PCMark10は標準的なPC向けのベンチマークテストで、旧バージョンのPCMark8に含まれていたいくつかのワークロードをWindows10に向けにアップデートしました。
実際の用途を想定したいくつかのテストを実行します。
テストの項目
Essential | App Start-up |
Web Browsing | |
Video Conferencing | |
Productivity | Writing |
Spread Sheets | |
Digital Content Creation(DCC) | Photo Editing |
Video Editing | |
Redering and Visualization | |
Gaming | Gaming |
※ 各項目をクリックすると説明個所に飛びます。
テストの種類
PCMark10(Basic,Free)・・・無料版でも実行可能な基本テスト。ESSENTIALS、PRODUCTIVITY、DIGITAL CONTENT CREATIONを実行
PCMakr10 Express(有料版のみ)・・・低解像度で行う簡易テスト。ESSENTIALS、PRODUCTIVITYのみ実行
PCMark10 Extended(有料版のみ)・・・PCMark10に含まれるすべてのテストを実行可能なフルテスト。ESSENTIALS、PRODUCTIVITY、DIGITAL CONTENT CREATIONの他、Gamingを実行できる。
各ワークロードの詳細
App Start-up
毎日使っているアプリケーションが起動するのが遅いと、苛立たしさを感じるでしょう。
App Start-upワークロードは、日常使用するアプリケーションを実際に起動するときのハードウェアのパフォーマンスを測定します。
このアプリは、ウェブブラウザ、ワープロ、画像エディタなど、小型軽量のアプリから、多数のDLLをロードする複雑なアプリまでさまざま範囲をカバーするような選択になっています。
Chromium・・・Google Chromeの元になったオープンソースWEBブラウザー
FireFox・・・オープンソースWEBブラウザー
Libre Office Writer・・・オープンソースのワープロソフト
GIMP・・・オープンソースの画像編集ソフト
Web Browsing
このテストはユーザーがWebブラウザを使用して一般的なWebサイトを閲覧するよく使われる使用例をシミュレートします。
このテストでは、ソーシャルメディア、オンラインショッピング、地図、ビデオ、および静的Webページという、以下のWebサイトの種類と使用例を想定しています。
ソーシャルメディア
ソーシャルメディアワークロードは、ソーシャルメディアプラットフォームの使用をシミュレートします。
SNSサイトの表示、ニュースフィードの更新、読み込みなどの負荷を測定します。
オンラインショッピング
オンラインショッピングワークロードは、オンラインストアをシミュレートします。
ショッピングアイテムの拡大・縮小、3Dショッピングアイテムの表示などの負荷を測定します。
マップ
マップのワークロードは、マップ上の情報の視覚化をシミュレートします。
マップサイトの読み込み、交通情報のような追加情報の表示、マップの拡大の負荷を測定します。
ビデオ
ビデオワークロードは、オンラインビデオ再生をシミュレートします。
HDと4K UHDの動画を二つのコーデックを使って再生して負荷を測定します。
Video Conferencing
このテストは、ビデオ会議アプリケーションの使用をシミュレートします。
このテストでは、プライベートコールとグループコールの2つのシナリオが使用されます。
ビデオ会議のテストでは、Windows Media Foundationを使用してビデオの再生とエンコーディングを行います。
顔検出はOpenCVライブラリを使用します。
プライベート・シナリオとグループ・コール・シナリオの両方において、送信されたビデオ・ストリームは以下の方法で処理される。
発信者の顔の位置が定期的に検出される
背景をぼかすことによって顔の位置情報に基づいて各フレームの知覚される品質が改善される。
プライベートコールのシナリオ
プライベートコールのシナリオでは、テストは30FPSで1280×720の解像度で1対1のコールを実行します。
ワークロードは、ビデオ通話のフレームレートを測定します。
グループコールシナリオ
グループコールシナリオでは、コールには4人の参加者があり、ビデオ解像度は1920×1080 / 30FPS
ワークロードは、ビデオ通話のフレームレートを測定します。
※ 各シナリオに使われるエンコーダーとデコーダー
エンコーダー・デコーダー:Windows Media Foundertion
プライベートコールシナリオ
Encode: 720p, 30FPS, H.264 video, bitrate 14380 kb/s
Playback: 720p, 30FPS, H.264 video, bitrate 11773 kb/s
グループコールシナリオ
Encode: 1080p, 30FPS, H.264 video, bitrate 12731 kb/s
Playbacks: 720p, 30FPS, H.264 video, bitrate 10152 - 12251 kb/s
Writing
Writingテストは、テキスト処理アプリケーションの一般的な使用例をモデル化します。
テストはLibreOffice Writerアプリケーションを使用し、AutoIt3スクリプトを使用して実装されています。
コピーおよびカットテストでは、ランダムエラーを減らすために操作を10回繰り返します。
Writingテストは、ドキュメントを使った作業をシミュレートします。
ワークロードは、ドキュメントのロード、ファイルの保存、ピクチャの追加、およびドキュメントの編集にかかる時間を測定します。
Spread Sheets
Spread Sheetsテストモデルは、スプレッドシートアプリケーションの使用事例です。
スプレッドシートの使用は、単純な買い物リストの作成から膨大なデータシートの処理まで非常に様々です。
我々は一般使用とハードユースの2つの異なるカテゴリで使用事例をモデル化しています。
スプレッドシートテストでは、ベンチマークに含まれるLibreOffice Calcを使用します。
スプレッドシートテストはAutoIt3スクリプトを使用して実装されています。
一般的な使用シナリオ
一般的な使用シナリオでは、スプレッドシートアプリケーションの作業をシミュレートします。
ハードユースシナリオ
ハードユースシナリオは、スプレッドシートアプリケーションでさらに複雑なスプレッドシートを使用した作業をシミュレートします
1.高度な数式と大きなデータセットを含むシートをロードする
2.データの再計算
ワークロードは、ドキュメントをロードしてデータを再計算するのにかかる時間を測定します。
Photo Editing
Photo Editingテストモデルでは、写真編集アプリケーションを使用することを想定しています。
Photo Editingテストでは、ImageMagickライブラリを使用します。
このテストでは、ULによって構築されたバイナリを使用します。
Photo EditingテストはOpenCLをサポートしています。
ベンチマーク・アプリケーションは、ImageMagickライブラリーが使用する優先OpenCL装置を選択します。
対話型操作シナリオ
対話型操作シナリオは、人間が操作して画像編集プログラムで写真の編集を行うことをシミュレートする
ワークロードは、画像をロードし、フィルタを適用し、各形式で画像を保存するのにかかる時間を測定します。
バッチ処理シナリオ
バッチ処理シナリオは、画像操作プログラム内のバッチ処理による連続した写真の編集をシミュレートする。
ワークロードは、サムネイルをロードし、フィルタを適用し、各形式でイメージを保存するのにかかる時間を測定します。
Video Editing
テストで使っているケースでは、ビデオ編集アプリケーションの一般的な使用法をいくつか取り上げています。
Video Editingテストでは、PCMark 8 Video EditingおよびMedia To Goテストの部品が使用されます。
Windows Media Foundationは、ビデオをトランスコードするために組み込まれたコーデックと共に使用されます。
ハードウェアアクセラレーションは、システムがサポートしていて、必要なMedia Foundationセットアップが完了している場合に使用できます。
ビデオ編集テストでは、シャープネスと手ぶれ補正の部分でFFmpegを使用します。
このテストでは、FFmpegバイナリを使用しています。
ビデオ編集テストはOpenCLをサポートしています。
ベンチマークアプリケーションは、使用する優先OpenCLデバイスを選択します。
Video Editingは、ビデオ編集プログラムでビデオを編集することをシミュレートします。
※ テストで使われているエンコーダー :Windows Media Foundation
コーデック:H.264
Redering and Visualization
テストモデルは、愛好家やプロの3D設計、モデリング、ビジュアライゼーションアプリケーションを使用します。
このテストは2つのシナリオをカバーしています。
1.3Dモデルの可視化
2.シミュレーション実装の計算
このテストでは、OpenGL 4.3のコードパスでカスタムコンテンツを実行する3DMark Sling Shotの修正エンジンを使用しています。
レイトレーシングテストでは、ULによって作成されたPOV-Rayビルドを使用します。
Gaming
ゲームテストグループは3DMarkのFire Strikeテストの修正版を使用しています。
※テスト内容の説明は当サイト記事:「3DMarkについて」を参照してください。
1.Fire Strike Graphics test 1
2.Fire Strike Graphics test 2
3.Fire Strike Physics test
4.Fire Strike Combined test
PCMark 10ゲームテストは、フルスクリーンではなくウィンドウで実行され、複数のGPUがこのシステムで使用可能な場合でも、常に1つのGPUで実行されます。
これらの理由から、PCMark 10のゲームテストのスコアと3DMarkのFire Strikeスコアを比較しないでください。
PCMark10と3DMarkについて
PCMark10は総合ベンチマークテストです。
一方、3DMarkはゲーミング性能専用テストですので、明確な違いがあります。
ゲーミングを含めた幅広いテストを行いたい方はPCMark10の方がよいでしょう。
PCMark10に含まれるFIRE STRIKEは3DMark版とのスコアの比較はできませんが、簡易的にゲーミング性能を測定したい場合は十分です。
当サイトに来れられている方はゲーミング性能重視だと思いますが、総合ベンチマークソフトを一本持っておきたいということであるならばPCMark10は有力な選択肢となるでしょう。
上の画像をクリックするとUL社公式のPCMark10製品ページが開きます。
PCMark10は公式サイトにて販売中です。
この記事を書いている現在、製品版(PCMark10 Advanced Edition)は公式サイトで7割引きで購入できます。
無料版と通常版の違いは製品版ではテストの設定を変更できることと、すべてのテストを実行することが出来ます。
通常価格 \2,980 → \745
※ 終了しました。
非常にお買い得感が高い割引ですので、購入を検討されている方はこの機会に買っておくとよいでしょう。