AMDのエンスージアスト・グレードRyzen AI MAX+ 395 「Strix Halo」 APUが3DMarkでテストされ、Radeon 8050S iGPUが大幅な性能向上を実現した。
2倍のiGPUで3倍以上のパフォーマンス: AMD Strix Halo「Ryzen AI MAX+ 395」の3DMarkパフォーマンスは、Radeon 8050Sのおかげで衝撃的な良さ
先月、AMDはコードネーム「Strix Halo」と呼ばれるRyzen AI Maxという究極のモバイル・ワークステーション・ソリューションを発表した。
これらのAPUは、最大16個のZen 5コア、最大40個のRDNA 3.5 iGPUコア、多くの帯域幅、強力なIO機能セットなど、非常識なスペックを提供する。
これらのAPUを搭載した最初のPCやラップトップは目前に迫っているが、Baudi Forumsがこれらの超強力APUの最初の結果を公表したようだ。
問題のリークは、3DMark Time Spyのスクリーンショットとされるもので、GPUタブには「Radeon 8050S」と表示され、CPUタブには「AMD Eng Sample: 100-000001243-50_Y」と表示されている。
OPN IDを確認したところ、これはAMD Radeon 8050S iGPUの代わりにRadeon 8060Sを搭載したRyzen AI MAX+ 395のようだ。
両者の違いは、Radeon 8060Sが40個のCompute Unitをフル搭載しているのに対し、Radeon 8050Sは32個のCompute Unitで構成されている点だ。
各iGPUのCPUも異なり、今回テストしたものは、Ryzen AI MAX 390に搭載されている12個のZen 5コアではなく、16個のZen 5コアを搭載している。
iGPUに関しては、AMDの現在のトップガンであるRadeon 890M(16コンピュート・ユニット)に対して、2倍以上のiGPUコアを搭載していることになる。
このチップの最大の利点は、毎秒最大256GBの帯域幅を提供することで、このAPUのグラフィックス機能を助けるだろう。
性能面では、AMD Ryzen AI MAX+ 395は3DMark Time Spyで総合スコア9006点、グラフィックスコア1万106点、CPUスコア5571点を記録した。
CPUのスコアは低いが、Radeon 8060S iGPUは、3DMarkのデータベースによれば平均3367点しか出せないRadeon 890Mに対して素晴らしい結果を出している。
これはStrixの3倍の改善であり、驚くべきことだ。また、Strixの標準的なチップのTDPが30~45Wであるのに対し、Strix Halo APUのTDPは最大120Wと、3倍の差があることも指摘しておきたい。
40 Compute Unitsを搭載したRadeon 8060Sは、Radeon RX 7600やGeForce RTX 4060といった他のメインストリームグラフィックスカードと同等の性能を発揮する。
これは、iGPUとしては非常に強力な性能であり、RDNA 4のような更新されたアーキテクチャが、これらのAPUの内部グラフィックス機能をさらに向上させることを期待するしかない。
AMDの最初のStrix Halo搭載PCは、2025年前半に発売される予定であり、これらの強力なワークステーション・デザインの詳細と価格については、近日中に発表されるものと思われる。
AMD Ryzen AI MAX 300 「Strix Halo」 APUラインナップ:
SKU 名 | アーキテクチャー | CPU コア数 | 最大クロック | キャッシュ | GPU コア数 | TDP |
Ryzen AI Max+ 395 | Zen 5 / RDNA 3.5 | 16 / 32 | 5.1 GHz | 80 MB | 40 CU (Radeon 8060S) | 45-120W |
Ryzen AI Max 390 | Zen 5 / RDNA 3.5 | 12 / 24 | 5.0 GHz | 76 MB | 40 CU (Radeon 8060S) | 45-120W |
Ryzen AI Max 385 | Zen 5 / RDNA 3.5 | 8 / 16 | 5.0 GHz | 40 MB | 32 CU (Radeon 8050S) | 45-120W |
Ryzen AI Max 380 | Zen 5 / RDNA 3.5 | 6 / 12 | 4.9 GHz | 22 MB | 16 CU (Radeon 8040S) | 45-120W |
解説:
僕らの考える最強のiGPUの季節がやってきた。
ついに、内臓GPUがdGPUを超えるときがやってきました。
Radeon 8060SはStrix Pointに搭載されているRadeon 890Mの3倍以上のスコアをたたき出しています。
DirectX12のベンチマークでです。
今まで内臓GPUで高性能というと、Radeon RX6500XTやRTX3050 6GBよりかなり下の性能でした。
しかし、Radeon 8060SはdGPUを超える性能を誇っています。
TimeSpyのスコアで言えば残念ながらCU数で言えば下にあたるRX7600よりやや下の性能です。
しかし、内臓GPUでありながらミドルレンジの単体GPUに迫る性能というのは喝采してもよいのではないかと思います。
残念ながらStrix Haloはとても高価な製品になると思います。
TDPもモバイル向けにしては高いと言わざるを得ません。
それでも、iGPUがdGPUを超える性能を持つという事実にはロマンがあります。
そして、「いつかは・・・」と期待させられる可能性があるのは事実だと思います。
これが内臓GPUで手軽にPCゲーミングの世界に入ってこれる記念すべき第一歩となることを願ってやみません。
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※ SAPPHIREはAMD Radeon専業のメーカーであり、Radeonのリファレンス的なメーカーです。