先にお断りしておきますが、これはアメリカでのお話です。
タイトルを見たときに、おそらく多くの人が「どういうこっちゃ」と思ったでしょう。
これは特に大げさなことではなく、本当に間もなくやって来ることになるようです。
タダてさえ高価なRTXシリーズのコストを跳ね上げる要因とは何か?
それはアメリカのトランプ大統領が決定した中国に対する関税制裁に関連しているようです。
とあるGPUボードメーカーは「アメリカの貿易関税で、nVidiaの希望小売価格を維持することは近い将来、できなくなるだろう。ほとんどの自作PCのパーツのコストは上昇するだろう」と言っています。
PC市場は大きく分けて二つあります。
それは自作PCに代表される個別パーツのコンポーネント市場とOEMです。
前者はトランプ大統領が決定した中国に対する貿易関税の対象となっています。
とあるボードメーカー関係者の言
2018年10月1日に発行する予定の商品の$200B(200Billion=2000億ドル)に10%の関税が適用されます。毎週月曜日、中国とアメリカの交渉に進展があるかについての最新情報が入ってきます。関税が10月1日に適用されれば関税を回避するために台湾で組み立てと検査を試みるでしょう。しかし、それは工場から出荷されるリードタイムを大きくするでしょう。※工場からの出荷にさらに時間がかかるということのようだ。
基本的には自作PCに関するすべてのパーツが関税の対象になる。
しかし、関税では事前に組み立てられたシステムは対象になっておらず、完成品システムやノートパソコンは対象になりません。
nVidia RTX 2000シリーズのような単体のGPUボードは通常直接エンドユーザーが購入するものです。そのため、貿易関税の影響を受け、各ボードメーカーはその負担を顧客へ転嫁するでしょう。
適用される10%の関税によって短期的に10%の価格上昇をもたらすでしょう。
別のボードメーカー関係者の言
私たちの製品のすべてが関税の影響を受けるでしょう。現時点ではどうなるかは不明です。
nVidiaのRTXはこの関税の影響を受ける主要な製品になるでしょう。すべてのGPUメーカーが影響を受けることになるでしょう。
時間とともに価格が下落するという自然曲線はもはや期待できないでしょう。時間とともに価格が上がる可能性が非常に高いです。
これは現在の価格設定に関税が含まれていないためです。
関税が価格にどれだけの影響を与えるかについては不確定な部分が大きいが、RTXシリーズについては$100-$200程度価格が上昇するものと思われる。
関税はあと数週間、2018年10月1日から適用されるでしょう。
GPUだけではなくすべてのPC DIYパーツに適用されるでしょう。
更に別のボードメーカー関係者の言
関税についてトランプ大統領は中国が製造する製品に関してアメリカで製造された製品より優位性を持つことを望んでいないため、2025年まで17%の工場出荷時の関税が適用されるだろう。
関税引き上げのための取引がすぐに適用されるとは思わないが、これらの仕組みに則って中国を組み立て工場から外す必要があるだろう。
ボードメーカーには二つの選択肢があります。
一つは関税を払うこと(この場合、顧客に価格を転嫁することになるでしょう。)。もう一つは組み立て工場をアメリカと貿易戦争していない地域に移すことです。これは台湾が有力な移転先と見られており、GPUメーカーの多くは台湾に本社を置いており、実際に主要な5つのメーカーが台湾に組み立て工場を移すだろうと言われています。
OEMとODMはメキシコ自由貿易地域にシステムを移して、そこで組み立てして中国の代わりにアメリカに出荷するといわれています。
コストを最小に抑えるためにはメキシコが最良の選択になるだろう。しかし、本社は既に台湾にあるので、多くのメモリメーカーが行っているように組み立てとテストする機能だけをメキシコに移すのが最も合理的だろう。
私たちはデスクトップをメキシコで組み立てて出荷しなくてはならない。さもなければRTXは$100-$200上がる。
そして、ボードメーカーの関係者は席を立った。
しかし、これには時間と費用が掛かります。つまり、短期的に見れば、関税が適用されればそれを消費者に転嫁するしか道はありません。
競合相手に優位に立てる企業でさえも敢えて他の企業と一緒に行動して余裕を残しておきたいと思うでしょう。
最初の関係者の言
SSDとRAMメモリの場合、Geil、Team Group、ADATAなどのODMは既に台湾からテストして出荷し、関税を回避しています。
既に台湾で運営されている一部の業者は競合他社の供給体制が中断された時に関税が適用されることによって利益を得ることが出来る。
例えばGeil,Team Group,ADATAなどは小売価格を高めてマージンを大きくするか、そのままの価格で競合他社を駆逐するか決められる美味しい立場にある。
10月1日に関税が適用されると完成品のみが関税の影響を受けないため、不釣り合いに安くなります。
各メーカーが中国から移転する間に関税を負担しない限りはPCパーツを高い価格で買わなくてはならなくなる。
関税分を各メーカーが負担することはほとんど考えられないでしょう。
とにかくRTXシリーズの価格は当面下がることはないでしょう。それどころか、価格水準が上がらなければ御の字といったところです。
希望の光はPascalの在庫です。
各メーカーは割引価格でそれらを清算しているのでそれまでよりもかなり価値が上がっています。
これらの価格が上がらないことを前提とすれば自作ユーザーにとっては良い買い物となるでしょう。
一つだけ言えることは自作は高価な趣味になるということです。
こういう情報は自作界にいる人は全然翻訳しませんので、気になったので翻訳してみました。
いつも通り翻訳の精度はかなり怪しいです。
しかし、米中貿易戦争によって、中国で生産・組み立て・テストしているパーツメーカーがメキシコなどに拠点を移す間、関税の影響を受けてパーツの価格が上がるという衝撃的な内容を発言をしています。
これらの証言をしているのはパーツメーカーの関係者ということでおそらくは真実でしょう。
また、完成品に関しては関税の対象外となりますので、アメリカでは自作ユーザーのみが割を食わされるということになります。
日本はあまり関係ないと思いますが、パーツの組み立て、テストなどの拠点が一斉に中国から移転しますので、多少影響があるかもしれません。
情報発信者級の方でパーツをアメリカから個人輸入してるような方は影響を受けるでしょうね。
日本で便乗値上げがあるのかどうかわかりませんが、少なくとも今年中にはRTX2000シリーズの価格は下がりそうにありません。
同時にアメリカの自作ユーザーはほぼ強制的にPascalの在庫処分に協力させられそうな気配です。
これはnVidiaが強運なのか何なのか終わってみないとわからないですね。
というわけで今日はこの辺で。
ソース:wccftech - EXCLUSIVE: NVIDIA RTX Series MSRP And Soon To Rise Cost Of PC DIY