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MMOのこれまでとこれから

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今回は下火になったと言われるMMOのこれまでを振り返ってこれからどうなるのかを考えていきたいと思います。

MMO年表

 

まず、現役ゲーマーの若い人たちにはMMOの歴史は全く分からないと思いますので、年表を作ってみました。

世界初のMMOであるウルティマオンラインはかなり詳しく書いてありますが、それ以降のものについてはほとんど正式サービスのみしか書いてません。

ウルティマオンラインの正式サービスが始まったのは1997年9月24日で、ここからMMOに連なるネットゲームの歴史が始まったと言っても過言ではありません。

ウルティマオンラインは生産職などが充実しており、本当の意味でロールプレイできるMMOでした。

このゲームが最初にリリースされたMMOだったというのは後のゲームに与えた影響が大きかったと思います。

海外での正式サービス1か月後に日本でも販売されましたが、サーバーの負荷を軽減するために秋葉原で3,000個ほどしか販売されず、行列ができたそうです。

私もこの時代にはMMOはしてませんでした。

今でいうアーリーアダプターでしょう。

当時はインターネット回線もISDN(64Kbps)の従量制課金が主流で普通に歩くのも一苦労だったそうです。

今からでは想像もつきませんね。

そして翌年の1998年に日本にサーバーが正式稼働します。

これが実質的な日本のMMOの始まりと言ってよいでしょう。

 

1999年3月16日、日本では全く無名のゲームですが、これもMMOの歴史上重要なゲームがサービス開始されます。

それは「EverQuest」です。

世界初の3DMMOでEverCrackと呼ばれる中毒者を何人も出したMMOです。

海外では「EverQuest未亡人の会」というコミュニティができるほどでした。

FF11のシステムはEverQuestを参考にしたと言われています。

後のMMOにも多大な影響を与えたゲームです。

日本ではほとんど話題にならなかった「EverQuest」を大きく取り上げるのは、これ以降大作と呼ばれるゲームでは2Dは許されないという雰囲気になったからです。

 

そして、2002年5月16日 コンシューマーにもMMOの波が押し寄せます。

日本のビッグタイトルであるファイナルファンタジーシリーズのMMOであるファイナルファンタジーXIがPS2で発売されました。

約半年後にPC版も発売されました。

日本ではMMOは3Dのゲームなんだという常識は恐らくこのゲームで確立されたと言っても過言ではないでしょう。

FF11のPS2版とXbox版は2016年3月31日にサービスを終了しましたが、PC版はまだ続いています。

 

同じく2002年8月31日に2DのMMOで日本でも爆発的と言ってよいヒットを飛ばした「ラグナロクオンライン」が韓国でサービスを開始します。

日本では2002年12月31日に正式サービス開始しました。

同じく韓国勢の大作3DMMO「リネージュ2」が2004年6月25日に日本でサービス開始しました。

 

そして2004年11月23日、ギネスブックにも載った世界最多アクティブアカウント数を誇るゲームがサービス開始されます。

BlizzardのWorld of Warcraftです。

私がBlizzardを特別視する理由がここにあります。

2DのMOだったDiabloシリーズもゲームの常識を変えたと言ってもよいですが、出すゲームをことごとく大ヒットさせるBlizzardは凄いメーカーだなと思います。

以降、大作MMOにおいては3Dが常識となり雨後のタケノコのように雑多なゲームがサービス開始されます。

World of Warcraftは2010年の10月に課金者数(アクティブユーザー数)1200万アカウントを超え、ギネスブックに登録されました。

最盛期のサービスの1か月の収益は映画タイタニックの興行収入の2倍と言われています。

累計で言えば2014年1月の時点で1億アカウント、作成されたキャラクター5億キャラクターと言われています。

よく累計で語る方がいますが、World of Warcraftは月額課金制ですので、ゲームを行っているアクティブなアカウント数が1200万ですので「意外とすくない」と勘違いしないようにしてください。

基本無料のゲームだとどのくらいアクティブかというのは分かりません。

純粋に登録者数で比較するなら数字が出ている物は1億アカウントです。

現在はもっと増えているでしょう。

最盛期の1日のサーバー代が1200万円ほどといわれています。

 

2010年に旧版のFF14のサービスが開始されますが、ユーザーからの批判が相次ぎ様子見で2012年末まで無料運営され2013年8月27日に正式サービス開始です。

これ以降、大作と呼ばれるMMOはリリースされなくなり、世の中のトレンドは対戦型のゲームや日本においてはスマホゲームにシフトしていきます。

 

MMOの現状

これまで主要なタイトルの状況を振り返ってMMOの歴史を見てきましたが、現在MMOはどのような状況に置かれているのでしょう。

2017年収益が最大化したファイナルファンタジー14

松田氏:  MMO事業では『ファイナルファンタジーXIV(FFXIV)』や『ドラゴンクエストX』が共に、追加拡張ディスクをリリースして、大型のアップデートを行いました。新しいストーリーやエリア、新しい職業などを増やしたアップデートによって、FFXIVでは有料課金者数が過去最高を記録するなどの結果が伴いました。

ソース:日経トレンディネット - スクウェア・エニックスはデジタル販売強化で収益拡大 海外スタジオ制作タイトルに注目

 

MMORPGというジャンルが死んだという話は海外ではよく出ている。世界的には、MMORPGを新たに作る会社はほとんどない。通常、投資を受けてゲームを作ることになるが、MMORPGがビジネス的にリスクが高く、投資した費用の回収が難しいと投資家達は考えるようになった。まず、MMORPGは規模が大きくなければ成功できなくなった。MMOを作りたくてもお金が集まらず、ファンドの投資家たちは他のゲームを作れと要求してくる。

ソース:Game Focus - "MMORPGの時代はまた来る"、吉田直樹(FF14プロデューサー)にMMORPGの道を尋ねる(韓国語)

 

現時点で月額課金制で成功しているMMOはFF14かWoWしかないとのこと。

FF14の吉田プロデューサーひろゆき氏との対談の中で発言しており、ソースがどこなのかわからなくなってしまいましたので出せません。

一時はネットゲームの主役として華々しく語られることの多かったMMOですが、日本においてはスマホゲームの台頭とライトゲーマー、カジュアルゲーマーの増加により、伸びが頭打ちになり、海外においては対戦型ゲームや対戦型FPS、サバイバル系のFPSの大ヒットによりジャンル自体が下火になってしまいました。

なお、韓国製のMMOに関しては当サイトでも推奨PCを取り上げている黒い砂漠でSteam経由のアカウント数が17,000程度で、これらの数には日本と韓国のアカウントは恐らく入っていないと思われますが、すでに日本国内で月額課金ができるようなビッグタイトルもなく、語るまでもない状況です。

特に韓国に対して何かあるというわけではありませんので、お断りしておきます。

ソース:steamcharts.com - Black Desert Online

 

MMOの抱える問題点

・莫大な時間がかかる上に人生が詰むほど時間をつぎ込まなければコンテンツを楽しめない。

廃人と呼ばれるゲーマーが通常難度のコンテンツを次々とクリアするため、コンプリートに時間のかかるコンテンツが投入され、普通にゲームを楽しみたい人たちが楽しめない。

通常ゲーマーに難易度を合わせると、今度はコア層のプレイヤーのやることがなくなって辞めて行ってしまう。

・莫大な時間をつぎ込ませることが目的化して、ゲーム性を損なっている。

主にゲームデザインの問題だが、スキルを取捨選択してゲーム性や戦略性を高めるような工夫がほとんどなされていない。

・ゲーム内コミュニティを形成する工夫がなされていない。

多人数が参加しているゲームであるにも関わらず、ソロプレイを好む人が意外に多い。

パーティプレイは楽しさよりも人間関係の煩わしさや戦利品の配分などで揉めたりなどのギスギス感が強くなってしまう。

そのため、孤立プレイが常態化していき、人のつながりがなくなって簡単にやめて行ってしまう状況になっている。

MMOは最終的な効率を求めるとサーバー内リソースの奪い合いとなってしまうが、そうではなく、サーバー間で競わせるような同一サーバー内ではもっと優しくて緩いコミュニティの醸成が必要だったと思う。

確かに個人間のランキングなどはあってもよいと思うが、批判や足の引っ張り合いが常態化するようなギスギスしたコミュニティしか形成できなければいずれ人はやめて行ってしまう。

誰だって疲れることはしたくないものだ。

・サーバー内リソースの分配についてほとんど考えられていない。

上位と下位の差が問題になるならば、上位プレイヤーから税金として徴収した金額を下位プレイヤーに分け与えるようなシステムがあってもよいと思う。

その際、上位の納税者の名前を出すようにすれば尊敬もされるのではないかと思う。

また、サーバー内リソースの総数が積みあがってき、サーバー内のコンテンツクリアが全体の利益になるようなシステムがあってもよいと思う。

 

こうした欠点がゲーマーが世代交代し、スマホで手軽にできるゲームが出てきたことによってMMO離れ、PCゲーム離れを引き起こす原因となった。

海外においては戦略性の高い対戦型のゲーム、FPSが台頭してきてMMOの人気を食っていっている。

現在、スマホゲームでトップのグランブルーファンタジーは1500万アカウントを達成している。

ソース:Sp!cemart - 登録者数1500万人突破の『グラブル』が4位に急上昇 SSレア装備が必ず1回当たる10連ガチャが寄与か

こうしたスマホゲームのヒットは時間をいくらでもつぎ込んでくる廃人と競争するよりもガチャで運試ししたほうが公平だというゲーマーの意思表示の様にも思える。

 

MMOのこれから

MMOは一旦サービスインすると余程のことがない限り簡単にサービスは無くならない。

少なくとも大作と呼ばれるゲームで今回MMOの年表に上がるようなゲームは10年以上サービスが継続しているゲームばかりだ。

私の経験上、運営側が「やらせてやっている」という台詞を出す世界というのはどんなに栄華を誇っても下火になっていく。

一時期ネットゲームが盛んな某国産のゲームの運営でしばしば聞かれた言葉だ。(もちろん公の発言ではありません。)

複数のタイトルをプレイしたが、某国の運営に限ってこのセリフが聞こえてくる。

これもあって、私は某国産のタイトルはプレイしないことにしています。気分悪いですし。

これからMMOはどんどん下火になって新しく作られることは無くなってくるのかもしれない。

日本においてはFF14の次回作もかなり厳しいと思うし、世界ではWoWの次回作も厳しいだろう

こうしたことはユーザーの声なき声を無視し続けてきた代償だろう。

しかし、上で指摘したような欠点をクリアしたMMOが出てくれば、再び大ヒットを飛ばすMMOが生まれてくる可能性は十分にあると思う。

しばらくMMOは黄昏の時代がつついていくだろう。

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