Arrow LakeはRaptor Lakeより最大21%高速で、iGPUは2倍以上高速
インテル陣営からは、市場最高のCPUに対抗する2つの候補が登場する。Raptor Lake Refreshプロセッサーは10月発売、Arrow Lakeプロセッサーは2024年発売と噂されている。
ドイツの出版社Igor's Labは、インテルの内部情報として、今後発売される両プロセッサーの性能予測を入手したと報じている。
覚えておくべきことのひとつは、この性能予測は、Raptor Lake RefreshとArrow Lakeでどの程度の性能向上が見られるかを大まかに見積もったものだということだ。
最終的な製品の性能を示すものではないので、数値は大目に見てほしい。
インテルは性能予測の基礎としてCore i9-13900Kを使用した。
チップメーカーは、Raptor LakeとRaptor Lake RefreshプロセッサーのPL1とPL2を253Wに、Arrow Lake部分を250Wに制限したと報告されている。
この3つのプロセッサーのコア構成は同じで、8+16+1である。しかし、興味深いのは消費電力だ。
この予備データによると、Arrow LakeはRaptor Lakeと同じくらい消費電力が高い可能性がある。
インテルは、Core i9-13900Kと100%を基準にして結果を正規化したと思われる。
グラフによると、Raptor Lake Refreshプロセッサは、現行のRaptor Lakeチップに比べて1%から3%の性能向上をもたらす。
結局のところ、リフレッシュなので、この結果は正確に見える。
過去のリフレッシュと同様、新しいプロセッサーはより高いクロックで登場する。
インテル7ノードにどれだけの最適化が残されているかはまだわからない。
我々の期待を抑えておくと、Raptor Lake Refreshが6GHzの壁を破ることはないだろう。
現時点では、インテルが別のKSモデルを市場に投入する計画があるかどうかは不明だ。
Igor's Labは、そのようなチップのブーストクロックが6.2GHzになるかもしれないと考えている。
この推定によれば、Raptor Lake RefreshではiGPU性能のアップグレードは期待できない。
統合グラフィックは同じIntel UHD Graphics 700シリーズで、最大実行ユニット(EU)数は32、ピーククロックは1.65GHzとされており、変更される可能性は低い。
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インテルはArrow Lakeについてより楽観的だと言われているようだ。
リークされたチャートによると、Arrow LakeはRaptor Lakeよりも3%から21%高速化し、マルチコア演算の性能が大幅に向上する可能性がある。
Arrow Lakeは浮動小数点演算性能に優れているようだ。
インテルは最近、Arrow LakeがAIとハッシュ関数に重点を置いたAVX-VNNI-INT16、SHA512、SM3、SM4命令をサポートしていることを確認する文書を発表した。
AVX-VNNI命令は、ニューラルネットワークの推論タスクに関連する性能向上に役立つため、極めて重要である。
したがって、AI、機械学習、ディープラーニングに関連するワークロードは、Arrow LakeとLunar Lakeのメリットを享受できる。
Arrow Lakeの最大の目玉は統合グラフィックスだ。インテルは、3DMark Time Spyや3DMark Wild Life Extremeなどの合成ベンチマークにおいて、Raptor Lakeに比べて220%から240%のiGPU性能向上を予測しているという。
Meteor Lakeと同様に、Arrow Lakeはチップセットを縦に積み重ねるインテルの3D Foverosパッケージング技術を採用する。
AlchemistベースのXe-LPG iGPUは独自のタイルを持つが、EU数とクロックは秘密のままだ。
Raptor Lake Refreshは、同シリーズと同様、LGA1700ソケットを引き続き使用するため、インテル700シリーズのマザーボードを再利用することができる。
ベンダー各社は1ヶ月前にRaptor Lake Refreshをサポートする新しいファームウェアの配布を開始した。
それにもかかわらず、一部のメーカーはRaptor Lake Refreshのために同じチップセットをベースにした新しいマザーボードをリリースする機会を得るだろう。
一方、Arrow Lakeは新しいソケットを必要とする。現在の噂では、チップは既存のLGA1700ソケットよりも9%ピン数が多いLGA1851ソケットに搭載されるとされている。
つまり、LGA1851ソケットに対応する新しいインテル800シリーズチップセットが登場する可能性が高いということだ。
Igor's Labは、LGA1851の仕様など、Arrow Lakeに関するより多くの特権的な情報を持っているとされている。
Raptor Lakeの真の後継となるArrow Lakeを我々がよりよく知ることができるようになるまで、そう長くはないはずだ。
ソース:Tom's Hardware - Intel Raptor Lake Refresh, Arrow Lake CPU Performance Projections Leaked
解説:
Rptor Lake比でRefleshは数%、Arrowlakeはシングルスレッド性能が3%から21%性能向上する
ArrowLakeのマルチスレッド性能に関してはEコアが8コアプラスされますので大幅に向上することになると思います。
内蔵GPUに関しては220%から240%向上するとのことです。
UHD770のTimePsyスコアが880くらいなので、2.4倍だと2112くらいです。
確かに凄いですが、実際のところ、Rembrandtより少し劣るくらいですね。
デスクトップSシリーズに搭載されるGPUはあまり大した性能は無く、それでこのレベルであれば、上位のモデルはもっと性能が高いでしょう。
ただし、メモリの帯域一杯迄の性能はPhoenixでも使い切っていると思われるため、インフィニティ・キャッシュのような大容量のキャッシュを搭載して、見かけ上のメモリ帯域を上げない限りはGPUの規模を大きくしてもどこかで頭打ちになると思います。
Intelも3D V-Cacheに対抗する技術を用意していると言われていますので、これから内蔵GPUの性能はAMD、Intelともに爆上がりしていくと思われます。
同時にAI/ML性能に特化した拡張命令も搭載するとのことですから、将来的にミドルレンジ迄は内蔵GPUが使われるようになり、今世代で例えるならばRTX4070~RTX4090クラスのGPUが単体GPU活躍のフィールドになるかもしれません。
理由はやはり、内蔵GPUと単体GPUのコスパが違い過ぎるからです。
ミドルレンジとハイエンドでCPU込みで2-3倍の価格差があったらやはり導入には二の足を踏むでしょう。
開発環境や実行環境をCPU側のAIアクセラレーターとGPU側で統一する動きがあることを鑑みると、将来的にはAI処理はハイブリッドクロスファイアIのように内蔵GPU+単体GPUの連携というのが当たり前になるかもしれません。
そうなると、AI処理においてはIntelとAMDが有利な材料になりますね。
ただ、nVIDIAはあまりにも先を行き過ぎているのでどうなるのかはちょっとわかりません。
Core Ultra 200Sシリーズ
ソケットLGA1851
Intel 第14世代Coreシリーズ
ソケットLGA1700
※ 末尾にFがついているモデルはGPUがありませんのでご注意ください。