月19日に第二世代Ryzen 2000シリーズとX470チップセットが発売され、AMDはintelに対して敢然と挑戦状をたたきつけました。
これがAMDの「ぶっ潰す」です。
一方のintelの「受けて立つ」ですが、今度はそれに対してintelは8コアのCoffee LakeとZ390チップセットで対抗するようです。
Z390とX399チップセットの噂というか、ほとんど確定の情報はBiostarのB360チップセットを搭載したマザーボード「B360G3S」のマニュアルがすでに「Z390GT3」と一部共通仕様になっており、やはり、8コアのCoffee Lakeに組み合わせることになるのはほぼ確定のようです。
このZ390はLGA1151v2向けであるとされています。
ソース:エルミタージュ秋葉原 - 「いろんな意味で大丈夫?」(4/13)・・・某ショップ店員談
X399(とZ390もですが)の方はintelの公式ドキュメントに記載されているのを海外のユーザーが偶然見つけたようですね。
こちらは、現在は閲覧できない状態になっています。
intelのX系のチップセットは今までに二世代対応しており、X99はHaswell-EとBroadwell-Eに対応していました。
このままX399が出るとX299はSkylake-X一世代にしか対応しないことになってしまいますが、新しいCore-X系のCPUであるCascade Lake-XがX299とX399両方対応するのか、X399だけにしか対応しないかは現時点ではまだはっきりしないようです。
ソース: VideoCarz - Intel confirms Z390 & X399 chipsets
Coffee Lake-S 8コアの方ですが、こちらもintelの公式資料に記載されているのを発見したユーザーがいるようです。
資料の記述によるとCore i7-8700KがCoffee Lake-S 6+2という表記となっており、物理6コア+GT2(GPU)のことを指しているもので、ここにCoffee Lake-S 8+2とありますので、物理8コア+GT2(GPU)である何かが用意されている可能性は非常に高いようです。
こちらも公式資料は現在では閲覧できない状態ですが、ソース元にSSが残っています。
ソース:PC Perspective - Intel Technical Documentation outs 8-Core Coffee Lake-S Processor
このCoffee Lake S 8コアのTDPがどのくらいになるかわかりませんが、95Wに収めるのはなかなか難しそうですので、対応は新規に販売されるZ390チップセットのみなる可能性が高いのかなと思います。
Z390チップセットマザーでは第8世代の下のモデルのCPUが使える可能性は非常に高いと思いますが、Z370/H370その他のチップセットはCoffee Lake S 8コアが使えるかどうかというのはわからないですね。
まあ、オーバークロックに対応して電源周りには余裕があるはずのZ370あたりにはBIOSのアップデートで対応してほしいところですが、もし仮にintelがAMDを引き離すために140Wとか無茶なTDPのCPUを出して来たら流石に難しいかもしれません。
intelの反撃まとめ
・Coffee Lake-S 8コアとZ390チップセットが準備されている可能性が高い。
・X399チップセットが用意されている可能性が高い。X299が一世代で消えるかどうかは不明。
これに対してAMDはさらに
Ryzen 2000シリーズの残りのモデルと第二世代のThreadRipperを投入して対抗(?)するようですね。
AMDの製品マスターリストという200ページ以上ある資料の中に未発表のモデルが掲載されていたようです。
Ryzen Desktop
- Ryzen 3 2100 – 2 cores / 4 threads (YD210BC6M2OFB)
- Ryzen 3 2300X – 4 cores / 8 threads (YD230XBBM4KAF)
- Ryzen 5 2500X – 4 cores / 8 threads(YD250XBBM4KAF)
Ryzen Mobile
- Ryzen 3 2000U – 2 cores /4 threads (YM200UC4T2OFB)
- Ryzen 5 2600U – 4 cores / 8 threads (YM2600C3T4MFB)
- Ryzen 7 2800U – 4 cores / 8 threads (YM2800C3T4MFB)
Ryzen Threadripper
- Threadripper 2900X – 8 cores / 16 threads (YD290XA8U8QAF)
- Threadripper 2920X – 12 cores / 24 threads (YD292XA8UC9AF)
- Threadripper 2950X – 16 cores / 32 threads (YD295XA8UGAAF)
これらのモデルが予定されているようです。
Ryzen 2000で先制したAMDとそれを8コアCoffee Lake-Sで迎え撃つintel、さらに追加でRyzen/Threadripperを発売するAMD。
この夏以降は熱い戦いが繰り広げられそうです。
以前、Ryzen7 2800Xが出るのでは?という噂が出ましたが、Ryzen7 2700XがTDP105Wだったことを考えると個人的には難しいのではないかと思います。
TDPが120Wとか140Wとかになると対応マザーを新しく出さないといけないわけで、発売されたばかりのX470チップセットにさらに高TDP対応製品を出したら混乱を招きます。
この4月に第二世代のRyzenが出てからAMDとintelで真正面からの殴り合いの様相を呈しており、なかなか盛り上がっていきそうです。
これほどムキになって新製品発売の応酬する世界というのはなかなかないんじゃないかと思います。
AMDがFXシリーズを出してintelに引き離されて以来、intelは冒険的なことは全くせずに永らくCore i7で4コア8スレッドを守り続けてきました。
しかし、AMDがRyzenを出すと6コア12スレッドのCoffee Lake-Sを慌てて発売するなど、いろいろな動きが出てきました。
intelは株主のために利益率を重視し、冒険は全くしない超優等生な会社なので、余程のことが無い限りリスクを取りません。
やはり独占というのは全く良い製品を生みません。
競争があってこそ楽しくなるし、盛り上がるし、お金も動くのではないでしょうか。
PCの世界はある意味intelが作り上げた世界ですからintelが一強状態なのは当然で、intelに対抗していくのは並大抵のことではないのですが、時代が移り変わりパソコンがITの中心ではなくなった今、俄然面白い状況になってきました。
昔はAMDが初めてK7(Athlon)プラットフォーム(Slot A)を出したとき、その実力の高さからintelがマザーボードのメーカーに圧力をかけ、名前を出したくない台湾の某大手A社がマザーボードを白い箱に入れて出したことがあったほどなのですが、今はAMDがあるのが当然の状態になりました。
現在では某A社はすっかりブランドになっていますが、私は今でも某A社を見ると白い箱を思いだしてしまい「クスッ」となってしまいます。
この某A社はX470チップセット搭載マザーのMini-ITX版をいの一番に日本市場に向けて発表しました。
こういう状況を見ると、この世界も仁義が無いなあと思います。(笑
こんな風に昔とは全く違う状況ですが、AMDにはぜひ頑張ってPCの世界を盛り上げてほしいです。