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RTX 5050に9GB GDDR7版が登場か RTX 5060にはGB205流用モデルも浮上——GDDR7不足が生んだ苦肉の策

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グラフィックスカードの基板を接写した写真

■事実

GPU供給が深刻な不足状態にある中、NVIDIAがGeForce RTX 5000シリーズのエントリークラスのラインナップを変更しようとしているとの情報が浮上した。

情報源は、NVIDIAのGPUリーク実績が豊富なMEGAsizeGPU(X: @Zed_Wang)で、2025年3月5日に連続してポストされた(https://x.com/Zed__Wang/status/2029240918474408342 / https://x.com/Zed__Wang/status/2029241799429242971)。

なお本情報はVideoCardzがルーマーとして掲載しており、NVIDIAによる公式確認はない。

RTX 5050に9GB GDDR7版が追加される可能性

現行のGeForce RTX 5050(デスクトップ版)は、RTX 5000シリーズの中で唯一GDDR6メモリを採用しており、8GBを128-bitバスで搭載、帯域幅は320GB/sとなっている。

今回の情報によれば、NVIDIAはこのRTX 5050に新たなバリアントを追加しようとしており、3GBのGDDR7モジュールを3枚使った合計9GB構成が予定されているという。

GDDR7は28Gbpsで動作し、96-bitバスでの帯域幅は336GB/sとなる。

現行の8GB/128-bit/GDDR6構成との比較では、VRAMが12.5%増加し、帯域幅は5%向上する。

一方でメモリバス幅は128-bitから96-bitへと縮小されるため、帯域幅の改善幅は限定的だ。

GPU本体の仕様は変わらず、GB207ダイ(CUDAコア2560基)、TDP 130W、8ピン電源コネクタが維持される見込み。

以下の表に現行モデルとの主なスペック差をまとめる。

項目RTX 5050(新9GB版・噂)RTX 5050(現行8GB版)
メモリ容量9GB(+12.5%)8GB
メモリ規格GDDR7 @ 28GbpsGDDR6 @ 20Gbps
メモリバス幅96-bit128-bit
帯域幅336GB/s(+5%)320GB/s
GPUGB207-300GB207-300
CUDAコア2560基(変更なし)2560基
TDP130W(変更なし)130W
想定価格TBD$249

なお、デスクトップ版のRTX 5050がGDDR6を採用した理由についてNVIDIAは以前、「GDDR7は電力効率の観点からノートPC向けに最適であり、デスクトップにはGDDR6が適切」と説明していた。

実際にノートPC版のRTX 5050はGDDR7を採用しており、デスクトップ版だけがRTX 5000シリーズの中で唯一GDDR6を使用するという構成になっていた。

RTX 5060にGB205流用モデルが登場する可能性

同じリーカーはRTX 5060に関する変更情報も公開している。

現行のRTX 5060はGB206ダイを搭載しているが、AIBパートナーへのGB206供給が逼迫していることを受け、NVIDIAは上位モデルのRTX 5070向けに使用されているGB205ダイをカットダウンしてRTX 5060に転用する方向で検討していると伝えられている。

GB205はRTX 5070では6144 CUDAコア・192-bitバスで動作しているが、RTX 5060向けには3840コア・128-bitバス構成に大幅に削減される。

このモデルに対応するためにAIBパートナーは新規PCB設計が必要となり、電源コネクタはRTX 5060の既存ラインナップに合わせた8ピン仕様が採用される見込みだ。

またリーカーは、昨年の噂や初期のエンバーゴ資料に記載されていたRTX 5060 12GB版がキャンセルされたとも述べている。

なおリーカーは、これらの非標準的な構成を持つモデルは主に中国市場など特定地域向けの展開となる可能性が高く、グローバルな大型ローンチは想定されていないと注記している。

深刻化するNVIDIAのGDDR7供給危機が背景に

今回の報告は、NVIDIAが2026年を通じて直面している深刻なGDDR7供給不足と切り離せない文脈にある。

NVIDIAのCFOコレット・クレスは直近の決算説明会で、ゲーミングGPUの供給は少なくとも今後数四半期にわたって「非常に逼迫した状況が続く」と明言した。

複数の業界関係者からの情報によれば、NVIDIAはAIサーバー向けの受注を過剰に引き受けた結果、ゲーミングGPU向けのGDDR7確保が困難な状況に陥っており、RTX 5000シリーズ全体の生産量を最大20%削減したとされる。

こうした中、16GBのGDDR7を搭載するRTX 5060 Ti(16GB版)とRTX 5070 TiはASUSをはじめ複数のAIBでEOL(製造終了)状態となったと報告されており、限られたGDDR7在庫をより利益率の高い製品に集中させる動きが加速している。

供給逼迫の状況を反映し、RTX 5000シリーズの価格は全体的に上昇傾向にある。

また2026年は新たなゲーミングGPUのリリースがない見通しで、当初期待されていたRTX 5000 SUPERシリーズは無期限延期となり、次世代の「Rubin」アーキテクチャベースのRTX 6000シリーズも2027年末以降にずれ込む可能性が高いと報じられている。

こうした状況下で、RTX 5050については皮肉にもGDDR6を使用するデスクトップ版が「GDDR7不足の影響を受けない安定した供給源」として一定の存在感を示している。

■解説

今回のリークは一言で言うと「GDDR7不足に追い詰められたNVIDIAの苦肉の策」ですね。

まずRTX 5050の9GB版について整理すると、3GBモジュールを3枚並べた96-bit構成という、あまり見慣れない仕様です。

「なぜ4枚で128-bit/12GBにしないの?」と思う方も多いと思いますが、そうすると12GB版RTX 5060という別製品と完全に被ってしまい、ラインナップが崩れるうえ、コストも跳ね上がります。

かといって3枚で96-bitにすると帯域幅は確保できるものの、バス幅の縮小というデメリットも生じる——本当に「帯に短し、たすきに長し」な仕様です。

正直、この9GBという中途半端な容量には頭を抱えますが、GDDR7の3GBモジュールを使えばGDDR6より帯域を上げつつ本数を減らせるというNVIDIAの算盤勘定が透けて見えます。

一方のRTX 5060 GB205版は、AIBパートナーにとってかなり迷惑な話です。

RTX 5060の既存設計はGB206前提のPCBになっているので、GB205を載せるとなると基板を一から設計し直す必要があります。

追加の設計コストと検証コストをAIBが負担することになるわけで、特に中国市場向けの限定展開になるという点も含め、普通の意味での「新製品」ではありません。

そしてRTX 5060 12GB版のキャンセルは、ユーザー視点で最も残念なニュースかもしれません。

昨年まで「エントリークラスでも12GBのVRAMが使えるかも」という期待があったのが、あっさり消えてしまいました。

今の市場を俯瞰すると、NVIDIAはAIデータセンター向けにリソースを集中投下しており、ゲーミングGPUは「余った材料で作る」に近い状況になりつつあります。

その歪みがもっとも顕著に出るのがエントリークラスで、GDDR7が回ってこないなら3GBモジュールを3枚使った9GBにする、GB206が足りないならGB205を削ってくる、12GBは作れないからキャンセルする——全部つながった話です。

個人的には、GDDR7不足が解消されない限り2026年後半も同じような「つぎはぎ」的な構成変更が続くと見ています。

なおVideoCardzも指摘しているとおり、これらのモデルは特定市場向けの限定品になる可能性が高く、日本市場で普通に購入できる製品になるかどうかは現時点では不明です。

引き続き動向を追っていきます。

 

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