AMD Ryzen Z2 Extreme APUがオンラインに登場、この次世代チップは将来のゲーム携帯機に搭載される。
AMD Ryzen Z2 Extreme APUは3+5コア構成でTDP 28W、次世代ゲーミングハンドヘルド機に搭載予定
AMD Ryzen Z2 Extreme APUは、ASUS ROG Allyなどのゲーミングハンドヘルド機向けに作られたAMDのカスタムAPU Z1 Extremeの後継となる見込みだ。
Z1 ExtremeはZen 4アーキテクチャをベースにしているが、AMDはすでにZen 5ベースのデスクトップおよびノートPCラインアップ、すなわちRyzen 9000およびRyzen AI 300 APUを明らかにしているため、AMDがZen 5ベースのカスタムZ2 Extreme APUをリリースすることは避けられない。
これは最近リークされたNBDの出荷マニフェスト(via @Olrak29_)で確認されたもので、チップは「Z2X28W」、IDは「100-000001684」となっている。
Z2XはZ2 Extremeのコードネームで、28WはAPUのTDPと思われる。
これは、Z2 ExtremeがTDP 9-30Wで動作するという噂を裏付けるものだが、最大TDPは28Wになるようだ。
それでも重要なのは、AMDが約束通りZ2 Extremeの準備を積極的に進めているということだ。
数週間前、AMDはRyzen Z2 Extreme APUを2025年の早い時期にリリースするよう取り組んでいることを確認した。
これは、現在のStrix PointのラインナップがゲーミングハンドヘルドPCには高価すぎるのに対し、次期Krackan PointはメインストリームノートPCにフォーカスするためだ。
我々は、AMD Strix Point Ryzen AI 300プロセッサーを採用したミニPCについては数台しか耳にしていないが、Strix Pointベースのゲーミングハンドヘルド機を発表したハードウェアメーカーはない。
MSIはClaw 8にLunar Lakeを採用し、ZOTACはGaming ZONEにZen 4ベースのチップを採用した。
Z2 Extremeは、ROG AllyやLenovo Legion Goのようなハンドヘルド機の強固な代替となるため、今後のゲーミング・ハンドヘルド機は、Z2 Extremeの登場で形を変える可能性がある。
AMDのRyzen Z2 Extreme APUは、3x Zen 5と5x Zen 5cコアによる3+5コア構成を特徴とする。
ハイパースレッディングと最大16MBのキャッシュを搭載する。
iGPUはRDNA 3.5アーキテクチャをベースとし、Ryzen AI 9 HX 370 APUと同様に12個のコンピュートユニットを搭載する。
Z2 Extremeは、ハンドヘルド機のゲーム性能を向上させるだけでなく、AMDのジャック・ヒョン上級副社長が以前から力を入れているバッテリー駆動時間の大幅な改善にもつながると期待されている。
次世代携帯ゲーミングPC用SoC:
CPU 名 | Intel Lunar Lake | AMD Ryzen Z2 Extreme | AMD Ryzen Z2 |
製造プロセス | TSMC N3B | TSMC N4? | TSMC N4 |
最大コア数/ スレッド数 | 8/8 | 8/16 | 8/16 |
最高クロック | 5.1 GHz | 未定 | 5.1 GHz? |
最大キャッシュ | 12 MB | 16 MB | 16 MB |
TDP レンジ | 8-30W | 9-30W? | 9-30W? |
GPU アーキテクチャー | Xe2 | RDNA 3.5 | RDNA 3 |
最大GPU コア数 | 8 Xe-Cores | 12 CUs | 12 CUs |
最高TFLOPs | 未定 | 未定 | 未定 |
発売時期 | 2025Q1 (携帯用) | 2025Q1 | 2025Q1 |
ソース:wccftech - AMD Z2 Extreme APU For Next-Gen Handhelds Spotted, 8-Core Configuration Confirmed
解説:
ROG Allyに採用されて大ヒットしたAMD Ryzen Z1シリーズの後継製品Z2シリーズの噂が聞こえてきました。
Ryzen Z1は市場に携帯ゲーミングPCという新たな需要を創出し、ほぼ採用を独占しました。
一つのSoCが搭載されることによって、搭載機種の用途を決定づけるほどの特徴のあるAPUです。
Z1には高性能なExtremeと低価格なZ1無印がありましたが、今回もZ2/Extremeの2種類が用意されているようです。
Z1 Extreme は8コア16スレッド、Z1は6コア12スレッドでしたが、Z2は無印もExtermeも両方とも8コア16スレッドになっています。
おそらく、Z2 ExtremeはKrackan pointで、Z2がPhoenix point(Ryzen Z1 Extreme)のリネーム品ではないかと思います。
これだと、メモリの帯域を使い切ってゲーム性能ではあまり差がつかないと思うのですが、どうなのでしょうか。
これらのAPUにはさらに次の世代にBald Eagle Pointという内臓GPU向けのキャッシュが搭載されるモデルが予定されていますが、ゲーム用としてはそちらが本命だと思います。
現実問題、NPUより内臓GPU性能を極限まで高める大容量キャッシュの方がゲーム向けとしては優先度が高いと思います。
FSR4からアップスケーラーもフレーム生成もAIベースになるので、APUは次の世代あたりでPS5に近い性能を発揮するようになると思います。
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