既にComputex Taipeiでもかなり展示されていましたので、知っている方もいると思いますが、ミドルレンジ向けであるAMD B450チップセットを搭載したマザーボードが出回り始めました。
第二世代Ryzen2000シリーズの上位モデルとX470チップセット搭載マザーボードの発売から約三か月。
予想より、かなり時間がかかりました。
これに伴って当サイトの解説記事ページも更新いたしました。
Ryzen | X470 | B450 | |||
PCIExpress3.0レーン数 | 16 | 0 | 0 | ||
PCIExpress2.0レーン数 | 8 | 6 | |||
USB3.1Gen2 | 2 | 2 | |||
USB3.0 | 4 | 6 | 2 | ||
USB2.0 | 6 | 4 | |||
SATA3.0 | 2 | 0 | 4 | 2 | |
NVMe | PCIex X2 | PCIex X4 | |||
RAID | 0/1/10 | 0/1/10 | |||
オーバークロック | 可 | 可 | |||
SLI | 可 | 不可 | |||
CrossFire | 可 | 可 | |||
StoreMI | 可 | 可 | |||
XFR2 | 可 | 可 | |||
XFR2 Enhanced & Presicion Boost Over Drive | 可 | 可 |
解説記事:マザーボードについて
第二世代のRyzen2000シリーズ対応チップセットX470とB450と第一世代Ryzen1000シリーズ用のX370、B350チップセットの最大の違いは、XFR2 Enhanced、Prescision Boost Overdrive、StoreMIに対応していることです。
X370、B350チップセットでも第二世代のRyzen2000シリーズを使うことはできますが、これらの機能を使うことはできません。
XFR2 Enhanced、Prescision Boost Overdriveはこの二つの機能を組み合わせることによって
・排熱に余裕のある時はベースクロック、ターボクロック以上に自動でオーバークロックされる
・排熱に余裕があれば負荷が高い時もクロックが落ちにくくなる
ということです。
メーカーが設定した自動オーバークロック機能ということです。
XFR2 Enhanced、Prescision Boost Overdriveの二つの機能を使うにはRyzen7 2700Xの様に末尾にXがついているモデルが必要となります。
欠点としてXFR2 Enhanced、Prescision Boost Overdriveをオンにすると消費電力が上がってしまうようです。
これからRyzen搭載ゲーミングPCを購入予定の方でX470とB450のモデルを選択される方は冷却パーツに投資しておくと面白いと思います。
intelのTurboもそうですが、こうした機能は排熱に余裕のある時にギリギリまでクロックをあげてくれますので、ミドルタワーなどの排熱能力の高いケースと小型のケースではPCの性能そのものが違ってしまうというような傾向がますます強くなったと言えるでしょう。
こうしたことを納得して選択される上級者の方は別として、やはり小型のケースを選ばれる方は、設置スペースや外見の良さと性能を引き換えにするということを覚悟しておいた方がよいでしょう。
どうしても設置スペースが確保できないならば仕方ありませんが、何のためにゲーミングPCを求められるかを考えると答えは自ずと出てくると思います。
StoreMIはSSDをHDDのキャッシュとして使うことでHDDの性能を上げる機能です。
HDDをシステムドライブに使う場合などは有効な機能でしょう。
intelはOptane MemoryやIRSTなどでこうした機能を以前から実装してきましたが、第二世代Ryzen用のチップセットになってからようやくAMDも追い付いてきたということでしょう。
B450チップセット搭載マザーボードの登場に合わせてRyzen5 2000シリーズやRyzen3 2000シリーズの未発売モデルも順次発売されることと思います。
参考記事:AMD Ryzen2000シリーズ 未発売モデルとThreadRipperについて
なお、余談ですが、32コア64スレッドのSocketTR4用怪物CPU、Ryzen Thread Rippper 2990Xは海外の予約を受け付けているショップでの価格が1,509ユーロ、発売日が8月13日になるようです。
1ユーロは記事を書いている現在で131.51円なので日本円に直すと198,448円ということになります。
1コア当たり6,201.5円、1スレッド当たり3,100.75円ということになります。
Ryzen7 2700Xの価格が記事を書いている時点のamazonで35,654円ですので、1コア当たり4,456.75円、1スレッド当たり2,228.375円です。
その世代の最高性能には価格にプレミアがつくという、最高性能プレミア込で高いと思うか安いと思うかは人によると思いますが、コンシュマー向けの唯一の32コア64スレッドCPUであることを考えるとこの価格でも需要はあるでしょうね。
ゲーミングPCユーザーとしてはかなり余裕がある人でないと購入できないでしょうが、史上初のコンシュマー向け32コア64スレッドCPUです。
自作ユーザーの間では今のうちから購入宣言を出している方もいて、なかなか目が離せない状況になっていると言ってよいでしょう。
個人的な感想としてはWindowsのタスクマネージャーにCPUの負荷グラフが64個並ぶのはさぞ壮観だろうなと思います。
Ryzenの特性から言ってもあまりゲーム向けとは言い難いCPUですが、エンコードなどのマルチコア向け作業を多用される方は注目しておいた方がよいCPUと言えます。
ソース:videocardz.com - ASRock, ASUS, Gigabyte and MSI B450 motherboards pictured