メモリ関係

SKハイニックス研究員、2020年までにPC5 DDR5、DDR6開発が進行中だと語る

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SK Hynixの研究員、Kim Dong-Kyun氏によると、PC5 DDR5メインメモリ規格は、2020年までに市場に参入する可能性があります。

そのような最初のメモリ規格はDDR5-5200で、DDR4-2666の約2倍の帯域幅を提供します。

「我々はポストDDR5のいくつかの概念を議論している」と彼は言った。

同氏は、「追加の情報を提供せずに、データ転送を高速化するという現在の傾向を維持することと、CPUなどのシステムオンチッププロセス技術をDRAM技術と組み合わせることが1つの概念である」と付け加えた。

SKハイニックスは、2018年に5200 MT /秒、1.1ボルトで動作する16ギガビット(2 GB)DDR5 DRAMチップの実用プロトタイプを開発しました。

これらのチップで作られた64ビット幅のメモリモジュールは41.6 GB /秒の帯域幅を提供することができます。

SK Hynixは、規格外にならずにDDR5チップを競合製品よりもさらに進化させることができる独自の技術革新を開発しています。

「IP回路内に多相を配置することにより、チップ内の高速動作中の電圧を低レベルに維持することができる多相同期技術を開発しました。」と キムは語った。

彼はまたDDR6 PCメモリ標準の開発がすでに進行中であり、DDR5の2倍の帯域幅と密度という設計目標を持っていると述べました。

DRAMの進歩は、PCのエコシステムだけでなく、ハンドヘルドや自動運転のカーエレクトロニクスによっても推進されています。

ソース:techpowerup - SK Hynix Fellow Says PC5 DDR5 by 2020, DDR6 Development Underway

 

解説:

いよいよDDR5が動き出したようです。

2020年までということですので、今年に出る予定のAMDのX570には間に合わないでしょうが、早ければまったく話が聞こえてこないintelのチップセットには採用されるかもしれませんね。

順当にいけば2020年に発売される7nm+で生産される予定のZen3と組み合わされるチップセット(X670?)のマザーボードには搭載される可能性が高いでしょう。

こうしてみると最近CPUの世代交代が1年ごとになっており、非常に流れが速いのがわかります。

コンピューターのメモリは中でも世代交代が遅い方です。

今まで何年くらいで世代交代してきたか見てみましょう。

DDR3・・・2008年 Core i7-900シリーズ/LGA1366から採用。2010年ごろから主流になる。

DDR4・・・2014年 Core i7-5000シリーズ/LGA2011-v3から採用。2015年ごろから主流になる。

このようになっています。

いずれも初出はintelのエンスージアスティック向けのLGA1366やLGA2011-v3などのプラットフォームから先行採用されてきました。

5-6年のサイクルで更新されていますので、そのサイクルに則れば、今年intelのLGA2066の次のプラットフォームで採用され、2020年にLGA1151の次のプラットフォームで採用されることになります。

開発中のDDR6は2025年くらいに更新予定ということになりますね。

 

DDR5がもたらす変化

参考記事:インテルの10nm Gen 11グラフィックスの詳細 - 1TFLOPSに達し、2019年に発売

上の記事でも書きましたが、DDR5が採用されると内蔵グラフィックスのボトルネックがなくなります。

 

演算性能(GFLOPS)メモリ帯域幅(GB/s)
GTX10604000192
GTX1050Ti2100112
GT103094848
UHD630384-46037.5/41.6
HD630364-44134.1/38.4
HD530403-44134.1

GTX1060=FullHDで最新ゲームのオプションを落とさずにプレイ可能

GTX1050Ti=FullHDで最新ゲームを中位程度のオプションでプレイ可能

GT1030=FullHDで最新ゲームのオプションを最低レベルにして何とかプレイ可能

 

※ デュアルチャンネルでの速度です。

DDR5-4800で95.774GB/sとなり、GTX1050Tiに近い性能を出すことができるようになるでしょう。

DDR5は同じ速度表記でDDR4と比較すると1.36倍の速度があるといわれていますので、AMDのAPUやintelの内蔵グラフィックスの速度も大幅に強化されると思います。

特にAMDのAPUは現在でもメモリの速度が上がれば上がるほど性能が向上する状態で、おそらくはGPUのコア数もメモリの速度が足りずに意図的に減らしてある状態です。

内蔵GPUでFullHDでそれなりのオプションでゲームをプレイすることができる時代がすぐそこまで来ているかもしれません。

HQ(1280X720)なら現在のAPUでもそれなりにゲームが動く。動画はAthlon 200GEでSoulcaliburVIを動かしているところ。

GPUの使用率が100%になっているが、60FPSが出ているのがわかる。FullHDで60FPS出るようになれば、安価なゲーミングノートが当たり前になるかも?

 

 

メモリ業界に立ち込める暗雲

参考記事:

サムスン電子などIT業界の業績低下が深刻 韓国経済の危機

US Bans Exports to Chinese DRAM Maker Fujian Jinhua Citing National Security Interests

旧西側諸国の技術を後追いする中国メーカー、技術を吸収される韓国メモリ勢と、米国に制裁される中国メモリメーカー。

現在、半導体の価格が下がっており、メモリ事業を大きな収益源としている韓国メモリ勢が窮地に立たされています。

その中国メーカーもアメリカのマイクロンの技術を盗用したという疑いでアメリカの貿易制裁の対象になっており、今後メモリ業界がどうなるのか全く分からない状態になっています。

韓国は知っての通り、日米と政治的な対立姿勢を取り始めており、数年後、メモリ業界のメインプレイヤーが全く入れ替わってしまう可能性も0ではありません。

DDR6が出るころには現在は聞いたことのない中国のメーカーがメモリ業界の主流になっているのかもしれません。

 

 

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