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更新:HIKSEMI FUTURE PCIe 4.0 SSD 2TB FUTURE70-02TB レビュー PS5対応

更新日:

他製品との比較:7000MB/s超クラス PCIe 4.0×4 SSD 2TB/4TB 製品比較 PS5対応

 

概要

さて、怪しいSSDシリーズですが、一時中断して怪しくないSSDをレビューします。

今回はHIKSEMI FUTURE PCIe 4.0 SSD 2TB(FUTURE70-02TB)のレビューです。

さて、こいつが如何な素性の製品なのか説明します。

 

 

 

レビュー品の紹介

剥がすと後が付くシールで封印がされており、非常に中国らしいです。

中には本体の他、説明書とドライバー、M.2固定用ネジが入っています。

ドライバーとネジ

本体

本体にはQRコードが付いていて、その下にはシリアルナンバーが付いています。

 

さて、まずHIKUSEMIですが、中国の超有名なメモリ企業です。

主に監視カメラ、車載カメラ、産業用途などでかなり有名なメーカーです。

HIKSEMI公式HP(英語)

https://www.hiksemitech.com/

当サイトから飛ぶと403になるのでURLを張っておきます。

アドレスバーにコピペしてください。

公式HPに行けばわかりますが、今まで紹介してきた企業とは次元が違うレベルの企業です。

amazonでの登録日が2022/2/22なので、日本に進出(?)したばっかりなのでしょうね。

誰も気が付いてないのか知らないのかはわかりませんが、誰もまだレビューしていないのでこの超有名なメモリ企業の製品が誰の目にも止まってないというのはちょっと驚きました。

価格は2TBで税込17,800円です。

公式で出しているヒートシンクが1,680円なので、PS5に使うときはこれを使えと言うことなのでしょう。

合計すると19,480円になり、競合する格安の2TB SSD製品と大体同じ価格になります。

この価格が一般向けとして売り出し始めたバーゲン価格なのかずっと格安路線で行くのかはちょっとわかりませんが、HIKSEMIの監視カメラや産業分野での知名度を考えると今だけの価格と考えた方が良いのかもしれません。

 

HIKSEMI FUTURE SSD 商品紹介ページ(英語)

https://www.hiksemitech.com/en/hiksemi/all-products/solid-state-drive/hs-ssd-future.html

 

HIKSEMI FUTURE Consumer SSD 仕様

製品寸法M.2 2280 M.2 2280 M.2 2280 M.2 2280
容量512GB1024GB2048GB 4096GB
最大シーケンシャル
リード (MB/s)
7050MB/s7450MB/s7450MB/s7450MB/s
最大シーケンシャル
ライト (MB/s)
4200MB/s6600MB/s6750MB/s 6500MB/s
最大ランダム
4K リード IOPS
710K860K860K907K
最大ランダム
4K ライト IOPS
640K670K690K700K
最大消費電力3.66W3.92W3.98W5.44W
TBW 900TB1800TB 3600TB 7200TB
記憶素子3D TLC 3D TLC 3D TLC 3D TLC
インターフェイスPCIe Gen 4 x 4 PCIe Gen 4 x 4 PCIe Gen 4 x 4 PCIe Gen 4 x 4
MTBF 2,000,000 時間2,000,000 時間2,000,000 時間2,000,000 時間
動作温度0~70℃ 0~70℃ 0~70℃ 0~70℃
Storage temperature-40 °C ~ 85 °C
重量7g以下7g以下7g以下7g以下
保証期間5年5年5年5年

※ 上の表の容量の部分をクリックすると販売ページに飛びます。

4TBはヒートシンク付もあります。

 

公式サイトのスペックを見ればもうすでにほとんどのことが書いてあります。

セルはTLC、TBWは容量1TB当り1800TBWです。

5年保証で、スペックを見るだけでも今まで紹介してきた製品との違いが伝わってくるのではないかと思います。

シーケンシャル性能は最大7,450MB/sで、この数字は明らかにSamsungの990PROを意識しています。

しかし、ランダム性能はReadが860K、Writeが690Kとあまり奮いません。

実際にどうなのかはこれから検証していきます。

まずいつも通り、maxio_nvme_fid.exeで情報の取得を試みました。

しかし、maxio_nvme_fid.exeをかけると途中で止まり、Windowsごと停止しましたのでハードウェアリセットしました。

再起動してUEFIに入ると、FUTURE SSDの表記が消えていたので、いったん完全に電源側のスイッチをオフにして暫く待って再起動すると正常に認識しました。

しかし、アンセーフシャットダウンが2増えて気分はかなり落ちました。

そう言った犠牲の上で取得した情報はコントローラーはmaxio社製MAP1602で、フラッシュはYMTC 3dv4-232L(x3-9070) TLC 16k 1024Gb/CE 1024Gb/dieでした。

この価格だとフラッシュは絶対にYMTCだと思いましたが、残念ながら予想通りでした。

途中で止まりましたが、ログは止まったところまで出力されていたので、途中までのログをレビューの一番後ろに張り付けしておきます。

maxioの公式HPでMAP1602を確認してみると、DRAMキャッシュレスでした。

よって、纏めると

  • コントローラー:maxio社製MAP1602
  • フラッシュ:YMTC 3D NAND TLC
  • DRAMキャッシュ:無し(HMB 32MB)

となります。

なお、フォーマットした後の容量は1.86TBでした。

 

 

検証環境

Cryatal Disk Info、Crystal Disk Mark、ATTO Benchmark、AS SSD Benchmark

  • CPU:AMD Ryzen 9 7950X
  • CPUクーラー:Deep Cool AS620
  • マザーボード:TUF Gaming X670E-PLUS
  • SSD:M2_2(チップセット側PCIe Gen3×4) Moment MT34 NVMe Gen3 SSD 256GB(システムドライブ)
  • M2_1(CPU側PCIe Gen5×4・自動認識)  HS-SSD-FUTURE 2048G(今回レビューするSSD)
  • 電源:Corsair ATX 1000W電源 RM1000e
  • メモリ:Crucial DDR5-4800 定格メモリ16GB*2=32GB
  • ケース:Fractal design Define R7 Wihte
  • OS:Windows11 (最新大型パッチ及びWindows Update適用済)

AMD環境で測定したほうが結果が良くなると言われていますので、ベンチマーク部分だけ改めて上の環境で測定しなおしました。

 

空き容量が少なくなってきたら、どのように速度が変化するか?、「温度」 に関しては下の環境の結果を使用しています。

  • CPU:Intel Core i7-13700K
  • CPUクーラー:サイズ Big shuriken3 RGB
  • マザーボード:Asrock Z690M-ITX/ax
  • SSD:M2_2(チップセット側) AGI NVMe Gen3(システムドライブ)
  • M2_1(CPU側) HIKSEMI FUTURE70-02TB(今回レビューするSSD)
  • 電源:Corsair SFX 750W電源 SF-750
  • メモリ:Patriot Viper DDR4-3000 OCメモリ8GB*2=16GB
  • ケース:QDIY 0040-*PCJMK6-ITX(テストベンチ)
  • OS:Windows11 22H2(最新Windows Update適用済)

注意してほしいのはテストベンチなので、当然オープンエアと言うことになります。

普通のケース(特にMini-ITX)よりはかなり冷却に関する条件が良いのでそれを差し引いてみてください。

また、2つのM.2スロットのヒートシンクは共通です。

並んでいるスロットに2枚分のスペースを覆っています。

 

 

 

Crystal Diskinfo8の結果

SSDのスマート情報を表示する有名ソフト

電源投入回数も1で読み込みも書き込みも0と非常に気持ちの良い状態です。

 

 

 

CrystalDiskMark8の結果

※ Intel環境の結果からAMD環境の結果に差し替えしました。

SSD/HDDのベンチマークの定番であるCrystalDiskMark8の実行した結果だ。

CrystalDiskMark8は各テストを5回計測し、一番数字が良かったものを表示する。

ストレージの最も良い状態の性能をを測定するベンチマークなのでメーカーも好んで性能の表示に使うベンチマークテストだ。

テストは1/8//64GiBで行った。

8GiB/64GiBの値は落ち込みが大きい。

1GiBの結果のみ張り付けしておくが、後はグラフに纏める。

AMD X670E

 

Intel Z690

シーケンシャルリード・ライトの公称値はリード7450MB/s、ライト6750MB/sだが、公称値にかなり近い結果が出いるのがわかるのではないだろうか。

わずかに及んでいないがもはや計測誤差のレベルに収まっている。

Intel環境と比較してもかなり数値が良くなっている。

コントローラーメーカーのmaxioが発表しているMAP1602のシーケンシャル最高値がリード7400MB/s、ライト6700MB/sだが、尋常ではない位の値が出ている。

ちょっと驚きだ。

 

 

ランダムリード・ライト

AMD X670E

 

Intel Z690

ランダムリード・ライトについても説明しておく。

リード1,070K IOPS ライト1,044K IOPSと公称値であるリード860K、ライト690Kと比べるとかなりいい値が出ています。

AMD環境ではリードが若干遅くなっているものの、それ以上にライトが良くなっている。

これには驚きました。

 

 

 

 

 

ATTO Disk BenchMark 4の結果

SSDの各ブロックサイズにおける速度を測定するベンチマークです。

 

QD1

 

 

QD4

 

4Kから2Mまでの数値をグラフ化したもの

 

 

AS SSD ベンチマーク

AS SSDベンチマークでも測定してみた。

AMD X670E

 

Intel Z690

 

 

空き容量が少なくなってきたら、どのように速度が変化するか?

最新のSSDはフラッシュメモリセルをSLC化してキャッシュにし、速度が低下しないようになっている。

まず最初に、USB3.2 Gen1の外付け2.5'HDDから512GBのファイル3つと112.64GBのファイルをコピーして残り容量256GBまで減らし、128GBのファイルをコピーしてみた。

※ 最後の128GBファイルはC:ドライブのPCIe Gen3x4 256GBのSSDからコピー

2.5'USB-HDDから一つ目のファイルのコピー。512GB

2.5'USB-HDDから2つ目のファイルのコピー。512GB(合計1TB)

3つ目のファイルコピー。512GB(合計1.5TB)

2.5'USB-HDDから4つ目のファイルコピー。112GB(合計1.604TB)

 

 

残り256GBになったところで128GBのファイルをC:ドライブのNVMe Gen3 SSD 256GBからコピー

 

特に速度が落ちることなく終了

Hanye ME70 2TBの場合、最初の2.5'USB-HDDから512GBのファイルを3つコピーするときに900MB/s前後迄速度が落ちたが、FUTURE SSD 2TBは全く速度が落ちなかった。

巨大なファイルのコピー、移動などを行っても速度が非常に落ちにくい優秀なSSDと判断できる。

 

 

温度:

上記設定のCrystal Diskmark 8実行中の温度変化を計測

5秒更新

42度から47度に上昇。

以降変化は見られなかった。

かなり低発熱のSSDと判断してよいだろう。

 

 

 

総評:

高速、低発熱、安価、512GBのファイルをコピーしても速度が落ちず、容量が残り256GBのところに128GBのファイルをコピーしても速度が落ちないなど、この価格帯では信じられないほどの性能を誇る。

耐久性に関してはテストで2700GBほど書き込んだが、正常100%で3600TBWの公称値に相応しい結果と言える。

ただ、初めてのテストで計測しなおしなどのロスがあったにも関わらず、ME70の方は総書き込み量が2008GBで、こちらはロスが無かったにも関わらず2700GBになった。

高い性能や使い勝手を維持するためにSLCキャッシュの使い方をかなり工夫しているためと思われるが、注意したほうが良いだろう。

ただし、ME70の1500TBWに対して、HIKSEMI FUTRUE SSD 2TBは3600TBWもの耐久性を誇るので、問題にはならないだろう。

耐久性はまだ未知数だが、産業用途で鳴らしたHIKSEMIの品質管理を信じたい。

非常に隙の無い優秀なSSDで同価格帯の中華SSDの決定版ともいえる製品だろう。

誰も注目してないのが信じられないほど優秀だ。

DRAMキャッシュ非搭載製品だが、搭載製品に勝るとも劣らないレベルの性能を誇る。

もはや、2TBで20,000円前後のGen4 SSDの全てを終わらせた存在と言ってもよい。

予算が20,000円で2TBのGen4 SSDが欲しい場合は他の選択肢は考えなくてもいい。

コスパならば990PROにも負けていない。

 

今回レビューした製品

メーカーがPS5への対応も謡っており、PS5につけるならば、公式のヒートシンクも販売している

 

4TB版はこちら

4TBヒートシンク付き

 

1TB版はこちら

 

他製品との比較:7000MB/s超クラス PCIe 4.0×4 SSD 2TB/4TB 製品比較 PS5対応

 

オマケ:

maxio_nvme_fid.exeのログ

 

実行途中でOSごとハングアップしました。

ログは途中で終わっていますので注意してください。

maxio_nvme_fid.txt

v0.32a
OS: 10.0 build 22621
Drive : 0(NVME)
Scsi : 1
Driver : W10
Model : HS-SSD-FUTURE 2048G
Fw : SN08193
HMB : 32768 - 32768 KB (Enabled, 32 M)
Size : 1953514 MB [2048.4 GB]
LBA Size: 512
AdminCmd: 0x00 0x01 0x02 0x04 0x05 0x06 0x08 0x09 0x0A 0x0C 0x10 0x11 0x14 0x80 0x81 0x82 0x84 0xC1 0xC2
I/O Cmd : 0x00 0x01 0x02 0x04 0x05 0x08 0x09
Firmware id string[0C0] : MKSSD_100000000081933100,Oct 21 2022,10:34:14,MAP1602,1SSYAA4C
Project id string[080] : r:/03WORK/02FALCONLITE/06CRAZAY9070/CS8192
Controller : MAP1602
NAND string : CYAxxTE1B1xC3B
List may not be complete
Ch0CE0: 0x9b,0xc5,0x58,0x71,0x30,0x0,0x0 - YMTC 3dv4-232L(x3-9070) TLC 16k 1024Gb/CE 1024Gb/die
Ch1CE0: 0x9b,0xc5,0x58,0x71,0x30,0x0,0x0 - YMTC 3dv4-232L(x3-9070) TLC 16k 1024Gb/CE 1024Gb/die
Ch2CE0: 0x9b,0xc5,0x58,0x71,0x30,0x0,0x0 - YMTC 3dv4-232L(x3-9070) TLC 16k 1024Gb/CE 1024Gb/die
Ch3CE0: 0x9b,0xc5,0x58,0x71,0x30,0x0,0x0 - YMTC 3dv4-232L(x3-9070) TLC 16k 1024Gb/CE 1024Gb/die

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