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中国は米国の規制を回避するために中古半導体製造装置を高値で購入している

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TSMCとSamsungは世界最大の半導体メーカーであり、Apple、Nvidia、AMDなどの米国系企業との貿易パートナーとしてのメリットを享受している。

柵の向こう側にはSMICがある。

SMICは中国最大の半導体メーカーであり米国政府からの支持を得られていないため、現在の経済環境下での事業運営は非常に困難であることが分かっている。

2019年からの半導体購入額は20%増加し、今年はさらに大きな増加が期待される。

中国最大の半導体メーカーである彼らは、これまでも米国政府からあらゆる制裁を受けており、最新のものは2020年12月にエンティティリストに追加される予定だ。

これはSMICが苦戦してきた最新の苦境の一つであり、今回は他の企業から米国開発の技術を購入することをさらに難しくしている。

これで利益を得ているのは、日本の中古チップ製造装置販売業者である。

日経アジアによると、通常在庫のある中古品の在庫切れが急速に進み、ほとんどの装置が値上がりしているという。

日経アジアによると、リソグラフィー装置の価値は3倍になり、半導体製造に欠かせない他の装置も同様に値上がりしているという。

三菱UFJリースの関係者はこう語る。

「中古機材の90%近くが中国に向かっているようです。」

正体不明の中古機器販売店の別の匿名の情報源はこう主張している。

"数年前には基本的に価値がなかった機械が、今では1億円[94万ドル]で売られている。"

中古の製造装置が日本から中国大陸に大量に流出しているのを見ても不思議ではない。

将来役立つかもしれないという理由だけで買いだめしているという声もあるが、これは結局のところ、中国の自給自足計画の一環なのだ。

機器を販売している日本の企業は、そうでなければ棚に眠っているであろう機器で大儲けしているのだ。

このことを考えると、ブルームバーグは次のように報じている。

「中国企業は日本、韓国、台湾などからコンピューターチップを生産するための機器を320億ドル近く購入した」と報じている。

前年(2019年)と比較して20%増となっているという。

中古の販売額は上昇しているようで、今後数年は増加していくことになりそうです。

新しいアメリカの技術を手に入れることに関しては、SMICはEntity Listに載っているので、ほぼ不可能です。

これらはすべて中国の半導体製造の自給自足計画の一環である。

中国はすでに独自のGPU、CPU、メモリの開発に取り組んでいるが、アメリカの技術から離れる準備はまだできていない。

ソース:wccftech - China Has Been Buying Used Semiconductor Manufacturing Equipment At A Higher Rate In An Attempt To Avoid US Restrictions

 

 

 

解説:

元のソースはこちら

Nikkei Asia - China hoards used chipmaking machines to resist US pressure

Bllomberg - China Stockpiles Chips, Chip-Making Machines to Resist U.S.

中国が中古の半導体製造装置を買いあさっているという話が上がってきました。

これらは20-30年前のものであり、実際に使えるのかどうか不明です。

7nmはともかく、12nmあたりで使えるならばかなり有用だと思います。

ただし、200mmウェーハ用の器材とのことなので最新の製造プロセスにはもちろん対応していないでしょう。

こんなものを何に使うのかわかりませんが、中国はとりあえず使えそうなものをかき集めるという無理やりな戦法を国家レベルで使うことが出来るのが恐ろしいところです。

5年前の製造技術を使ったとしてもさほど脅威にはなりえませんが、中国のこうした執念はバカにできない恐ろしさを感じることだけは確かです。

日本はアメリカにスーパー301条で制裁をすると脅されてあっさりと半導体産業を放棄してしまいました。

現代の不平等条約である日米半導体協定によって半導体の国産化率を下げざるを得ず、当時使い物にならなかった韓国のSamsungに作らせたのが韓国半導体の始まりです。

当時の半導体はほとんど日本が作っており、韓国に作らせた半導体はほとんど使い物にならなかったという話を聞いています。

なぜ半導体産業を放棄したかですが、それは自動車産業を守るためです。

結果論的に言えばこれは失敗だったと言わざるを得ません。

自動車業界はEVの台頭によって、大幅な構造転換が目前に迫っていますが、半導体の需要や重要性は増すばかりです。

 

以前貼ったことがあるような気がしますが、当時の様子がYoutubeに動画で残っていました。

全米の労働者が日本の自動車を「我々の仕事を奪った害悪」として破壊するデモが行われていました。

 

日本の主流な産業は自動車と半導体でしたが、このうち、金額が大きかった自動車産業を取って、半導体を捨てたという形になります。

当時、電子立国とまで言われた日本の半導体産業は以降、急速にしぼんでいきます。

やり玉に挙げられたのはハードだけではなく、TRONと言われる日本発のOSもアメリカの外圧によって潰されたと言われています。(こちらには諸説あります。)

Youtubeの学習系の動画でもこれらのことに触れている動画は少なく、当サイトをご覧になっている方にはせめてこういう時代があり、アメリカの外圧によって潰されたということを覚えておいていただきたいです。

今は中国も同じ憂き目にあっていますが、日本と違うところはひたすらにあきらめが悪いところです。

このあきらめの悪さは見習った方が良いと思います。

 

かつては日本にも今の台湾や韓国・中国のような黄金期があり、半導体と言えば日本だったという時代があったということです。

今はPS5や任天堂のスイッチにもnVidiaやAMDなどの外国産CPUが使われていますが、昔は国産のRISCプロセッサが使われていました。

国産CPUの火はPS3のCPUであるCell Broadband Engineあたりを最後に消えてしまいました。

今は日立製作所がRISC-Vに参加していますが、もちろん中心のメンバーではありません。

いつかまた国産CPUが復活することがあればうれしいなと思いますが、現実的に考えると難しいでしょう。

 

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