TUM_APISAK氏がUserBenchmarkにて、16コア24スレッドのIntel Alder Lake-SデスクトップCPUの新製品を発見しました。
このチップはCore i9の初期バージョンのようで、その性能は既存のハイエンドCore i9チップに匹敵するとのことです。
Intel Alder Lake-SデスクトップCPUがベンチマークで発見される、Core i9-11900Kと同等の16 Core & 24 Thread ESチップ
今回テストされたのは、16コア&24スレッドのIntel Alder Lake-S Desktop CPUだ。
つまり、Golden Coveコアを8個(8コア/16スレッド)、Gracemontコアを8個(8コア/8スレッド)搭載し、30MBのL3キャッシュを搭載しているのだ。
これらの仕様はCore i9-12900Kに近いものですが、クロックが3.05GHzとなっていることから、この製品はi9-12900K ESの初期バージョンか、または別のCore i9 SKU(Core i9-12900)であると考えられます。
ベースクロック(1.8GHz)、ブーストクロック(3.05GHz)ともに、5.0GHz以上にブーストする既存のRocket Lake CPUと比べると非常に低いですが、これは初期のサンプルであるからだと思われます。
インテル第12世代Alder LakeデスクトップCPUのスペック(噂):
CPU名 | Pコア数 | Eコア数 | 全コア数/ スレッド数 | Pコア・ベース /ブースト(最大) | Pコアブースト (全コア) | Eコア・ベース /ブースト(最大) | Eコアブースト (全コア) | キャッシュ | TDP | 価格 |
Intel Core i9- 12900K | 8 | 8 | 16 / 24 | 未確認 / 5.3 GHz | 5.0 GHz | 未確認 / 3.9 GHz | 3.7 GHz | 30 MB | 125W (PL1) 228W (PL2) | 未確認 |
Intel Core i7- 12700K | 8 | 4 | 16 / 20 | 未確認 / 5.0 GHz | 4.7 GHz | 未確認 / 3.8 GHz | 3.6 GHz | 25 MB | 125W (PL1) 228W (PL2) | 未確認 |
Intel Core i5- 12600K | 6 | 4 | 12 / 16 | 未確認 / 4.9 GHz | 4.5 GHz | 未確認 / 3.6 GHz | 3.4 GHz | 20 MB | 125W (PL1) 228W (PL2) | 未確認 |
このことは、Intel Alder Lake-S Desktop QSのサンプルが間もなく出荷されるという最近の報道からもわかります。
このESチップの性能については、シングルコアスコアが112ポイント、マルチコアスコアが1724ポイントと報告されています
UserBenchmarkの特徴は、同じメーカーの性能を比較する場合にのみ有効であるということで、AMD Ryzen CPUを比較リストから除外しています。
今回のような噂を信じるならば、Intel Alder Lakeチップは、AMD Ryzen 5000ラインナップに対して非常に競争力のある性能を提供することになるでしょう。
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Core i9-11900Kと比較すると、Intel Alder Lake-SのCore i9 ES CPUは、マルチコアのスコアはほぼ同じですが、シングルコアのテストでは負けています。
シングルコアテストではCore i9-10900Kも同様ですが、マルチコアテストではAlder Lakeチップに負けています。
これは、クロックが低いことと、初期のテストプラットフォームの構成が8GBのDDR5-4800メモリDIMMを2枚搭載していたことによるものです。
来月頃に(メーカーなどに)出回るQSシリーズの最終モデルでは、パフォーマンスが向上することを期待しています。
Intel Alder LakeデスクトップCPUとZ690プラットフォームは、10月27日に発売される予定で、PCIe5.0とDDR5テクノロジー、およびマイクロソフトがWindows 11オペレーティングシステム向けに最適化した新しいハイブリッド・アーキテクチャ・アプローチを採用した初のメインストリーム・コンシューマ・プラットフォームとなります。
解説:
Alder Lake ES 3.05GHzとCore i9-11900Kのマルチスレッド性能はAlder Lake ES 3.05GHzの方が上
最初はシングルスレッド性能かと思ったのですが、残念ながらマルチスレッド性能でした。
Alder Lakeの最大のウリはシングルスレッド性能だと思いますので、どうしてもそちらの方に目が行ってしまいますが、腐っても16コアありますのでマルチスレッド性能的にもやはり有利なのかなと思います。
市場では圧倒的にM1 MacノートPCが受け入れられてしまったので、もはやCPUが.big Littleフィロソフィに向かうことは避けられない状況です。
4月の時点で全ノートPCのうち10%を占めるほど受け入れられています。
Intelだけではなく、AMDもZen5で.big Littleフィロソフィを取り入れますが、私が以前に書いた「タスクの振り分けをミスったらどうなるのか?」ということや、「サービスはどっちに振り分けるのか?」といった問題をWindows11でどんな風に解決するかによっても評価は変わってくると思います。
その審判を真っ先に受けるのはIntelなわけです。
例えば、昔のゲーム、GTA5が出た時代ではEコアでも十分高性能なコアだったわけですが、こういうタスクの配分はどんなふうになるのか?非常に気になるところです。
こうしたことを考えると初期の.big Littleフィロソフィには不安を感じるところです。
11月にはAlderlakeも発売されると思うので、年内にははっきりすると思います。
性能的な不満と言う最大の不満点はPコアの圧倒的な性能と、Eコアのそれなりの性能によって解消されたと考えてよいと思いますが、タスクの振り分けに関しては出てみないとわからないところだと思います。
一番最初の画像にある通り、Pコア1個分でEコア4個分のダイ面積となるならば、割と悪くない配分なのかなと思います。
サーバーは用途的に言って高性能コアだけになるのでしょうから、ノートPCが.big Littleフィロソフィで、デスクトップとサーバーは単一の高性能コアで出した方が良かったのではないかとは感じます。
AMDでいうとAPUは.big LittleフィロソフィでノーマルRyzenやThreadripperは高性能コアオンリーのほうが良いのではないかとは今でも思っています。
Zen5に関してはまだ詳細は出ていませんので、はっきりと決定しているわけではありません。
Windows9Xはマルチスレッドに対応せずCPUをアイドル状態にすることも出来ませんでした。
Windows2000では対応していても効果は限定的でした。
過去のWindowsのマルチスレッドへの対応を見ると、2種類のコアに器用なタスクを振り向けるという動作が想像できないのは私が年を取ったからなのかもしれません。(苦笑。
Core Ultra 200Sシリーズ
ソケットLGA1851
Intel 第14世代Coreシリーズ
ソケットLGA1700
※ 末尾にFがついているモデルはGPUがありませんのでご注意ください。