「SiFive Unmatched」上のAMD Radeon RX 6700XT (RDNA2)
コンピュータ科学者がLinuxカーネルにパッチを当て、AMDの最新デスクトップGPUのサポートを追加しました。
René Rebe氏は、同社の開発ボード「HiFive Unmatched」のLinuxカーネルに、ad Radeon RX 6700 XT (Navi 22/Navy Flounder)のサポートを追加することに成功しました。
「HiFive Unleashed」上のRadeon RX 6700XT , ソース: レネ・リーベ
HiFive Unmatchedは、SiFive Freedom U740マルチコアプロセッサーを搭載したPCフォームファクターの開発ボードです。
このプロセッサは、ARMに代わるオープンソースのRISC-Vアーキテクチャを採用しています。
Rebeは、ちょっとした工夫で、RISC-Vアーキテクチャの高性能グラフィックサポートを解除することができました。
彼は、PCIe Express raiserを介してMSI Radeon RX 6700 XT Ventus GPUをHiFiveマザーボードに直接取り付けました。
HiFiveマザーボードは、4×U74と1×S7コアのSiFive Freedom U740 SoCを搭載した17×17cmの小さなマザーボードです。
このマザーボードは、最大16GBのDDR4メモリーを搭載し、PCIe Gen3 x8インターフェースを提供します。
同氏は、RX 6700 XTグラフィックスカードを使用したハードウェアアクセラレーションによるビデオエンコーディングのデモを行いましたが、低消費電力のU740プロセッサによってパフォーマンスが明らかに制限されていました。
この概念実証は、RISC-Vアーキテクチャにとって確かに大きなマイルストーンではありますが、一般消費者が広く利用できるようになるには非常に遠い状況です。
HiFiveプラットフォームは、ゲーマーではなく、ソフトウェア開発者、Linux研究者、ハッカーなどを対象としています。
また、このボードの価格は700ドル前後と非常に高価であることは言うまでもありません。
「HiFive Unleashed」上のRadeon RX 6700XT , ソース: レネ・リーベ
ソース:Videocardz.com - AMD Radeon RX 6700XT spotted running on HiFive Unmatched (RISC-V) based PC
解説:
ファーウェイが注力するRISC-V
ファーウェイの話もすっかりでなくなってしまいましたが、今はスマホ事業に注力するのをやめ、養殖業などの多角化に走っているようです。
もはや哀愁が漂っているとかそういうレベルです。
しかし、一方でRISC-Vの開発に力を注ぎ、スマホの世界に返り咲くことも諦めていないようです。
参考:HiSilicon、Arm制限からの脱却を目指してRISC-Vプロセッサを開発
このRIC-VはHiFiveと言う企業が既にボードを出しており、日本でも個人輸入されてテストしている方のブログがありました。
コグノスケ - memset のベンチマーク(RISC-V 64, U74-MC 編)
テスト結果は本記事にある最新の64bitSoC Freedom U74を搭載したボードです。
このページによると少なくともmemsetに関してはCortex-A53 の半分程度だそうです。
※ A53はSnapdragon835の高効率コア(遅い方のコア)に使われています。
現時点では非常に遅いようですね。
最新のスマホに使えるような実用的な速度にするにはかなりの時間がかかりそうです。
RX6700XTの性能が引き出せないというのも納得の話です。
今のところはまだ組み込み向けに作られているマイナーなソリューションの一つか実験向けといった感じです。