「日本国内での予約を、2020年9月18日(金)午前10時より全国のPlayStation®取扱販売店様の店舗やECサイトにて順次開始いたします。」
ソニーの公式サイトに上のような一文が掲載され、PS5の予約争奪戦が始まりました。
今回、ソニーの公式サイトではPS5の予約ををするには条件があります。
■第1弾 抽選販売■
対象者:2020年9月17日(木)までにソニーストアでMy Sony IDを利用した購入履歴のある方で、下記の【重要】注意事項に同意いただける方
応募受付:10月中旬予定
お届け日:発売日(11月12日)お届け予定■第2弾 抽選販売■
対象者:ソニーストアのご購入履歴が無い方、ならびに第1弾で落選された方。かつ下記の【重要】注意事項に同意いただける方
応募受付:11月中旬予定
お届け日:発売日後のお届け【重要】注意事項
・抽選販売への応募は1世帯1名様に限定させていただきます。
・転売目的でのご購入はご遠慮ください。お名前・ご住所・ご連絡先を登録いただける方への販売に限らせていただきます。<応募・当選ならびにご注文の無効について>
下記事項に当てはまる場合には、応募・当選ならびにご注文を無効とさせていただきます。
・お1人または1世帯で複数のアカウントを使用しての応募が明らかになった場合
・当選者以外の方からのご注文があった場合
・定められた期日までにご注文を完了いただけない場合
・ご登録情報に虚偽がある場合
・転売目的が明らかな場合
・一度でも抽選販売に当選されたことがあるお客様の応募が明らかになった場合
・その他弊社で応募が無効と判断した場合
上のようになっており、転売屋対策がかなり進んでいます。
特に
2020年9月17日(木)までにソニーストアでMy Sony IDを利用した購入履歴のある方
と言う条件はゲームに興味が無いのに転売している転売ヤー(恐らく大半の転売ヤーが該当すると思われます。)に対しては致命傷になったのではないでしょうか。
これで公式ストアからは発売日に届く予約注文を複数取れなくなりました。
そしてコロナ禍が続いてる現在、他の家電量販店サイトにおいても、抽選販売が主流になり、いわゆる浮浪者などを使った行列の独占は出来なくなりました。
また、それによって家電量販店のIDを持っていないと申し込めないようになっていたりしますので、ここでやはり転売目的の複数申し込みはしにくい状況になっています。
結果どうなったのか見てみましょう。
定価の10倍……
PS5を“50万円で高額出品”するAmazonアカウントが問題に 「キャンセル不可です」と迷惑料5万円を要求する出品者もhttps://t.co/fHLCKCrgYl @itm_nlab より pic.twitter.com/9A1nJ91w1Y
— ねとらぼ (@itm_nlab) September 18, 2020
キャンセル不可、50万円以上の高額出品をするマーケットプレイス出品者が現れました。
これは、並んだり、公式ストアから複数アカウントを取得して大量のPS5を購入する予定だった転売屋が、予定が狂い、仕入れができなかったため、予定している利益を達成するために無茶な価格で販売したものと思われます。
ここまで見ると、ソニー公式ストアの転売屋対策は功を奏しているように見えます。
問題は50万円という法外な価格を実に紛らわしい方法で売る詐欺的なセラーが出てきたことです。
普段「経済を回しているから俺らは正義」と嘯く転売屋の本音
結局、思ったように商材が仕入れられず、予定の利益を抜けなかったら、詐欺師に早変わりするというのが転売屋と言う人種の「正体」と言うことが明らかになってしまいました。
ツイッターではこの悪辣な商法に引っかかって悩んでいる方も出てきており、あまり見るに堪えないので、私はamazonに「詐欺ではないか」と通報しました。
PS5の転売屋が一層されたようです。
10倍の価格が詐欺と言うのが効いたようですね。https://t.co/ubsZaviPeR— Lisaちゃん@PC自作 (@KotoriKanase) September 18, 2020
そして、他にも通報してくださった方がいたと思うのですが、その甲斐もあって、この記事を書いている現在、amazonマーケットプレイスからPS5の悪辣な転売は消えています。
そろそろ転売に対して社会的な対策を講じるべき時期が来ているのではないか?
転売屋も生活が懸かっていますので、PS5を予定の台数仕入れられなければ、生活費が稼げないわけです。
そして、生活費が稼げなければ数少ない仕入れ品を高く売るしかありません。
彼らの頭には常識に則った「適正価格」とか「上限価格」などと言う概念はありません。
そしてしまいには「キャンセルしたら迷惑料5万円いただきます」「7万円いただきます」などというネットのミームとなるような「名言」が生まれてしまいました。
転売屋は普段「転売は悪ではない」と言っていますが、どのような値段を付けるかは彼らが決めます。
そして、彼らが付ける値札は商品の原価や価値などは関係なく、「自分たちがどのくらい手に入れるのに苦労したか」や「予定の台数を仕入れられなかったため、自分が欲しい利益の金額」で価格を付けていることが明らかになってしまいました。
これは商売としては明らかに異常です。
PS5のamazon販売ページの質問欄に「高い」と言う意見に対して「双方が合意すれば問題ない」と言う回答がありました。
人間は弱い生き物です。
予定の台数が仕入れられず、あてにしていた生活費が稼げなくなれば、「双方が合意すれば問題ない」と嘯いて、法外な価格を付けると言うことです。
そこに、他者に対する配慮や顧客がどんな顔しているのだろうかと言う思いやりはありません。
そして、amazonからは詐欺認定をされ、PS5の転売品は出品を取り消されました。恐らくamazonのセラーアカウントは凍結されたものと思います。
彼らの頭の中には「売れるものを仕入れてくれば俺らがどんな高値を付けても誰からも文句を言わせない」と言う思い込みがあるのだと思いますが、物には限度と言うものがあります。
限度を超えれば、悪として世の中から排除されていくと言うことです。
パブリックエネミーとなった転売屋の行きつく先
最後にツイートでも紹介しましたが、
転売対策を行っている面白い会社を見つけました。
このサービスに店が加入するとユーザー側には一切知らせずに購入者の審査を行うそうです。
一種の信用スコアのようなものですね。
過去の行動に照らし合わせて、転売を行ったユーザーには購買拒否を行うようです。https://t.co/4JyQazkdvL— Lisaちゃん@PC自作 (@KotoriKanase) September 14, 2020
上のような転売対策を行う会社が出てきました。
使っているパソコン・スマホやクレカの情報などから購買行動を分析して、転売屋の購入をブロックするというものです。
商売と言うのは客に嫌われるようなことをすれば長くは続きません。
どんなに理論武装して自己正当化しても、人間は感情の生き物、多くの人から嫌われれば必ずその世界の人たちに返ってきます。
将来的にはマイナンバーやデジタル通貨など、一人一人の購買行動の履歴が明らかにできるテクノロジーが普及するでしょう。
そういった技術が普及した近い未来に、人の迷惑を顧みない転売屋の存在が許されるようには思えないです。
私は今まで転売容認派と言ってきました。
転売は小売業に参入するにはちょうど良い業態だと思ったからです。
しかし、今回の一件で、転売屋の本質は「悪」であると判断しました。
よって転売は許されざる犯罪だと私は思います。
法的にどうあれ、転売を行う人間の感覚が犯罪的であるならば、犯罪を犯すのは時間の問題でしょう。
判断力の弱い未成年が購入するゲーム機やおもちゃを法外でさらに桁を間違うような紛らわしい値段を付けて売り、「キャンセルしたら迷惑料5万円」という人が正しいとはどうしても思えないです。