Ryzen Threadripper 2990Xはもうすぐ発売されるSocketTR4(intelで言えばSocket2066に相当)のCPUですが、サーバー向けに発売されているEPYC7601をOCしてRyzen Threadripper 2990Xの性能がどの程度のものかテストした人がいるようなので今日はそれを紹介します。
Ryzen ThreadRipper 2990Xの予想されているスペックは
32-core/64-thread, Base 3.40GHz/Boost 4.00GHz,TDP250W,Memory4ch
となっています。
今回仮想Ryzen Threadripper 2990XとしたEPYC7601のスペックは
通常 32-core/64-thread, Base 2.20GHz/Boost 3.20GHz,TDP180W,Memory8ch
となっています。
テストに使っているメモリはCrucialのECC、DDR4-2400、デュアルランクメモリのようです。
仮想Ryzen ThreadRipper 2990X-1 3.4GHzにOC Memory4ch
Cinebench 3867
仮想Ryzen ThreadRipper 2990X-2 3.4GHzにOC Memory8ch
Cinebench 5224
仮想Ryzen ThreadRipper 2990X-3 3.8GHzにOC Memory8ch
Cinebench 5863
仮想Ryzen ThreadRipper 2990X-4 3.0GHzにOC Memory?
TimeSpy CPU 7237
このようになっています。
ソース元の動画ではEPYC7601を4.0GHzまでOCしている画面が映っているのですが、なぜかベンチマークテストには使われていませんでした。
注意点があるとしたら、Ryzen ThreadRipper 2990Xはメモリが4chであることです。
テストに使われているメモリよりRyzen ThreadRipper 2990Xのほうが高速のメモリを使いますので、仮想Ryzen ThreadRipper 2990XのEPYC7601の4chよりは速いですが、8chの結果よりは下になると思います。
最後のTimeSpyのベンチマークは32スレッドまでにしか対応していないようです。
また、かなり極端なセッティングになっているようで、実際のRyzen ThreadRipper 2990Xでは5500-6000程度になるのではないかとソース元では予想しています。
TimeSpyのベンチマークが64スレッドに対応すれば、大幅にスコアが上がる可能性は高いでしょう。
TimeSpyが32コア64スレッドに対応すれば凄いことになりそうですが、現時点ではRyzen ThreadRipper 1950XやCore i7-8086Kにも及ばない結果というのは何とも不完全燃焼な感じです。
今までにないコンシュマー向けの32コア64スレッドCPUですので、ソフトの方が対応しきれていないというのは残念です。
Cinebenchの結果を見るとCore i9-7980XEに1.5倍以上の差をつけていますので、TimeSpyがきちんと32コア64スレッドに対応すればとんでもないスコアが出るものと思います。
参考までに他のCPUのベンチマークスコアを出しておきます。
コア/スレッド | 動作クロック | CineBench | Timespy(CPU) | |
Ryzen ThreadRipper 1950X | 16C/32T | B3.4/T4.0 | 3,025 | 9,965 |
Core i7-8086K | 6C12T | B4.0/T5.0 | 1,523 | 7,699 |
Core i9-7980XE | 18C/36T | B2.6/T4.2 | 3,389 | 10,065 |
何れにしてもRyzen ThreadRipper 2990Xが登場すればまた大きくコンシュマー向けCPUのマルチコア化が進むものと思われます。
予約価格が20万円弱というCPUですので、そうおいそれとは買えるものではないですが、コンシュマー向けCPUの性能を塗り替える記念すべきCPUになることは確実です。
こうしたAMDの動きに引っ張られてintelも28コア56スレッドのCascade Lake-Xを予定しています。
ここにきて完全にマルチコア化戦争が勃発したと言ったところでしょう。
ソース:wccftech.com - Simulated AMD Threadripper 2990X 32-Core Benchmarks Using An Overclocked EPYC 7601