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Ryzen 5 1600AFに見る自作PCパーツが転売に向いていないワケ(転売ヤー向)

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ことの始まりは、amzonでふと見かけたRyzen 5 1600AFの在庫の価格でした。

私は買おうと思って買えなかったので、ふと見かけたとき、価格をチェックして、どんな業者が売っているのかチェックしてみました。

するとやはり、転売屋が買い占めしていたようです。

価格は19,999円から。

ここで、Ryzen 5 1600Afがどんな製品なのか見てみましょう。

Ryzen 5 1600AFRyzen 5 1600Ryzen 5 2600Ryzen 5 3500Ryzen 3 3300X
アーキテクチャーZen+ZenZen+Zen2Zen2
製造プロセス12nm14nm12nm7nm7nm
コア数/
スレッド数
6/126/126/126/64/8
ベース
クロック
3.2GHz3.2GHz3.4GHz3.6GHz3.8GHz
ブースト
クロック
3.6GHz3.6GHz3.9GHz4.1GHz4.3GHz
L3キャッシュ16MB16MB16MB16MB16MB
PCIePCIe3.0X24PCIe3.0X24PCIe3.0X24PCIe4.0X24PCIe4.0X24
TDP65W65W65W65W65W
ソケットSocketAM4SocketAM4SocketAM4SocketAM4SocketAM4
Passmarkシングル2102(参考)2102226124122696
Passmarkマルチ12474(参考)12474132161269112810
実売価格税込1.1万円(正価)
税込2.0万円から(転売価格)
EOL(終売)19,98016,64515,332

まとめたのが上の表です。

性能に関してはPassMarkではRyzen 5 1600AFに近い数字が無かったので、旧モデルであるRyzen 5 1600の数値を使っています。

ZenコアとZen+コアは数%の性能差しかないと言われており、ほぼ同等と見てもらっても差し支えないです。

表を見ればわかる通り、Ryzen 5 1600AFはRyzen 5 2600のスペックダウン版で、Ryzen 5 1600とは別の製品であることがわかると思います。

 

Ryzen 5 1600AFが人気だったわけ

Ryzen 5 1600AFが人気だった理由はひとえにその価格によります。

6コア12スレッドで中身がPinacle Ridge(Zen+)でも税込1.1万円と言う価格がその最大の魅力でした。

自作PCの世界と言うのは何度も言いますが、コストダウンがギリギリまで進んでいる世界であり、店によっては保証は別になっているほどです。

自作ユーザー自体もコストに敏感な人が多く、ボッタクリ製品はまず売れません。

ではRyzen 5 1600AFにはプレミアがつくほどの希少性があるかと言われればもちろんありません。

今となってはローコスト帯に属する製品ですので、高かったら売れないのです。

この価格帯の製品にはライバル製品が多く存在するため、少しでも価格が高かったら絶対に売れないです。

 

Ryzen 5 1600AFのライバル製品

では同価格帯にどんな製品がひしめいているのか見てみましょう

Ryzen 5 2600

Ryzen 5 2600は中身はRyzen 5 1600AFとほとんど同じものですが、こちらはクロックが高く性能が高いです。

これが転売品より安く売っているので間違いなくRyzen 5 1600AF売れません。こちらは断言できるレベルです。

もっと高性能なRyzen 5 2600Xの在庫もまだあり、こちらも税込19,980円と全く同じ価格で売られています。

これでは売れるはずがありません。

 

Ryzen 5 3500

こちらはRyzen 5 1600AFより新しいコアである7nm製造のZen2コアが使われています。

Zen2コアはZen+コアと比較すると段違いにシングルスレッド性能が高くなっており、ゲームやゲーム配信を行うのに非常に有利なCPUです。

6コア6スレッドとスレッド数はすくないですが、シングルスレッド性能が高くなっているのでPassmarkの総合スコアはRyzen 5 1600AFより高くなっています。

また最新のPCI Express4.0にも対応しています。

こちらが16,645円です。

総合的にみて、こちらの方がRyzen 5 2600/Xよりもお得感が高いです。

Ryzen 5 1600AFが20,000円以上の価格をつけても売れない理由がわかってきましたか?

 

Ryzen 3 3300X

こちらは4コア8スレッドながらZen2コアでシングルスレッド性能が高くなっているため、総合的な性能でRyzen 5 1600AFよりも性能が上になっています。

同じZen2コアを使ったRyzen 5 3500よりもブーストクロックが高く、用途によってはこちらの方が向いているケースがあります。

Ryzen 5 3500と甲乙つけがたい製品であり、こちらも税込15,332円です。

なお、少しだけ性能が低く値段が安いRyzen 3 3100も売られており、こちらも競争力があります。

 

 

Ryzen 5 1600AFの正体

Ryzen 5 1600AFとはいったい何なのでしょうか?

Ryzen 5 1600AFはスポット製品で一時期流通した後にすぐに消えてしまいました。

私の予想にすぎませんが恐らく、どこかのOEMがキャンセルしたか在庫が余っていた製品をリネームして在庫処分したのでしょう。

税込約11,000円と言うプライスタグがそれを物語っているように見えます。

要するにこれを買った転売屋はメーカーにあった不良在庫の処分に協力したという形になります。

正直、これを買うのは商売人としてのセンスを疑わざるを得ません。

慌てて在庫処分した理由ですが、Zen+コア以前の製品と最新のZen2コアの製品ではシングルスレッド性能の違いとPCI Expressにより、商品力が全く違うため、よほど安くなければ売れる見込みはありません。Ryzen 5 2600/Xが市場に余っているのを見てもそれは明らかです。

そして、これから、さらに高性能化したZen3コアを使ったRyzen 4000シリーズが市場に投入され、今あるZen2コアの製品すらも陳腐化してしまいます。

そのため、Zen3コア発売直前のこの時期にメーカーもリネームして在庫処分する気になったのでしょう。

 

自作PCパーツはエキスパートの世界

自作POパーツは客である我々末端の自作ユーザーですらも一人一人が理想のPCとは何なのかと言うのを常に考え新しい情報を取り入れ、自分なりの哲学を持っているエキスパートユーザーの集まる世界です。

また、日々新しい製品が投入され、発売された瞬間から、製品の寿命がどんどん減っていく製品サイクルの早い世界です。

価格下落圧力が強く、新モデルが出れば旧モデルの価値が激減するプロのショップにとってもかなり厳しい世界です。

そこにスイッチなどの玩具を転売している程度の素人が参入してきても全く通用しないと言うことです。

以前にも書きましたが、PCパーツは基本的にナマモノです。

発売された瞬間から次のモデルが出るまでおよそ1年程度ですので、1日ごとに価値が下落していきます。

さらに私はそれが良いことと思いませんが、シビアな価格競争を生き抜くために、品質管理がそれなりで、不良品率が割と高めのため、サポートが必須であったり、不良品率が常識外れ(10%以上)の地雷製品も存在します。

こういう、非常に厳しい世界で生き残っていくには、日々更新される技術や製品を勉強して取り入れ続けていくという好きではない人にとっては苦行とも思える作業が必須になります。

PCパーツは素人が気軽に転売できるものではありません。

一般の小売店であるPCショップとっても、顧客にとっても転売屋にとっても転売は全く意味がありませんので、PCパーツで転売するのは止めておきましょう。

過去に秋葉原の有名PCパーツショップが「利益なき繁忙」と言う言葉を残して閉店したほどの世界ですので、PCパーツにマージンを乗せて1.5倍などで転売しても売れませんよ。

一時期はクレジットカードのマージンを払うと赤字になるのでクレジットカードで購入する場合は手数料を上乗せするショップもあったほどです。

結局は在庫になって困るだけです。

 

 

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