AMDは、次世代FSR「FidelityFX Super Resolution」技術にAIを活用する提案を予告している。
NVIDIA DLSSとIntel XeSSに続き、AMDも次世代FSR "FidelityFX Super Resolution "技術にAIを組み込むことを検討している。
AIは、2018年のTuring発表以来、Tensorコアアーキテクチャを活用してきたNVIDIAのDLSSのようなアップスケーリング技術に大きく関わってきた。
インテルもまた、コードネームAlchemistと呼ばれる同社のディスクリートGPUアーキテクチャに搭載されたXMX AIコアを活用したXeSS技術でアップスケーリングバンドワゴンに乗り込んだが、AIの楽しみに乗り遅れている主要GPUベンダーが1社あった。
FSRの発表以来、AMDはアップスケーリング技術にAIを使用することに反対しており、AIにはアップスケーリング技術以外にも有意義な使用例があるとさえ述べてきた。
これにより、AMDはFSRを旧来のGPUアーキテクチャに対して若干オープンにし、NVIDIAやIntelといった競合他社の製品にサポートを提供することさえできるようになった。
AMDは、RDNA 2やRDNA 3といった最新のコンシューマー向けハードウェアにAIコアを組み込んでいるが、AMDが人気の高いFSRアップスケーリング・テクノロジーの将来バージョンにAIの利用を組み込む計画を予告しているため、ようやくAIが適切に使用されるのを見ることができそうだ。
2024年は当社にとって非常に重要な年です。というのも、当社はAIのためのハードウェアとソフトウェアの開発に長年費やしてきたからです。クラウド、エッジ、PC、組み込み機器、ゲーム機器など、当社の全ポートフォリオをAIで実現することを完了したばかりで、2024年は当社にとって本当に大きな展開の年となります。
マーク・ペーパーマスター(AMD CEO) No Priorsより
No Priorsとのセッションで、AMDのCTOであるMark Papermaster氏は、AIを搭載したアップスケーリング技術をゲーミングデバイスに導入しようとしていることを強調した。
ゲーミングデバイスというのは、Radeon GPUのラインナップだけでなく、AMDのゲーミングビジネスのかなりの部分を占めるコンソールについても言及しているのかもしれない。
おそらく、現在のコンソールではこの技術を見ることはできないだろうが、
ソニーとマイクロソフトの両社がラインナップを一新するという噂はすでに流れており、AMDが次世代アップスケーリング技術を展開する軸となる可能性はある。
AIベースのアップスケーリングには、デメリットよりもメリットの方が多い。
主な利点は、AIで行われるアップスケーリングは単純により良く見えるということだ。FSRが競合他社と同じレベルのビジュアル/画質に達することがあるのは間違いないが、多くの場合、そうではなく、AIベースのソリューションが先行している。AMDはAIを使うことでそのボトルネックを解消できる。
欠点は、そのようなアルゴリズムを実行するためにはAI専用のハードウェアが必要であり、それは将来のFSR技術が特定のアーキテクチャだけに限定される可能性があることを意味する。
一方、AMDは最新および旧式のハードウェアでFGサポートを提供しているが、品質と滑らかさはDLSS 3に対して少し欠けている。
Intelも補間(DLSS / FSR)の代わりにフレーム外挿を利用する独自のフレーム生成技術に投資している。
解説:
AMDのFSRがようやくAI技術に対応か?
AMDはFSR3でフレーム補完に対応しましたが、あれはFluid Motionの延長線上の技術でAIは使われていません。
これ、知らない人結構いると思うのですが、そういう人は何を言っているのかさっぱりわからない状態でしょう。
次期FSR(FSR4?)でようやくAI技術に対応するということのようです。
これがFSR4になるのであればおそらくRDNA4とワンセットとなり、ようやくAI/MLに本格対応するということになるのでしょう。
しかし、残念ながらNavi41/42はキャンセルされるといわれています。
Navi43のみが発売されるということになるとRX8600(?)だけがFSR4にて性能を伸ばすということになると思います。
またROCmに関してもRDNA3に関して言えば、Navi31のみが対応となっており、RDNA4に関してもそのように進んでいたものと思います。
ここで、Navi41/42がキャンセルされた場合、ROCmで対応するのかどうかは未知数ということになります。
「存在しないNavi41」のためにROCmがgfx1200に対応するのかどうかは興味深いところです。
今まで何度も書いていますが、Strix PointやKracken PointのiGPUもRDNA3+とRDNA3世代にとどまる予定であり、RDNA4ではありません。
もちろん偶然かもしれませんが、非常に示唆に富んだ状況であることは確かです。
FSRでAIに対応するということはおそらく、RDNA4世代でかなりAI性能が強化されるのでしょう。
しかし、この状況でNavi41/42がキャンセルされるのはROCmのスクリプトを配布している当サイトとしては非常に残念でなりません。
個人的にはROCmがgfx1200系列に対応することを願ってやみませんが、そんなに多くはないと思いますが、一般のユーザーでROCmの対応を期待されている方は対応状況がはっきりしてからのほうがよいでしょう。
※ 正式には対応する可能性が低いので動くのかどうかは実際に試してみるほかはなく、確認は非常に難しいでしょう。
ゲーム向けのGPUを使ったホビー用途の生成AIが流行る中、AMDもAIBもRadeonに関してはガン無視の状況で、もう少し力を入れても罰は当たらないではないかなあと思います。
一般ユーザーでは機材をそろえるのが難しく、非公式でもせめて動作確認くらいはあってもよいではないかなあと思います。(苦笑。
まあ、公式には対応してないことになっているので、難しいのでしょうねえ。
AMDのGPU Radeonシリーズ
Radeon 7000シリーズ
Radeon RX 6000シリーズ
※ SAPPHIREはAMD Radeon専業のメーカーであり、Radeonのリファレンス的なメーカーです。