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AMD、RDNA5 GPU向けLinuxドライバ準備 新DCN6ディスプレイエンジンのパッチを投入

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青とオレンジのアクセント照明が映える、抽象的なGPUダイと発光する回路パターンをテーマにしたコンセプトアート

■事実

RDNA5そのものについて

AMDが7月末、AMDGPU向けLinuxドライバに次世代ディスプレイエンジン「DCN6」の基盤パッチを投入、GFX13(=RDNA5とみられる内部コード)に紐づけられています。む

今回のパッチはあくまで表示出力周りの下ごしらえで、CU数・クロック・メモリ構成などの性能情報は含まれません。

RDNA5の機能面(PS6関連情報から判明している内容)

Sony・AMDは次世代PlayStation(開発コード「Project Amethyst」)に関する共同動画で、PS5設計責任者のMark Cerny氏とAMD Semi-Custom部門SVPのJack Huynh氏が新技術を説明済みでする

Neural Arrays:GPU内の複数CU(演算ユニット)を束ねて1つのAIエンジンのように動作させる仕組み。従来は各CUが画面の小領域を個別処理していたのに対し、CU同士が連携して大きな領域を同時処理できるとされ、アップスケーリングやデノイズの高速化・高品質化を狙っています。

Radiance Cores:レイトレーシング/パストレーシング専用の演算ブロック。従来シェーダーが担っていたレイの追跡処理をここに切り出すことで、シェーダー側はテクスチャ・ジオメトリ処理に専念できます。

Universal Compression:PS5 Proが特定のデータ形式のみを対象としていたのに対し、あらゆるデータ種別を対象にメモリ帯域消費を圧縮するシステム全体レベルの圧縮技術です。

Cerny氏はNeural Arraysの応用として「Ray Regeneration」というAI駆動のレイトレーシング精度向上機能にも言及しています。

一部リーク筋(KeplerL2)は、RDNA5の機能セットは現行NVIDIA Blackwellアーキテクチャよりも“機能豊富”になり得ると主張しています。ただし同種の主張をしてきたリーカー(MLID、RedGamingTechなど)は過去に誇張が多いとの指摘も業界内にあります。

一方で別のリーク筋は、PS6には「RDNA5のフル機能セットは搭載されない」可能性を指摘しています。コンソール向けは軽量化・カスタマイズされたサブセットになる可能性があります。

PS6本体のGPU構成として、52〜54 CU・34〜40TFLOPS・GDDR7採用などの数値もリークされているが、いずれもAMD公式発表ではなく未確定情報です。

NVIDIA側の次世代動向

NVIDIAの次世代コンシューマーGPU「RTX 60シリーズ」は、データセンター向け次世代アーキテクチャ「Rubin」(Blackwellの後継、Vera Rubin NVL72に搭載)をベースにすると報じられています。

ダイファミリー名は「GR20x」系(GR202、GR203など)と噂されています。

発売時期は2027年後半が有力視されているが、供給網の制約次第では2028年にずれ込む可能性も指摘されています。

RTX 50シリーズ(2025年初頭発売)からRTX 60シリーズまでの間隔は約30ヶ月以上となる見込みで、RTX 20→30→40世代で維持されてきた約2年サイクルより明確に長くなっています。

NVIDIAはCES 2026・GTC 2026のいずれの基調講演でも新型コンシューマーGPUを発表しておらず、公式にはRTX 60シリーズの存在すら認めていません。

RDNA5・RTX60シリーズいずれについても、遅延の主要因としてGDDR7/HBM等のメモリ供給不足とAI向けTSMC生産キャパシティの逼迫が共通して挙げられています。

 

表(参考:AMD RDNA5とNVIDIA Rubin/RTX60シリーズの比較)

項目AMD RDNA5NVIDIA Rubin(RTX60シリーズ)
内部コードGFX13GR20x(GR202、GR203など)
想定発売時期2027年半ば〜後半(一部2028年説も)2027年後半(2028年にずれ込む可能性も)
製造プロセスTSMC N3P(有力視)未確定(TSMC先端プロセス予想)
主要新機能Neural Arrays/Radiance Cores/Universal CompressionBlackwell系Tensorコア・RTコアの継続進化(詳細未発表)
コンソール連携PS6(Project Amethyst)/次世代Xbox(Project Helix)該当なし
遅延要因GDDR7/HBM供給不足、AI向け生産キャパシティ逼迫同左

解説

今回のニュースを「AMDのLinuxドライバ話」で終わらせるのはもったいない。実際にはAMDとNVIDIAの次世代アーキテクチャが、ほぼ同じ2027年後半という時期に収斂しつつあるという、より大きな構図の一部として捉えるべきだ。

しかもその収斂の理由が両社共通で「AI向けメモリ・生産キャパシティの奪い合い」というのが今の業界の実態を象徴している。以前から指摘している「AIデータセンター需要がコンシューマー製品を押し出す」構図がここでも繰り返されている。

RDNA5の機能セット(Neural Arrays・Radiance Cores・Universal Compression)を並べてみると、率直に言って「NVIDIAが何年も前からやっていたことに、AMDがようやく専用ハードウェアで追いつこうとしている」という印象が強い。

特にRadiance Coresは、シェーダーからレイトレーシング処理を専用ブロックに切り出すという発想そのものが、NVIDIAがTuring世代(2018年)のRTコアで既に実践してきた設計思想。AMDがRDNA2以来続けてきた「シェーダー側でレイトレーシングを頑張る」路線の限界を、事実上認めた格好とも言える。

Neural Arraysも、CU同士を連携させてAI処理を担わせるという発想自体は、NVIDIAのTensorコア+DLSSの成功パターンをなぞっている面が大きい。機能名は目新しいが、狙っている効果はNVIDIA陣営がすでに実証済みのもの。

「RDNA5はBlackwellより機能豊富」というリーク筋の主張は、正直割り引いて聞いた方がいい。この手のリーカーは过去にも「BlackwellはPascal級の飛躍」「RX 9070 XTは4090に匹敵」といった誇張実績があり、実際のハードウェアが期待に届かなかった例は少なくない。

PS6が「RDNA5のフル機能セットを搭載しない」可能性がある点は見落とされがちだが重要。コンソール向け動画で紹介された機能がそのままデスクトップRadeonに載るとは限らず、両者を同一視して期待値を上げすぎるのは危険だ。

仮にAMDがハードウェア機能面でNVIDIAに追いついたとしても、それだけでは勝負は決まらない。CUDAエコシステムの構造的なロックイン(PTXレベルの依存、Nunchakuのようなライブラリ群、何十年分もの開発者資産の蓄積)は、シリコン側の機能パリティとは別次元の壁として残り続ける。

「専用ハードウェアでAI処理」「専用ハードウェアでレイトレ」——気づけばRDNA5のロードマップは、NVIDIAが通ってきた道のダイジェスト版になりつつある。

機能表だけ見れば追いついたように見えても、ゲームが実際にその機能を使いこなすまでにはまた別の時間がかかる。ここでも「発表」と「実力」の間には、いつも通りのタイムラグがありそう。

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