さて、Intelの最近の世代CPUの業績が伸び悩んでいるため、中国のCPU市場はAMDの製品ラインアップを優先して対応し始めているようだ。
IntelのCPUが中国で販売不振、かつてはIntel優勢だった市場でAMDの市場シェアが50%に上昇
IntelがデスクトップCPU分野で躍進するのを見るのは久しぶりのことで、過去数世代では、チーム・ブルーは大規模な問題を緩和するか、期待はずれの性能のラインナップをリリースしてきた。
現在、Board Channels Forumsのレポート(HXLより)によると、Intelは主要市場である中国での支配力を失いつつあり、CPUの採用率は史上最低水準にあると報告されている。
intel's traditionally dominant region China, intel motherboard sales have also lost their edge...https://t.co/BzqLy6aoCN pic.twitter.com/E1dyw4Pg6y
— HXL (@9550pro) April 11, 2025
Intelの最新CPU世代である「Core Ultra 200S」Arrow Lakeラインアップについて、チーム・ブルーは全く大したものを提供しなかったと言われており、発売後のレビューでは、このシリーズの性能はIntelが当初宣伝していたものよりもはるかに低く、消費者の目から見たARL-Sのイメージを大幅に悪化させた。
チーム・ブルーは、いくつかのアップデートと新しいマイクロコードをリリースすることでこの問題を解決しようとしたが、そのような努力にもかかわらず、IntelはCore Ultra 200Sシリーズが魅力的な選択肢であると消費者に思わせることができなかったようだ。
これに伴い、IntelのRaptor Lake Refreshラインアップでは、市場でCPUの不安定問題が広まり、数千のCPUをRMAサービスに出さざるを得なくなり、最終的に消費者の間にパニックを引き起こし、代替品を探し始めた。
このような状況により、Intelはかつて独占していた中国の市場シェアが大幅に低下したと言われているが、現在はAMDが牽引しているようだ。
AMDの最新のZen 5 CPU、例えばRyzen 9000シリーズや新しいX3D CPUにより、中国の消費者はチーム・レッドに傾倒しているようで、第1四半期には50%の市場シェアを達成したと報告されている。
この傾向は今後さらに強まり、AMDのCPUが中国市場を席巻する日もそう遠くはないだろう。
さらに、IntelのCPUの採用率が低下しているため、マザーボードの販売も底をついており、チーム・ブルーがあまり良い時期を迎えていないことを示している。
解説:
中国市場でもIntelの信用が崩壊し、シェアが低下中
中国市場だけではなく世界中で見られる傾向です。
Raptor Lake /RefleshとArrow Lakeの3世代3年によって、完全にIntelの信用が破壊されてしまいました。
本来ならば、わざわざブランドネームを変更しそれまでのシリーズと打って変わったイメージを付けやすかったCore Ultraで低性能というイメージを付けてしまったのは致命的だったのでしょう。
AMD Ryzenが支配的になっているようです。
Intelはかつて世界一進んだFabで世界一高性能な製品を発売し、高い信頼性を誇るブランドとして君臨していました。
昔はIntelを超えるチップメーカーなど存在していなかったのです。
28nm以降で変わってきましたが、TSMCもIntelに遠く及ばない二番手のFabという扱いでした。
22nm世代の頃はNVIDIAのCEOが「IntelはFabをほかのメーカーにも開放すべき」と言っていたのは懐かしい話です。
LAN製品もIPsecの暗号化/復号化をCPUからオフロードし、Intel LAN=CPU負荷が小さい、高品質の代名詞でした。
AMDもLAN製品を持っていたにも関わらず、AMDマザーにも一時期Intel LANが載っていたのはこういう事情があったからです。
しかし、近年のIntel I225-V/I226-Vはまともにつながらない、接続が切れるなどの未解決の不具合が報告されており、しかもほったらかしのままです。
そして、今度はCPUでの不具合が報告され、当初はRMAを拒否していたため大きくイメージを落としてしまいました。
440BXの昔からIntelはデジタル製品に実装されるアナログ部分に弱いといわれており、440BXも名機と呼ばれる前は不具合を連発していました。
決して完全無欠のメーカーではありませんでしたが、それでもきちんと不具合に向き合って大きな名声を築いてきたメーカーです。
昨今の不具合で過去の栄光が地に落ちてしまい、落ちぶれた姿を見るのはなかなか寂しいです。
好き嫌いにかかわらず、Intelというのはそれほどの信頼を築いてきたメーカーであり、そして、その長年積み上げてきた信頼が崩壊するのはたった3年ということです。
数十年の歴史から見ると、一瞬といってもよいでしょう。
ずっと二番手だったAMDにシェアを逆転されているところを見ると、信頼というものが如何に重要なのか痛感できるのではないでしょうか。
最近ではNVIDIAが危ないと思います。
今のうちに本腰を入れてきちんと対処しないとIntelの二の舞になることは確実です。