SMICの躍進を食い止めようと奮闘する米政府。
中国のSMICとファーウェイは、技術進歩の抑制を目的とした米国の規制を無視して、チップ技術で躍進していると、元TSMC副社長のバーン・J・リンがBloombergの貴重なインタビューに答えた。
同氏は、SMICがすでに所有しているASMLのリソグラフィ・ツールによって、同社は5nmクラスの製造プロセスに進むことができると考えている。
「米国が中国のチップ技術向上を完全に阻止することは不可能だ」と林副社長はブルームバーグに語った。
米国が制裁措置によって技術的制約を課しているにもかかわらず、SMICは第2世代の7nm級製造プロセスを開発することで、特筆すべき回復力と創意工夫を見せてきた。
また、ファーウェイが7,000万台のスマートフォンを供給する計画を立てるのに十分な歩留まりを達成した。
SMICはASMLのTwinscan NXT:2000iリソツールを使用したとされ、これは7nmおよび5nmクラスのプロセス技術でチップを製造できる深紫外(DUV)リソグラフィスキャナーである。
この装置の中国への輸出は、今年初めにオランダ政府によって規制された。
ツインスキャンNXT:2000iの特徴である解像度(≦38nm)は、7nmクラスのシングルパターニングリソグラフィ量産には十分です。
しかし、5nmクラスのプロセス技術となると、より微細な解像度が必要となる。
これは、複雑なパターンを複数の単純なパターンに分割し、それらを順次プリントするリソグラフィ技術で、半導体製造においてより高い精度と細部を実現する。
マルチパターニングの使用は、歩留まりやウエハー1枚当たりのチップ量に影響するトリッキーなプロセスであるため、通常、経済的な理由からその使用は制限されている。
しかし、SMICはすでに所有しているツールに制限されているため、より微細な解像度のためにマルチパターニングを使用する以外の選択肢はない。
どうやら、ファーウェイに受け入れられる歩留まりを達成できたようだ。
その結果、米国政府による中国半導体セクターへの規制が機能しているかどうかを問うことができる。
「米国が本当にすべきことは、中国の進歩を制限しようとすることではなく、チップ設計のリーダーシップを維持することに集中することである。
興味深いことに、米国の制裁措置は、SMICにとって不注意にもチャンスの扉を開いてしまったようだ。
TSMCに課された、特定の中国企業との取引を禁止する制限により、SMICは参入し、多額の受注を得ることができた。
この変化は、SMICの製造技術と技術力の強化を促進した。
ソース:Tom's Hardware - U.S. Cannot Halt China's Semiconductor Advance to 5nm: Ex TSMC VP
解説:
TSMCはアメリカの制裁でSMICの躍進を止めることができないと考えている
恐らくこれは多分のポジショントークも入っていると思います。
要はアメリカの制裁によって中国からの受注が受けられなくなったので、「いい加減制裁は止めてくれ」と言うことなのでしょう。
私は自国で賄っているわけではありませんので制裁には意味があると思います。
元々、中国の躍進を支えたのはアメリカや台湾・韓国・日本やEUの経済人の売国的な経済偏重主義です。
中国が地域の平穏を脅かすようになってからもひたらすら金・金・金を連呼して暗に中国と取引させろと言うのはあまりに無責任すぎると思います。
結局はASMLの製造装置を使っている以上調達できなければ次は作れないのではないでしょうか。
当の真っ先に中国の侵攻を受ける可能性の高い台湾の企業からしてこれですから、大企業と言うのが如何に無責任なのかよくわかるのではないでしょうか。