今日はいろいろネットで情報収集していて、Core i9-9900Kの挙動に関して気が付いたことがあるので、補足しておきます。
まず、マザーボードに関してです。
以前の記事に書いた通り、わたくしの使っているGigabyteのZ390M GamingはマザーボードのCPUに電源を供給するコネクタが4P+4Pと4Pの二種類あります。
上の写真の通りです。
こちら、追加の4PはペリフェラルコネクタをCPU用の4Pに変換して供給していたのですが、思い切って外してみました。
するとなんと、ベンチマークの数字が上がりました。(笑
この電源端子の仕様が全く公開されていませんので、はっきりとした因果関係は証明できませんが、これから同種・もしくは同じように4P+4Pと4Pのマザーを使う予定の方は全て接続したパターンと4Pを外したパターンで、CinebenchR15を回して比較してみることをお勧めします。
以前の記事で紹介した値
Core i7 8700K | ネットでの値 | 当サイト実測値 | |
Single | 200 | 219 | 214 |
Multi | 1306 | 2081 | 2004 |
これが、シングル219、マルチ2070まで上がりました。
BIOSの設定などは全く同じ。
念のためにLoad Optimize Defaultを選択してから起動しました。
それでもやはり、ネットの値と比較するとわずかに遅いですが、ちょっと遅めだったのが、かなり近い値になりました。
やはり、電源側にマザーボード供給用の12Vの4P+4Pが2つない場合は無理してつながない方が性能が出るんじゃないかと思います。
調子に乗ってこの状態で、全コア5GHzにOCしてからOCCTをかけてみましたが、あえなく発熱によるソフト側の安全装置が働き、1分ほどでソフトが停止しました。
やはりデュアルラジエーターの簡易水冷で全コア5GHzにOCするのは無理っぽいです。
ただし、CinebenchR15は一応全コア5GHzで完走しましたので、スコアを取ってみましたが、全コア5GHzの状態で上のように2187となります。
このスコアを出すのに払う犠牲を考えると、Core i9-9900Kはやはり以前のレビューと結論と同じように定格で使うのが一番いいんじゃないかと思います。
某YoutuberさんがH370のMicroATXで9900Kを使っていましたが、完全に電力不足か熱でターボモードを切らないと正常に動作しないという結果になっていました。
動画を見ていて気になったのは全コア、フルロード時で4.6GHzになっていたところ。
9900Kは全コアフルロード時のクロックは4.7GHzです。
電源周りが弱いからクロックが落ちているのか熱のせいなのかどちらかだと思います。
やはり9900Kは電源周りが厳しいので、完全に全製品が9900Kの仕様を前提に作られているはずのZ390と組み合わせして使うのが無難のようです。
intelの製品は安全機構がきっちり働くので燃えたりとか壊れたりとかいうことはほとんどないと思いますが、電源周りのトラブルは怖いので、良い子の皆さんはマネしないようにしてください。
製品の説明ページに「対応」と書いてある以上、本来的に言えば使えないとおかしいのですが、残念ながら、Z390以外は電源周りの設計が8コアを想定していないようなので、9700Kと9900KをZ390以外のマザーと組み合わせて使うのはやめておいた方が無難のようです。
普通は電源周りの仕様が変更になっているCPUの場合、旧製品と組み合わせるのはご法度なのですが、ここ最近intelとAMDの性能競争が激化してきたこともあって、旧製品でも新製品のCPUを使えるという風になってきていますので、こうした矛盾が出てきているということなのでしょう。
非常に貴重な情報だと思います。
おそらく、旧作のゲームだと9700Kのほうが性能の出るケースもあると思いますので、この辺の扱いやすさも考えるとゲーム用としては価格が安いこともあって、9900Kより9700Kのほうが向いているかもしれません。
以前全コア4.8GHzにOCしてOCCTを回すと冷却が追い付かずに10分間完走しませんでしたが、100MHzでもクロックが変わると発熱がかなり変わるので、9900Kと9700KはTDPは同じですが、扱いやすさは全然違うんじゃないかと思います。
この辺も以前の結論と変わりません。
カジュアルOCをされたいゲーマーの方はHTTを切って8C8TでOCされることをお勧めしておきます。
わずかなOCでもされる場合は発熱がガツンと上がるのでトリプルラジエーターの簡易水冷以上のクーラーを使わない限りは厳しいと思います。
私は電源と排熱周りはかなり神経質なので、トラブルを避けるために、9900Kとの組み合わせはデュアルラジエーターの簡易水冷以上のクーラーとの組み合わせをお勧めしておきます。
8コアになって性能も上がりましたが、それなりの代償が必要になりました。
この辺はメジャーな出版社系のWEBメディアさんと結論は全く同じです。
対応と明記してあるマザーボードで使えないケースがあることも併せて、あまり扱いやすいCPUとは言えないと思います。
また、最近価格が通常の65000円前後になりましたが、わたくしは75000円程度で買ったので、印象としてあまりコストパフォーマンスがよいCPUとも言えません。
対応しているはずのマザーボードで使えないことも併せてネットで無条件に8コア版Core iシリーズを賛美されている方もいますが、実際に使ってみた感想としては、どうなんだろうと思います。
価格と発熱、この二つの代償はかなり大きいです。
相変わらず製品がショート気味なのも気になるところです。
無条件にお勧めできるようなCPUではないですが、上のようなことに納得ができれば、8コア版Core i7-9700K/i9-9900Kは唯一無二のゲーミング性能を提供してくれる素晴らしいCPUだと思います。
ゲーミング用途としては9900KにこだわるよりもGPUにこだわった方がよいのかなと思います。