ドスパラが自社専売16万円グラボの初期不良を「不具合なし」で修理拒否→買取依頼すると「不具合あり」で10円に
当サイトでも以前、記事で取り扱っていたガレリアで有名なドスパラで専売しているPalit社の「Geforce RTX2080Ti Gaming OC」で以前の記事で取り上げた不具合が発生して、現象の発生が再現できずに修理を拒否して、そのGPUを買い取りに出したところ「不具合あり」で買い取りが10円になったという話です。
当サイトはすでに扱うのをやめたので、この話を出せますが、ほかのゲーミングPCの宣伝をしているサイトさんでは出せない話だと思います。
スポンサーに不利な話は出せないのでこれはある意味仕方ないのかなと思います。
当サイトも、今回に関してはどちらかといえばドスパラよりのスタンスになります。
まず、今回のような話が実際に成立するのかといえば、可能性はかなりあります。
今回の話では完成品ではなく、パーツ単位の話ですので、たまたまサポートでは再現できなかった可能性あります。
ただし、今回の話では買い取り部門では再現されていますので、担当する部署によって対応が違うというのは、顧客側から見るとかなり不信感を持たれる対応で、批判を浴びても仕方ないのかなと思います。
しかも今回は店側に有利な場合のみ認めいますのでなおさらまずかったのかなと思います。
この話を受けてか、中古の買い取りでRTXシリーズを拒否する店も現れています。
Geforce RTX2080Tiは非常に高額なGPUで、16万円もする製品を販売して、この対応は商道徳的にはかなりまずかったのではないかと思います。
当サイトでも以前の記事で取り上げましたが、この画面に「XO」が大量に出る一連の不具合はnVidia側も認めているかなり有名な不具合です。
この話が出た時点で、即交換に応じるようにサポート担当者に通達しておいてもよかったのではないかと思います。
私も実際にGeforce RTX2080Tiを持っていますが、RTX2080Tiのみ一度VGA BIOSのアップデートも入りましたし、実はドライバのバージョンによってもかなり回るものもあり、そういうところも関係しているのかなと思います。
私のようなユーザーだと、ドライバ類は付属のCDではなく、ダイレクトにメーカーのHPに取りに行きますが、そうでなかったら付属のものをそのまま使い続けても不自然ではないです。
初物を求める人たちの中にはやはりいまいち初物の意味が分かってない人たちも混じっているかもしれません。
時折見るとはなしに見ていただけなので断言はできませんが、最初の方のドライバ(416.XX)では1900MHzオーバーまで回っていましたが、417.XXに入ってからは1800MHzくらいまでしか回らなくなりました。
先日お伝えしたように液体窒素を使ったOC限界が2608MHzということなので、ドライバの更新をずっとせずにガンガン回していると危ないのかもしれません。
一応、Founder's Editionのブースト上限は1635ということになっていますが、各社のOC版ではそういうのは全く関係なく、回せるところまで回るという感じになっています。
※Founder's Editionも含めて、チップ型番末尾にA付きの高性能版は回せるところまで回すという仕様になっていて、最低保証が1635ということのようです。
RTX2080Tiに3スロット版が多いのはこうしたところも関係しているのかなという感じです。
このブーストクロック上限の変動については、RTX2080はぴったり1905MHzですが、RTX2070/2080Tiに関しては温度か消費電力で回るところまで回すという感じになっています。
(黒い砂漠FPS採取時ののArterburnerのログによります。)
さすがに2000MHz近く回すのはいくらシリコンの個体差があるとはいえ、無理があるのではないかと感じます。
サポート担当者と不具合を報告する客側のリテラシー
パーツ単位の販売となると、残念ですが、普通にこういう話は今後も出ると思います。
しかし、自作PCというのはリスクが高い消費行動なので、この手の話が出る店は普通は徹底的に避けられます。
仮にドスパラ側に落ち度がなかったとしても、可能性の問題だけでも避けられてしまうということですね。
Windows10の場合、
コントールパネル(旧)-セキュリティとメンテナンス-信頼性の履歴
で信頼性モニタを開くことができます。
※ 信頼性モニタの画面。不具合が発生した個所は詳細を確認することができる。
ここで、不具合の詳細を見ることができますので、その詳細をSSで取って報告するなり、印刷して送りなりすれば、BTOの完成品PCならば、たいていの場合、不具合は認められると思います。
(ただし、パーツは再現性の問題がありますので、そうならない可能性もあります。そういう世界なのでこうした話が出た場合、可能性だけでも避けられてしまうということです。)
Windows10は一万数千円の単体売りのOSですので、業者側がサーバーを用意すれば、こうした不具合をレポートにデジタル署名付きでネット経由で報告できる機能があるのが当然だと思いますし、そういう機能があれば、こういったトラブルは激減するのかなと思います。
ドスパラだけではありませんが、BTOのPCを販売している各社は法人向けの販売もしていると思います。
仕事でPCを導入する一番の意義は生産性の向上です。
サポートにおける生産性の向上とはサポート品質の均一化も含まれると思います。
にもかかわらず、当の販売している会社が相変わらず80年代のテイストで担当によって対応が違うという前時代的な話が出たのでは、会社の信用にも傷がつくでしょう。
今回の話だとサポート担当者のリテラシーも低かったのではないかと思います。
そうでなかった場合、倫理的な問題に発展しますので、それはなかったと仮定の上での話です。
今回は有名なGPUの不具合で、原因ははっきりしていますが、変なトラブルに当たる人というのは安物の電源を使ってる人が多いので、トラブルが起きた時に安心してチェックできるようにできる限り高品質な電源を使ったほうがよいと思います。
私が推奨している電源はどれも高いですが、いざというときにものをいうのはやはり電源の品質なので、サポート依頼するときにも話が違ってくる可能性はあると思います。
これがわたくしがよい電源を勧める理由の一つです。
eSportsがスポーツ・競技として認められていく上で避けて通れない道
PCパーツというのは薄利多売の商売なので、はっきり言ってこういう話は今後も出ると思います。
今もこのレベルの薄利多売をしている店があるのかどうかはわかりませんが、どのくらい薄利多売かというと、その昔はクレジットカードで決済すると手数料で赤字になるので拒否する店があるほどの薄利多売です。
しかし、eSportsとして世間に働きかけていく以上、いつまでも秋葉だけで通用する理屈を通し続けるわけにはいかないと思います。
競技になって人にみられるということは、世間の一般的な通念が適用されていくということであり、秋葉やPCパーツショップという村の中だけで生きていくというわけにはいかなくなるということです。
eSportsが「スポーツ」で青少年の健全な育成に寄与しているというような方向性に話を進めるならば今後もこう言ったこと(秋葉ルール)は問題になると思います。
仮にドスパラ側が悪くなかったとしてもかなりのマイナスイメージでしょう。
メジャーになるということはサポートも含めた厳しい品質が求められるということでもあります。
こういったことは、eSportsをスポーツとして世間に認めてもらうには、避けては通れない道のりだと思います。
今回、ネットのメディアでこの話が取り上げられたのはやはりeSportsでドスパラやガレリアというブランドが世間に周知され、世間から注目を浴びているという証拠だと思います。
ドスパラは単なる秋葉の無名のPCパーツショップではなく、eSportsをリードするトップ企業の一つになってしまいました。
単なる秋葉の無名のパーツショップでは通ったこともスポーツを推進するトップ企業には許されないことというのはあるのではないでしょうか。
各パーツショップとも、BTOにも進出し、一般の方も高性能PCを求めるようになりました。
それに伴って根暗なオタクがゲームの世界に引きこもるための高価なオモチャから、極限まで鍛え上げられたプロたちがしのぎを削り戦いに勝つためのスポーツギアになりました。
極論すれば、もはや、路地裏で怪しげな半導体パーツを売っている日の当たらないお店ではなく、テレビで中継されるスポーツの用具を売っている一般店になったということです。
ドスパラに限らず、各ショップにこういった自覚がなく旧態依然のままのやり方を続けていると世間とのギャップがどんどん広がり、いずれ、大きな問題になるかもしません。
今回の騒ぎはそういった状況になりつつある前兆のように感じます。
せっかくここまでガレリアというブランドを築き上げてきたわけですから、ぜひ大事にしていただきたいと思います。
ゲームがスポーツになるというのはかなり有意義なことだと思いますし、eSportsを牽引しているのはBTOだと思いますので、今回の話を糧にドスパラさんやBTO各社にはぜひ頑張っていたただきたいところです。
実は、今回の話はわたくしも他人事ではないんですよね(笑。