ウォール街は、アマゾンとの巨額の契約を含むIntelの再建戦略に対する最新の演出に感心していないようで、チップメーカーは最終的に、現在の泥沼から抜け出すには完全な売却しかないという結論に達するかもしれない。
そして今、Intelに魅力的なオファーがあると報じられている。
ウォールストリート・ジャーナル紙は、QualcommがIntelに買収提案を持ちかけたと報じている。
今のところ、交渉は暫定的なものだが、買収が実現すれば、業界全体に大きな影響を与えることになるだろう。
Intel has 15 fabs; the fabs alone are worth $10bn/each in liquidation value.
The value created by management is negative $50 billion. https://t.co/HkqUQJ4A6J
— zerohedge (@zerohedge) August 2, 2024
また、Intelが巨大な企業であることから、いかなる買収案件も当局から独占禁止法の監視の目を向けられる可能性が高い。
しかし、効果的な緩和策として、米国当局がこのような買収を国家安全保障上重要であると判断し、QualcommのIntelに対する買収提案に強力な追い風となる可能性がある。
もちろん、数週間にわたる憶測の後、Intelは最近、コア・コンピタンスを削りつつある根深い倦怠感に対抗するための最新のゲームプランを明らかにした。
その計画の中心は、ファウンドリー部門の勢いを高めることである。
具体的には、Intelは現在、製造部門を独立した子会社として分離することを計画しており、これにより、Intelのチップ設計と製造能力の間に必要な距離が生まれ、新たな顧客を引き付ける上で重要な役割を果たすことができる。
もちろん、アマゾンは現在、Intelのチップ製造の野望の中心的な顧客として浮上している。
計画されている協力関係の第1段階では、チップメーカーは「Intel 3」プロセスを活用して、アマゾンのデータセンターのワークロード用にカスタムXeon 6チップを製造する。
第2段階では、IntelはアマゾンのAWS向けに、TSMCの2nmプロセスと互換性のある18A製造プロセスで「AIファブリック・チップ」を製造し、2025年に商業段階に入る予定だ。
Intelが100億ドルのコスト削減を実現するためにすでに発表している他の措置に加え、同社はポーランドとドイツの工場の建設工事を2年間中断し、マレーシアの新しい先端パッケージング工場の稼働を遅らせた。
さらに、Intelはすでに発表したレイオフ計画の約半分を実施しており、2024年末までに約15,000人の従業員が同社を去ることになる。
同社はまた、「年末までに全世界の不動産の約3分の2を削減または撤退させる 」予定だ。
重要なのは、Intelがアリゾナ、オレゴン、ニューメキシコ、オハイオでのプロジェクトを進めていることだ。
これにより、国防総省のいわゆる 「Secure Enclave 」イニシアチブの下での連邦政府からの35億ドルの資金を含む、CHIPS法の資金による継続的な支援が確保されるはずである。
最後に、以前の噂に反して、Intelは同社のFPGA部門であるアルテラの株式市場デビューを促進することを改めて支持している。
Intelの最新の再建戦略がQualcommとの交渉にどのような影響を与えるかはまだわからない。
ソース:wccftech - Qualcomm Reportedly Taps Intel With An Acquisition Offer
解説:
QualcommがIntelに買収提案
ものすごい時代になりましたねぇ。
この報道はすでに国内でもなされていますので、その時にIntelとQualcommの時価総額を調べてみました。
Intel 時価総額933億ドル
Qualcomm 時価総額1,881億ドル
いつの間にかQualcommの方が時価総額が高くなってたんですね。— Lisaちゃん@PC自作 (@KotoriKanase) September 21, 2024
上のようになっています。
QualcommのほうがIntelより時価総額が高かったのは知りませんでした。
それどころかは2倍の時価総額になっていますね。
この買収提案は巨大すぎてアメリカ当局にストップをかけられる可能性が高いとのことですが、逆に言えば、当局がゴーサインを出せばかなり買収に関して後押しすることになるのではないかと思います。
Intelの製品見通しに関してはLunarLakeはかなり希望が持てるようです。
理由は下の動画に詳しいです。
こういう人たちと同じことを言っても仕方ないので、経済状況の見通しをお話しします。
アメリカFOMCが金利を下げ始めたことはみなさんご承知のことと思います。
政策金利を下げ始めてからしばらくしてから巨大な不景気がやってくるのが通例なので、今年の末あたりからリーマンを超えるクラスの不況がやってくるといわれています。
LunarLakeが良い製品で生産性も悪くないというのは良いニュースですが、肝心の市場が積極的に購入するだけの購買力がないかもしれないということです。
また、Intel18AはBroadcomが発注していた製品があったといいますが、検査に不合格(歩留まりが低かった?)らしいので、あまりうまくいってないようです。
今回、買収提案を持ち掛けている当のQualcommも大規模なリストラをして事業の再編をしていますので、Intelも当面苦しい展開が続くと思います。
景気が良いのはAI向けの製品がある程度成功しているメーカーが中心で、IntelはAI向けの製品に乗り遅れたこともあり、かなり苦しい展開が続くのではないかと思います。
Intelの浮沈はIntel18Aがきちんとロンチできるのかどうかにかかっているということになります。