AMDのAM5デスクトップ・プラットフォーム向け次期Ryzen 8000G「Phoenix」APUファミリーの仕様とベンチマークがリークされた。
最新情報はペルシャのテック&PCアウトレット「Sakhtafzarmag」からのものだ。
AMD Ryzen 8000G "Phoenix "APUファミリーは最大14のAM5デスクトップSKUを含み、スペックとベンチマークがリークされる。
今回のスペックは、AMDがデスクトップ向け次世代APUファミリーを「Ryzen 8000G」のバナーで発表するという、以前リークされた情報に続くものだ。
この新しいAPUは2つの主要技術を採用しており、1つ目はCPUを駆動するZen 4コア・アーキテクチャ、2つ目はグラフィックスを駆動するRDNA 3コア・アーキテクチャである。
新ファミリーはAM5マザーボードでサポートされ、最新のBIOSを使用する。
AMD Ryzen 8000Gのスペック: 65Wと35WのAM5フレーバー
AMD Ryzen 8000G APUは、同じ仕様のPROとNon-PROの両方が提供される。
フラッグシップSKUはRyzen 7 8700Gで、8コア、16スレッド、ベースクロック4.2GHz、ブーストクロック5.1GHzとなる。
また、6コア、12スレッド、ベースクロック4.35GHz、ブーストクロック5.0GHzのRyzen 5 8600G APUもある。
これらのAPUはいずれもPhoenix 1ダイをベースとし、OCをサポートする。
Phoenix 2 SKUには、6コア12スレッドのRyzen 5 8500Gと、4コア8スレッドのRyzen 3 8300Gが含まれる。8500Gはベースクロック3.55GHz、ブーストクロック5.0GHzで動作し、8300Gはベースクロック3.45GHz、ブーストクロック4.90GHzで動作する。
これら2つのチップはPhoenix 2ダイをベースとし、OC(マニュアル)機能を除いたPBOサポートを特徴とする。
Phoenix 2チップには、Radeon 780Mや760MといったハイエンドのRDNA 3 iGPUも搭載されません。
代わりに、Radeon 740Mが搭載され、コンピュートユニットは4基のみとなる。
標準的なRyzen 8000G AM5 APUはすべてTDP 65W/45Wを搭載するが、各SKUにはクロック速度が若干低下するがコア構成は同じ35Wの「GE」フレーバーも用意される。
これらのAPUは1月31日に発売されると言われているが、実際の発売は2月11日とされている。
AMD Ryzen 8000Gのベンチマーク: ゲーミングでRDNA 3がVegaの2.5倍以上高速化
また、AMD Ryzen 7 8700G(Phoenix 1)SKUの複数のゲームと1080pの合成ベンチマークに関するベンチマークも紹介されている。
性能は、Ryzen 7 8700GのRDNA 3 iGPUが12個の演算ユニット(768個のSP)を搭載しているのに対し、8個の演算ユニット(512個のSP)を搭載したRadeon Vega iGPUを提供するRyzen 7 5700G「Cezanne」と比較されている。
グラフでは、AMD Ryzen 8000G「AM5」デスクトップAPUが性能テストで2.5倍以上の性能向上を示しているが、ほとんどは、はるかに新しいRDNA 3アーキテクチャから期待されるはずの2倍程度の向上を見ている。
性能に基づけば、これらのチップは、格安ゲームや一般的なオフィス・ユーザー向けの非常にまともなチップになりそうだ。
最大の疑問は、価格がどうなるかということだ。
最終的な価格については数カ月はわからないだろうが、CES 2024の頃には間違いなく情報が入ってくるだろう。
AMD Ryzen 8000G デスクトップAPU:
APU名 | アーキテクチャー | コア数/ スレッド数 | Clocks (Base / Max) | GPU | TDP | 価格 |
Ryzen 7 8700G (PRO) | Zen 4 / RDNA 3 (Phoenix 1) | 8 / 16 | 4.20 / 5.1 GHz | Radeon 780M (768SP) | 65W | 不明 |
Ryzen 5 8600G (PRO) | Zen 4 / RDNA 3 (Phoenix 1) | 6 / 12 | 4.35 / 5.0 GHz | Radeon 760M (512SP) | 65W | 不明 |
Ryzen 5 8500G (PRO) | Zen 4 / RDNA 3 (Phoenix 2) | 6 / 12 (4 Zen4C + 2 Zen 4) | 3.55 / 5.0 GHz | Radeon 740M (256SP) | 65W | 不明 |
Ryzen 3 8300G (PRO) | Zen 4 / RDNA 3 (Phoenix 2) | 4 / 8 (3 Zen 4C + 1 Zen 4) | 3.45 / 4.9 GHz | Radeon 740M (256SP) | 65W | 不明 |
Ryzen 7 8700GE PRO | Zen 4 / RDNA 3 (Phoenix 1) | 8 / 16 | 3.65 / 5.1 GHz | Radeon 780M (768SP) | 35W | 不明 |
Ryzen 5 8600GE PRO | Zen 4 / RDNA 3 (Phoenix 1) | 6 / 12 | 3.90 / 5.0 GHz | Radeon 760M (512SP) | 35W | 不明 |
Ryzen 5 8500GE (PRO) | Zen 4 / RDNA 3 (Phoenix 2) | 6 / 12 (4 Zen4C + 2 Zen 4) | 3.40 / 5.0 GHz | Radeon 740M (256SP) | 35W | 不明 |
Ryzen 3 8300GE (PRO) | Zen 4 / RDNA 3 (Phoenix 2) | 4 / 8 (3 Zen 4C + 1 Zen 4) | 3.50 / 4.9 GHz | Radeon 740M (256SP) | 35W | 不明 |
解説:
Ryzen 8000Gシリーズの情報
Ryzen 7000Gで発売されると思っていたのですが、PhoenixはRyzen 8000Gシリーズで発売されることになったのは既に過去に取り上げていましたが、さらに情報が入ってきました。
具体的な仕様とベンチマークの結果です。
ベンチマークに関しては5700Gとの比較ですから、最大2.5倍とかなり大きくなっています。
こちらはデスクトップではRembrandtをスキップして2世代進化してことになりますから、ある意味、性能差が大きいのは当然なのかもしれません。
さらにメモリの速度がものを言う内蔵グラフィックスにあってはDDR4からDDR5への進化はかなり全体の性能に大きな影響を及ぼしています。
ホグワーツ・レガシーやCyberPunk2077などの最近の非常に重たいAAAタイトルでは1080pで60FPSを維持するのは難しいというのは7940HSや7840Uのベンチマークがわかっていると思いますので、その点は注意です。
1080pで60FPSを維持するにはかなりオプションを落とす必要があるでしょう。
発売は1年遅れ
Phoenixが今年の頭に発表されてから1年遅れでようやく発売されるわけですが、こちらは1年遅れとなっています。
デスクトップではAPUの需要が小さいからなのかもしれませんが、選択肢が大いに越したことはありません。
現時点ではAM4とAM5が併売されている状況であり、ミドルレンジからローエンドになる8700Gや8600Gを発売しても売れ行きには影響が小さかったのかもしれません。
しかし、次世代のStrix Pointから12コア24スレッド、内蔵GPUは1024SPとなります。
一方でデスクトップは16コア32スレッドがフラッグシップと言うことであまり大きな変化がありません。
StrixPointがRyzen 9 8900X相当となることから、是非とも早い段階でのデスクトップ版の発売を期待したいところです。
最近ではAMDもIntelもノートPCに力を入れて、デスクトップには徐々に最新の技術を投入しない傾向がつづいています。
市場としては圧倒的にモバイルの方が大きいですから、当然と言えば当然なのですが、自作PCユーザーとしては寂しいところです。
Ryzen 9000シリーズ
Ryzen 7000X3Dシリーズ
Ryzen 8000GシリーズAPU(GPU内蔵)
Ryzen 5000/4000シリーズ