現在、Windows7、Windows8.1(8)、Windows10と3種類のWindowsが存在(サポート期限内)しています。
このうち、今から新規のゲーミングPCを購入したとしたら、Windows10になります。
ゲームの最新APIであるDirectX12はWindows10から搭載されていますので、ゲーマーは特に過去のOSにこだわる必要はありません。
Windows10には以下の種類があります。
- Windows10 Home
- Windows10 Professional
- Windows10 mobile
- Windows10 Enterprise
- Windows10 Education
- Windows10 IoT Care
このうち、BTOで選択できるのは太字のHomeとProfessionalだけです。
また、一般の方が手にする可能性があるという点で言えばスマートフォン向けのmobileもあります。
企業向けのEnterpriseや教育機関向けのEducation、組み込み機器向けのIoT Careは普通にパソコンを購入して手にする機会はほとんどないと言ってよいでしょう。
HomeとProfessionalの機能的な違い
Home | Pro | |
最大CPUソケット数 | 1 | 2 |
最大物理メモリ容量 (RAM)(x64版) | 128GB | 2TB |
デバイスの暗号化 | 〇 | 〇 |
ドメイン参加 | 〇 | |
グループ ポリシー管理 | 〇 | |
BitLocker | 〇 | |
Enterprise Mode IE | 〇 | |
Assigned Access | 〇 | |
リモートデスクトップ | クライアント | 〇 |
クライアント Hyper-V | 64bitのみ | |
Nested Hyper-V | 64bitのみ | |
Hyper-V マネージャー | 〇 | |
ISOおよびVHDのマウント | 〇 | 〇 |
VHDからのブート | 〇 | |
基幹業務アプリのサイドローディング | 〇 | 〇 |
モバイル デバイス管理 | 〇 | 〇 |
Workplace Join | 〇 | 〇 |
Azure Active Directory への参加 | 〇 | |
Windows 10 用ビジネス ストア | 〇 | |
Microsoft Passport | 〇 | 〇 |
上の表でHomeとProの機能的な違いを比較していいます。
共通の機能については省いているのでご了承ください。
また、各機能については説明が必要そうなものは外部にリンクを張っています。
リンク先は出来るだけMicrosoft公式やwikipediaにしてありますが、一部ITテクノロジー企業系の出版社WEBサイトになっています。
32bit版と64bit版
企業向けで過去のOSと互換性を高めるため、いまだに32bit版も存在しますが、個人向け用途としてはすでに選択することが出来なくなっていることが大半です。
32bit版は4GBまでしかメモリが認識できないため、最新のゲームではサポート対象外になっているケースが大半です。
ゲーミングPCのOS選択でもこれらの制限からすでに選択できなくなっています。
しかし、手にする機会が無くても32bit版も一応存在しているということは覚えておくとよいでしょう。
ライセンス形態による種類
Windowsはライセンス形態の違いによっても種類があります。
DSP版・・・パーツに紐ついてライセンスが販売されるもの。自作ショップなどで販売されるときはメモリやPCIExpressカードなどと一緒に販売されています。実際には使わないカードやメモリなどと一緒に販売されていることもあり、安いこともあって実にグレーゾーンな販売方法をとっていることもあります。パーツを変更すると再認証が必要なことがあります。
OEM版・・・メーカーが販売しているPCに紐ついてライセンスが販売されているもの。BTOパソコンはほとんどがoem版でしょう。
リテール版・・・OSが単体で販売されているライセンス形態。自作には最も向いているライセンスですが、ハードの入れ替えを行うと再認証が必要とされることがあり、何度も再認証を繰り返すと「ライセンスが無効にされてしまう」という噂が流れて、値段が高いこともあり、自作ユーザーからは嫌われているライセンス形態です。32bitと64bitが同梱されており、どちらか片方を選んで使うことが出来る唯一のライセンス。個人的には自作PCでパーツを変更する予定があるなら、おとなしくリテール版を使ったほうが精神衛生上よいと思います。
この記事を書いている時点で、
ドスパラ・・・「OS無」が選択可能。OEM版かDSP版かの明示無し。
G-tune・・・「OS無し」選択不可。OEM版かDSP版かの明示無し。
パソコン工房・・・「OS無し」選択不可。DSP版と明示あり。
サイコム・・・「OS無し」選択可能。DSP版と明示あり。
ツクモ・・・「OS無し」選択可能。OEM版かDSP版かの明示無し。インストールメディア付属と明記あり
となっています。
カスタマイズのメニューなどもそうですが、一番自作するのに近いのはサイコムでしょう。
しかし、ドスパラ、パソコン工房、ツクモも「OS無し」が選べるので、柔軟性があります。
G-tuneは普通のメーカー品に一番近い販売形態と言えるでしょう。
普通購入する場合はOS込で購入されると思いますので、特に意識しなくてもOKです。
「OS無し」を選ぶ場合のメリットとデメリット
「OS無し」を選択した場合、Linuxなど別のOSと組み合わせることによって安く上げることが出来ます。また、別途リテール版を購入し組み合わせることによってマザーボードなどの基幹パーツを変更した場合でも再認証することによって追加費用無しで使い続けることが可能です。
しかし、OSに関するサポートがなくなりますので、上級者向けの選択となります。
BTOを選択するメリットの一つが「完成品としての保証があること」ですので、余程の上級者でもない限りは「OS込」で購入されるのが無難でしょう。
また、用途がゲーミングPCなのであれば、Windows以外のOSを選択することはまずないと思います。
過去のバージョン
Windows7・・・互換性維持のためにいまだにかなり使わていて人気のあるバージョン。DirextX11まで。
Windows8/8.1・・・Windows8は8.1に無償アップグレード可能。DirectX11まで。
Windowsのバージョンによる割合
ソース:Statcounter - Desktop Windows Version Market Share Worldwide June 2017 - June 2018
上のサイトによると、この記事を書いている時点でWindowsの世界マーケットシェアは
Windows10・・・46.75%
Windows7・・・39.63%
Winodws8.1・・・7.7%
となっています。
残りがWinodwsXP/8/Vistaとなっており、8.1に無償アップグレード可能なWindows8はともかく、サポートがとっくの昔に切れているXPやVistaがいまだに存在しているのは脅威と言うほかはありません。
Windows以外のOSのシェア
参考までに先ほどのStatcounterのサイトからWindows以外のOSもシェアも書いておきます。
Android・・・41.7%
Windows・・・36.19%
iOS・・・12.44%
残りがOSX/不明/Linuxとなっています。
AndroidとiOSは二つ合わせてスマホのシェアであると言ってもよいと思いますが、すでにこの二つの合計で54.14%でIT機器の主役はパソコンからスマートフォン/タブレットに移行したと言ってもよいでしょう。Mac(OSX)はわずか5.66%で、昔と比べると数は増えましたが、普及しているとはとても言えない状況です。
Windowsは将来的にどうなる?
既にWindows10のリテール版はDVDなどの光学メディアによる販売は無くなり、店頭で売られている物もUSBメモリに入っているような状態です。
OSとしての販売はWindows10が最後になると言われており、今後の単体販売は無いと言われています。
では、マイクロソフトは今後ずっと無償でWindows10をアップグレードし続けるのでしょうか?
営利を追求する企業として考えるとそれはあり得ないと言わざるを得ません。
現在一部企業向けのWindows10で月額課金制のライセンス体制がすでに始まっており、将来的に一般個人向けのWindows10も月額課金制に移行すると言われています。
ソース:@IT - 月額課金制の法人向けWindows、「Windows 10 Enterprise E3」が販売開始
上のソース元の記事によると「Windows 10 Enterprise E3」という名称で1ライセンス当たり月額730円です。
比較的人気のあるWindows7のサポート期間内に行うとWindows10が売れなくなってしまいますので、Windows7のサポートが完全に切れてセキュリティアップデートがなくなる2020 年 1 月 14 日以降に月額課金に関する何らかの発表があるのではないかと言われています。
未来におけるWindows以外の選択肢
Windows以外のOSには無償のLinuxなどもありますが、ゲーミングPCのOSとしては微妙です。
Linuxと同じようにオープンソースという無償のライセンス形態でWindows互換のOSであるReactOSの開発が現在進んでいます。
参考:ReactOS
現在のところ残念ながらアルファ版となっており、実用に耐えるレベルではありませんが、Windows7のサポートが切れる2020年までにはβ版に昇格することが期待されています。
今のところマルチユーザー機能も無く、日本語表示も不完全で実用的に使えるというには微妙な完成度ですが、将来的には無償版Windowsとして一定の地位を築く可能性も0ではありません。
このようなものがあるということは知っておいた方がよいでしょう。
ReactOS上でPhotoshop CS2を動作させているところ
Simcity3000も動作します。