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TSMCの動向と今後の最新プロセスの展望について

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TSMCがアップルと独占的な契約を結んでアップルのA13プロセッサ製造することになりました。

A13プロセッサはARMのカスタムSoCで、2019年発売の新型iPhoneに搭載されるチップです。

このA13は7nmEUVで生産されることになるそうです。

今まで7nmの開発競争に参加していた企業は「intel、TSMC、Samsung Electronics、GLOBALFOUNDRIES」です。

このうち、intelは7nmEUVの量産コストが下がるまで待つことを決定、Samsung Electronicsは開発を継続していますが、顧客からのオーダーが入らないのではないかと言われており、GLOBALFOUNDRIESは先日もお伝えした通り、生産を諦めました。

※ EUV(Extreme Ultravioletの略)リソグラフィとは、極端紫外線と呼ばれる非常に短い波長(13.5 nm)の光を用いるリソグラフィ技術で、従来のArFエキシマレーザ光を用いた光リソグラフィ技術では加工が難しい20 nmより微細な寸法の加工が可能となります。

intelは知っての通り、10nm(各社の7nmに相当)で量産に失敗して製品の延期を繰り返しています。

10nm(7nm)の量産コストが下げられないために、量産コストが下がるまでEUVの導入を見送る決定をしています。

GLOBALFOUNDRIESは「28nmから14/16nmで顧客のオーダーが半分になり、7nmではさらにその半分になる見込みである」公式にコメントしており、7nmやEUVに対する投資意欲そのものを失ってしまったようです。

この中で唯一残ったのがTSMCで、7nmとEUVは当面のところTSMCが独占的に供給することになりそうです。

※ 7nmEUVに関しては7nm+という扱いになるようです。

Samsung Electronicsはいまだに7nmEUVを開発しているようですが、顧客のほとんどは(韓国に事業所があり、SamsungにべったりのQualcomですら)TSMCにオーダーするようですので、Samsung Electronicsにとってはかなりリスクの高い投資になるようです。

この7nm+(7nmEUV)に関してはTSMCではすでに製品がテスト的に製造されていて、くだんのアップルなどの顧客の手に渡っているそうです。

そのため、7nm+は予定通り2019年の後半には商業生産が開始される見込みです。

※ このことから、2020年には遅れなくRyzen4000シリーズが発売されるものと思います。intelは2019年に10nmのIceLakeを発売しますが、すぐに周回遅れになってしまいそうです。

TSMCが遅延なく計画を進めたことによってAMDやnVidiaは予定通り製品の高性能化を進めることが出来るでしょう。

但しアップルなどの資金力が豊富なスマートフォン勢と生産能力を取り合うことになりそうですので、こうした事情で最新の製品はやはりあまりコストダウンは望めそうにありません。

今回のニュースは一見PCの世界には関係ないように見えるかもしれませんが、生産技術に関してはアップルやQualcomなどのAndroid勢、GPUもほとんどがTSMCに生産を委託しており、他社の動向を見ていれば予定通りいくか行かないかは大体わかります。

残念ながらITの世界の主役はPCからスマートフォンに移ってしまい、最新のプロセスを真っ先に使うのはアップルやAndroid(Qualcomなど)になってしまいましたが、プロセスが順調に微細化できればそれだけCPUやGPUが高性能化出来、その恩恵はゲーマーにも降りてきます。

7nmの次はどうなるかといえば、5nmになります。

2019年4月に5nmのリスク生産ができるようになるようです。

初期投資コストは7nmは1.5億ドル(日本円で169.5億円)でしたが、5nmは2億ドルから2.5億ドル(日本円で226億円から282.5億円)になると言われており、最終製品のコストもますます跳ね上がる傾向になりそうです。

逆説的に考えればこうしたコストの負担を世界中にいるスマートフォンのユーザーがしてくれていると言えますね。

いずれにしても世界の半導体製造のトップランナーはintelからTSMCに変わってしまいました。

これは、IT機器の主役がPCからスマートフォンに移ってしまい、intelがスマートフォン・タブレットの世界で後れを取ったという事実とぴったり符合しているのはこの世界の時代の移り変わりの速さを象徴しています。

たとえintelのような大企業でも時代の変化についていけなければあっさりとトップランナーから滑り落ちてしまう競争の激しい世界ということです。

先ほども書きましたが、こうした半導体産業の発展に投資(買い支え)しているのはPCユーザーだけではなく、スマートフォンのユーザーの割合が増えてきたということです。

こうした因果関係を意識しておくと同じ情報を見ても見えてくるものが違ってきます。

ソース:wccftec - TSMC to Be Exclusive Supplier of Apple’s A13 Chipsets Next Year for 2019 iPhone Lineup

Techpowerup - TSMC 7 nm Second-Generation EUV Chips Taped Out, 5 nm Risk Production in April 2019

Giraphoton - 1. EUVリソグラフィとは?

Anandtech - GlobalFoundries Stops All 7nm Development: Opts To Focus on Specialized Processes

 

 

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