Intelの次世代モビリティCPU Arrow Lake-Pに関する詳細情報をAdoredTVのJimが入手しました。
それによると、Intelの次世代モビリティソリューションはハイブリッドチップレットアーキテクチャを採用し、AMDのZen 5やAppleの最新SOCに真っ向から対抗することになるようです。
Intel Arrow Lakeは、最大14個のCPUコアと2560個のXe GPUコアを持つハイブリッドチップレットベースのアーキテクチャで、AMDのZen 5やAppleの次世代SOCに対抗する。
今月初めに公開されたIntelのArrow Lakeファミリは、2023年後半から2024年前半に発売される第15世代Coreのラインナップになると予想されています。
今回の発表では、Lion Cove(高性能コア)とSkymont(高効率コア)のコードネームで呼ばれる2つの新しいコアアーキテクチャが採用されることが明らかになりました。
Arrow Lakeチップには、最新のXe GPUアーキテクチャも搭載されますが、IntelはAlder Lake-PのCPUおよびGPUタイルを、独自の「Intel 3」ノードではなくTSMCの3nmプロセスノードで製造するように委託するようです。
Arrow Lake-Pの構成について言えば、Arrow Lake-Sデスクトッププラットフォームで噂されているものとは、かなり異なる構成になると思われます。
Alder Lake-PのCPUは、最大で6つのビッグコア(Lion Cove)と8つのリトルコア(Skymont)を搭載すると予想されている。
これは、Alder Lake-PやRaptor Lake-Pの構成と同様に、最大14コア、20スレッドとなります。Arrow Lake-Sは最大40コア48スレッドと噂されており、デスクトップとモバイルのプラットフォームではコア数とスレッド数にかなりの差があります。
Arrow Lake-PプラットフォームのiGPU部分はさらに興味深いもので、IntelはGT3構成で最大320個のIris Xe EUを搭載するとしています。
これは合計で2560コアとなり、総合的なGPU性能はエントリーレベル、あるいはミッドレンジのデスクトップ製品に近いものになるはずですが、これは統合型グラフィックスソリューションの話です。
また、この製品はHalo製品と記されていますので、ノートPC向けのハイエンドモバイル製品になると思われます。
GPUのサイズは約80mm2と言われており、単一のグラフィックダイだけでかなりのダイスペースが確保されています。
Arrow Lake-P SOCには「ADM」チップも搭載されており、AdoredTVは、このソリューションに搭載される追加のキャッシュモジュールと指摘しています。
これは、来年デスクトップ分野で発売されるAMDの3D V-Cacheソリューションに似たスタックチップレットデザインである可能性があります。
競争相手としては、Intel Arrow Lake-Pのモビリティラインアップは、ハイブリッドチップレットアーキテクチャを採用するAMDのZen 5ベースのStrix Point APUや、Apple Macbookに搭載されるAppleの次世代M* SOCと競合することになります。
最近のインタビューで、AMDの副社長は、非常に競争力のあるZenロードマップを持つアップルを長期的には主な競争相手と見ていると述べており、インテルは今後、それぞれのセグメントで非常に強力な製品を持つモバイルセグメントの2つの競争相手を持つことになりそうです。
インテルメインストリーム・デスクトップCPUの世代間比較:
Intel CPU ファミリ | 製造 プロセス | 最大 コア数 | TDP | チップセット | プラット フォーム | メモリ サポート | PCIe サポート | 発売 |
Sandy Bridge (2nd Gen) | 32nm | 4/8 | 35-95W | 6-Series | LGA 1155 | DDR3 | PCIe Gen 2.0 | 2011 |
Ivy Bridge (3rd Gen) | 22nm | 4/8 | 35-77W | 7-Series | LGA 1155 | DDR3 | PCIe Gen 3.0 | 2012 |
Haswell (4th Gen) | 22nm | 4/8 | 35-84W | 8-Series | LGA 1150 | DDR3 | PCIe Gen 3.0 | 2013-2014 |
Broadwell (5th Gen) | 14nm | 4/8 | 65-65W | 9-Series | LGA 1150 | DDR3 | PCIe Gen 3.0 | 2015 |
Skylake (6th Gen) | 14nm | 4/8 | 35-91W | 100-Series | LGA 1151 | DDR4/DDR3L | PCIe Gen 3.0 | 2015 |
Kaby Lake (7th Gen) | 14nm | 4/8 | 35-91W | 200-Series | LGA 1151 | DDR4/DDR3L | PCIe Gen 3.0 | 2017 |
Coffee Lake (8th Gen) | 14nm | 6/12 | 35-95W | 300-Series | LGA 1151 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2017 |
Coffee Lake (9th Gen) | 14nm | 8/16 | 35-95W | 300-Series | LGA 1151 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2018 |
Comet Lake (10th Gen) | 14nm | 10/20 | 35-125W | 400-Series | LGA 1200 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2020 |
Rocket Lake (11th Gen) | 14nm | 8/16 | 35-125W | 500-Series | LGA 1200 | DDR4 | PCIe Gen 4.0 | 2021 |
Alder Lake (12th Gen) | Intel 7 | 16/24 | 35-125W? | 600-Series | LGA 1700 | DDR5 | PCIe Gen 5.0 | 2021Q4 |
Raptor Lake (13th Gen) | Intel 7 | 未確認 | 未確認 | 700-Series? | LGA 1700 | DDR5 | PCIe Gen 5.0 | 2022 |
Meteor Lake (14th Gen) | Intel 4 | 未確認 | 未確認 | 800-Series? | LGA 1700 | DDR5 | PCIe Gen 5.0 | 2023 |
Arrow Lake (15 th Gen) | Intel 4? | 40/48 | 未確認 | 900-Series? | 未確認 | DDR5 | PCIe Gen 5.0? | 2024 |
Lunar Lake (16 th Gen) | Intel 3? | 未確認 | 未確認 | 1000-Series? | 未確認 | DDR5 | PCIe Gen 5.0? | 2025 |
Nova Lake (17 th Gen) | Intel 3? | 未確認 | 未確認 | 2000-Series? | 未確認 | DDR5? | PCIe Gen 6.0? | 2026 |
解説:
IntelのArrowLake-Pは14コア20スレッド、2560コアのGPUを搭載する
先日デスクトップ版ArrowLake-Sは40コア48スレッドになるというリークがありましたが、モバイル版のPは14コア20スレッドになるようです。
こちらはPコアが6コア12スレッド、Eコアが8コア8スレッドになります。
これが最大となるようですね。
デスクトップ版はAMDのRyzenに対抗するため、効率の高いEコアをどんどん増やしていくという戦術をとるようです。
しかし、モバイル版は本来のハイブリッドの特徴を生かしたコア構成になるようです。
intel3で製造されるようですが、高い集積度の力はGPUの方に注がれることになるようです。
なんと内蔵GPUに2560コアを搭載するということですから、相当なものです。
DDR5世代に入って、メモリの帯域幅もかなり上がりますので、そちらも計算に入れたコア数と言うことなのでしょう。
モバイルとデスクトップでこれだけ戦略の違うコア構成になるというのも面白いです。
このようなことを考えると、デスクトップ版に大量のEコアを搭載する意味と言うのはマルチスレッド性能以外にはなく、実際の用途で生かされるかどうかも微妙というのがはっきりしたといってよいのではないでしょうか。
合理性を考えればある意味正解だと思いますが、ちょっと寂しいかなと思います。
第14世代intelCore i5/7/9シリーズ
※ 末尾にFがついているモデルはGPUがありませんのでご注意ください。